CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】52ヘルツのクジラたち

2021-04-10 21:08:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
52ヘルツのクジラたち  作:町田そのこ

最後は前向きになれる内容なんだけど、
結構重い話でありました
世の中には、こんなにネグレクトとか、貧困というものが
横たわっているものなんだろうかな
縁もゆかりもないのだけども、まるで連鎖しているように、
何かしら家庭に、人生に暗いものがあった人たちが
次の人たちを助けていくように、
届かない声だという52ヘルツの鯨となって
連なっていく

3人の人生が連なるんだけども、
その周辺に色々な人たちがいて、助けられる
人生のよい一面が照らされる内容で
読んでいてよい話だと思う反面、
その対極ともいえる苦難の過去や現在が重たくのしかかってきて
なんとも嫌な気分になるのでありました

割と嫌な人が、かなり嫌な人のままという物語なので、
それはそれで仕方のないことなのかもしれないが、
あまり情状酌量したくないような、ある種の可哀想さをもっているのも
読んでいて辛いところでありました
ネグレクトというものが、読んでいてこころを蝕んでくるというか、
こういう悪意とも異なるかのような身勝手さというか、
物理的ではない暴力というのは、
読んでいると暗くなってしまうなと、慄くばかりなのであるが、
それを乗り越えていこうとする、
そうさせてくれる優しい周りの人々というのがいいなぁと思う
そんな小説でありました

基本的にいい話、そういう泣ける系のそれだなと思うと
苦手なジャンルだと思いつつも、読み終えたのでメモっておくのである