CLASS3103 三十三組

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【読書】旅のつばくろ

2021-04-27 20:52:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
旅のつばくろ  著:沢木耕太郎

旅エッセー集でした
著者の思い出語りといっても過言ではない、
日本国内の思い出が多いけども、古今東西の様々な旅の話が詰まっていて
気軽に読め、楽しめる本でありました

深夜特急とか読んでいないので、
その文章というものにあまり親しんでいないのだけども、
かなりの文学青年だった様子で、
様々な文豪ゆかりの地に遊びにいっていて、
そこと文豪とのつながりがさりげなく差し込まれているから
非常に面白い読み物だと思った
文豪のいる土地なら、沢木さんにエッセーめいた
観光案内書いてもらうと、物凄くよいのではなかろうか
凄い読んでみたい

少年の頃というのが50年も前になるというお話なわけだけども、
その頃に、東北地方をぐるりした話だとか、
東京生まれなので臨海学校でお決まりの土地がある話だとか、
若い頃の話が、嫌味なく、さらりと出てきて
非常に興味深いのでありました
よくある、ゴールデン街の話もでてくるけど、全然嫌味じゃないというか
あの独特なそれこれが一切描写されず、
さらりとそこに居た、そして誰かと出会ったといった話程度なのが
また、なんというか、かっこいいと思ってしまった
それ以上に語れることがなんぼでもあるという
余裕というでもないけど、それは違うという毅然としたものを見るような気がする

経済学部なのに論文に文学研究のそれを出した話とか、
ちょっとどうかしてるんじゃないかと思うエピソードもよかったけど
フリーランスでやってきて、インタビューするということ、
紀行を書くということに対しての信念とも違う、
スタイルというのが見て取れるような文章でありました
なんともかっこいい、気負いがないというのが凄いいいなぁ

さばさばしているようで、
時折凄く情緒的な文章も出てきたりして
夜、寝る前に数編読むというのが正しい楽しみ方と
そんな気がする本でありました


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