CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】きよしこ

2021-04-08 20:50:28 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの単発ドラマでした
てっきり数回の連続ドラマだと思ってたんだが、
1回で、おおよそ3編の短編ドラマがこめられている
そんな感じでありました
吃音について、その生い立ちから語るといった内容で
しんみりして、いい話だなと、ほのぼの見入ったのでありました
こういうのに、ヤスケンとてもいいなぁ
最近よくNHKに出てくれるので嬉しい俳優さんである
主役でもっと見たい、というか、うつ病九段を地上波でやってくれ

吃音をどうやって克服するかというお話ではなく、
それとどう付き合ってきたかというお話のようでもあり、
少年の成長記という内容でもあった
それぞれに印象的な出会いや、寄り添ってくれた人がいてと
そういう話でもあって、なんというか、ハートフルで素晴らしい
優しい気持ちになってしまうのである

子供の頃の遊んでくれたおじさんの話が
個人的には一番ぐっときたというか、
境遇は違うけど、あのおじさん側の気持ちがわかってしまうような
そういう年齢になってしまっていて、なんというか
しみじみ感動したのでありました
おじさんはいつかこの日がとわかっていただろうし、
その時のせつなさを思うと、泣けて仕方ないわ

吃音が、アクセントになっている
決断のときに吃音することで、そこへの思いの強さがわかる
そんな風にも見えて、とてもいいなぁと感動したのであります
東京とか、印象的な台詞が象徴的に吃音になってるのも
上手いというか、すごいなぁと感じた次第でありました
あんなに言葉に思いを乗せるって
むしろ吃音じゃないとできないくらいだなと思うのでありました
物語として、しっかり、自分がどうしたいかが伝わってくるからいいんだろうな
ごく当たり前の話なんだが、
自分がしたいことを自分の決断で行う
そのシーンを描くから感動するんだろうと
常日頃を反省しつつ見ていたのでありました

いいドラマだった
ほのぼのと過ごせる

【読書】ラスプーチンの庭

2021-04-06 21:12:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラスプーチンの庭  作:中山七里

珍しく短編というか、一冊完結かしらと読んだのだけども
どうやら続き物の、しかも6冊目に当たるのだそうで
そういう感じが微塵もしなかったんだが、
前を知っていると、より楽しめたのかもしれない

民間医療についてがテーマになっていて、
その功罪、その周辺というのが描かれていました
幸いなことに、とりあえず健康体なので、
そういうこともあろうかなと思いながら読んでいたんだが、
実際高額医療になってしまう、難病だとか、
そういうものにかかったりしたときの絶望というのは
察するに余りあるし、
だからこそ、昔から宗教みたいな救いがはびこってんだなと
思わされる、わかりやすいシナリオであります

絶対的な正義は存在しないし、科学と感情が対立するというでもないが、
医療、そして、それを必要とする人たちが、貧富によって
なんらかの差異を覚えているというのが不幸の始まりになっていて
現実には、まだ、ここまで多くの人が謎の宗教団体めいたところに
殺到したりはないだろうなと感じたんだけど、
これも、自分が健康だから思うだけなんだろうかと
死と隣り合う恐怖みたいなのを考えるのでありました

昨今取りざたされることが多い、貧富の差、格差というものが
こんな形で出てくることもあろうかと
そう感じるばかりなのであります
最終的に、黒幕というか、犯人の側が結構小さいなぁと
そんな風に思うところだったので
爽快感みたいなのを感じられないのでありますが
救われるということを考えさせられて、
結構出てきた人、全員が、何かしら不幸というか、
悲しい目にあって、それが報われないというか、
悲しいお話だったと思うのであります

避けられない死に、どう向き合うか
そういうものだとしたら、罰することもできないし
これはなかなか、難しいというか、
救いがたい問題であるな

【読書】元彼の遺言状

2021-04-05 21:20:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
元彼の遺言状  作:新川帆立

エンタメミステリでした
あれやこれやが、ゆるく、解りやすく繋がっていって
見事に解決して終わる、非常に楽しい読書になった
お金第一主義のデキる女弁護士が、元彼が残した妙な遺言状の謎を解いていく
まぁ、そんな按配なんだけども、
この女弁護士が負けん気が強いし、お金へのある種の執着が凄くて
読んでいて楽しかったのでありました
お金というか、稼ぐということへの執念みたいなのがよかった
吝嗇とは違うんだな
漫画みたいな小説だった

ミステリ好きには、あっさり解けそうなわかりやすいトリックというか、
ひっかかりが出てきて、読みこなしている人だったら
やっぱりなと思いつつも、そこがメインではないという展開が続く
なかなか、やきもきしながら先へみたいな感じがする内容でありました
好きな人だったら、ひっかけだって、わかってしまうくらいだったんだろうか
まったく気付かなかった自分にはわからんところである

結構入り組んだというか、遠まわしにある目的を達成しようと
それが根幹にあった事件だったのでありますが、
劇場お約束とまではいわないものの、
種明かしもしっかりと書き込まれていて
ミステリというものをふんだんに楽しめる、
そんなエンタメ小説だったと思うのであります

主人公の負けん気の強さと、
その弱点がポイントになっててよかったんだが、
出てくる登場人物が、どれもこれも漫画っぽいのが
読みやすさを加速させてて、あっという間に読み終わったのでありました

青天を衝け  栄一の祝言

2021-04-04 20:57:09 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
流れるように安政の大獄まで進んでしまった
なかなか面白いというか、この時期の幕府って、
迷走というか、強権を発動した時期だったんだなと
改めて思い知ったりする次第である
おおよその流れも知っているし、何度も様々なドラマで見ているわけだが、
年齢を重ねて、少し時間を置いてみてみると
違う見方というか、この頃の政治情勢というのが
なんとなく想像できるような感じもして面白いのでありますな
井伊の気持ちが今回、すげぇよくわかるというか、
いやー、いい塩梅だ

そんなわけで、井伊については、ガラじゃないのをわかっているが、
やらざるを得ないというところに、一種悲劇的なヒーローめいた心持で、
ああしているんじゃないかとすら思えるような、
自分に酔っているとも思えるような、ただの日和見が、
なんというか、人間くさいと思えるわけなんだけども
あっという間に、次回桜田門だそうで、大変であります

慶喜もまた、嵌められたではないが、
飼い犬に手を噛まれたかのような、助けてやった恩義を感じない相手であったと
そういう感じでもある事態が興味深いところであります
英邁であるが、他人を信用しすぎたというべきか、
ある種読みが浅い、人との付き合いが、御老公とだけではなく
様々なところに問題として残ってると
それもわかるようでよい塩梅であります
ある種高潔なんだろうが、間が抜けているともいえる事態が
本当、ありそうだという感じで面白すぎるわ

一方田舎では、嫁をとるだのとらないだので
結局ヤットウで決着とかいう話だったはずだが、
それもまた、負けて譲られてという、まぁ落着としては
そのあたりかといった感じでもあるけど
たまたま、嫁候補が唐突に沸いてきたからよかったものの
そうじゃなかったら、喜作が可哀想で仕方ない展開じゃねぇか、
お前らが、いつまでもぐずぐずしてたから、
なんか可哀想な当て馬的な感じになってたじゃないかと
少々悲しくなったんだが、まぁ、
全体的にみんな幸せそうだったからいいかと納得しておくのである

その田舎と江戸をつなぐ、天狗党決起っぽい感じが
次回にステキな引きとなって終わったのでありますけども、
水戸の浪士の危険さを、もっとぎらぎらやって欲しいのである
というか、幕末には人斬り的なキャラクタがいないといけない決まりでもあるみたいに
各藩というか、勢力に一人はそういうのが設定されるなと
感心してしまうのである
芹沢鴨とか出てくんだろうかな

【読書】推し、燃ゆ

2021-04-03 20:47:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
推し、燃ゆ  作:宇佐見りん

芥川賞らしい小説だった
そうだ、俺の知っている芥川賞はこういう小説だ
物凄くしっくりきたというか、かくありと思うほど
陰鬱とも違うが、何か重たい、どうしようもない激情が
まさに蠢いているといった感じを覚える内容だった

話は、アイドルを推している、それも派手に熱狂的にというではなく、
ある種狂気にも似た、でも静かに支持している、これが推すということかと
読みながら学ぶかのように、どっしりとした
ファンの鑑のような描写と、その内にある鬱屈が見事だった

いわゆる普通の生活がうまくできない、
勉強もできないし、食器を片付けたり、掃除をしたりできない
発達障害なのかとも思える主人公が、
ただ、アイドルを推すときだけ、とても精力的にこなせる、
その語録をまとめたり、様々なレビューを書いたりして
ガチ勢として、SNSではちょっとした有名人になっているけども、
そんなことはどうでもよくて、
ただ、推している、推すということがすべてという
独特な心の動きが興味深かった

やがて、アイドルが引退するという別れをどのように受け止めるか
想像もできないまま、本当にそのときを迎えてと
このあたりからの流れ、人格というか、人間としての形を失っていくかのような、
おそらくこれが喪失というものだと思ったんだが、
破壊と再生に至らない、残滓のようなものが見事に描かれていて
濃い絶望と、ひょっとしたらという一縷が見える小説だった

芥川賞を堪能した

【ドラマ】星とレモンの部屋

2021-04-01 21:01:33 | ドラマ映画テレビ感想
NHKでやってた特別ドラマでありました
テレビドラマだけども、内容的には小劇場でやってそうな
劇団脚本といった感じだった
これ小劇場でやってるの見たら面白そうというか
やっている風景が見えるような気がするくらいだったわ

内容は、引きこもりが親の死によって
唐突に世間と接触を強要されるかのようになる
そこでの葛藤に継ぐ葛藤が描かれていて
見ていて、そういう感じになりそうだなと
見入ってしまったのでありました
でも、実際の引きこもりはこう感じないのではとも
思ったり思わなかったり、
いや、実態数が多いからこういうパターンもあるだろうという
一種の希望なんだろうかしら

と、なんか偉そうになるが、引きこもりがこんな感じだと
どうするんだろうか、こんな感じだろうかという
そうじゃない人が押し付けた幻想の映像化ではないかと
辛辣なことも思ってしまったんだが
そうだからこそなのか、理解できるというか、
流れが自然に、そうあって欲しいという感じになっていくので
なんだかわからんが、見入ってしまったように思うのである
そう感じたのも、そう考えているのも
つまるところ、見ている私なのではないかしらなんて

と、そんな暗いことを考えつつも
内容はもっと暗いのでありまして、
引きこもりが、どうしても、どうやっても世間と隔絶を選んでしまう
境遇としては同じで、引きこもりなのに、親が家で死んでしまった二人、
少し先に親の遺体と過ごすことになり詳しくなってしまう男、
今、親の遺体の側にいる女、
二人の会話もまた、ひきこもりというくくりなのに繋がらない、
それぞれが違うということでもあるなと思わされるし、
考えさせられるところが多すぎる

どうしても、破綻ではないが、
強制的に先へと進む事象ではあるのだから
結末として、ある種投げっぱなしになるようでもあるんだけど、
もしかすると、これはひきこもりそのものにではなく、
その親、死ぬかもしれない人たちのほうに向けた
救いを描いたんだろうかとかも
もう、ちょっと考えすぎだろうかしらねと見ながら思ったのでありました