CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

NHK正月時代劇 風雲児たち~蘭学革命篇~

2018-01-12 21:13:22 | ドラマ映画テレビ感想
NHKで、えらい気合入れて作っていたと思われる
渾身のドラマでありました
表題マンガについては、時折読んだことがある程度の知識なので、
正直、良沢なんて人まったく知らないという体たらくでしたが、
その業績というか、そもそも、
あの時代に翻訳をしたという事実の偉大さが
物凄くよくわかって、大変楽しいドラマでありました

物語としては、解体新書がどうやって作られたか
それをドラマとして描いていて、
これが本当だったかはわからんが、
きっとそうだったんだろうなという、
翻訳を推理していく楽しさが、凄い伝わってきたというか
いや、使命をもってあれに取り組んでいたわけで、
さらに、そこにどれほどの心血と時間を注いできたんだろうかとは
考えるほどに、凄まじいことだと思い知った次第であります

また、出来上がっていく仕事のできばえについて、
納得がいかないとごねてしまうということも、
指摘された、後の不安という部分があったのか、
本当に心からそう思っていたのか、
あのへんになると、自分でもまったくわからないんだろうなと
思ったり考えたりしつつ、神経という言葉が作られたくだりなんかは
ちょっと感動してしまったのでありました
どちらが、あるいは、手柄をと思っていたのだろうか
いや、手柄というではないのか、
進歩を一刻も早くとせいてしまう恐ろしさでもないが、
もしかしたら誤ってしまうかもという恐怖との
なんとも、先駆者の葛藤が見られて
大変面白かったと思うのでありました
あんな仕事することないが、あれを成しえたということは
立派すぎるだろうと脱帽なのであります

ドラマのつくりについて、偉そうに相変わらず語ってしまうのでありますが、
唐突にさしはさまれる幕末に連なっていく偉人の紹介、
そしてそれが、特段、主筋の物語と絡まない
まさに挿入でしかないという唐突さが、マンガそのままに
ドラマで再現されていたのが楽しくてよかった
あの後出てくるかと思ったら、誰も出てきやしねぇというのが
いかにも風雲児たちっぽくていいなぁと
にやにやしてしまったのであります
さらにいうと、役者がみんな真田丸の人だから、
なんというか、懐かしいでもないが
色々と思い出させられるところもあったりして
もうちょっと、コメディ分がほしかったかもと思いつつも
楽しく見られたのでありました

役者がどうしたということもなく、
とても丁寧に、大切に作られたドラマだったと
そういう感想を抱くにいたったのでありまして、
脚本家にしては、随分おとなしい内容だったんじゃないかと
勝手に想像してしまうんだけど、
このリスペクトされたかのようなつくりに
物凄く、深く楽しませてもらえたと
正月早々拍手していたのでありましたとさ
よかった、こういうのをつぎつぎ見られるといいなぁ
贅沢だなぁ

【映画】嘘八百

2018-01-11 21:05:33 | ドラマ映画テレビ感想
邦画であります
中井貴一と佐々木蔵之助が出ている
いかにもな邦画ながら、コメディで楽しく
和やかな気分になれる一作でありました

うだつのあがらない骨董商が、
これまたうだつのあがらない陶芸家と組んで
一発、博打をというような内容で
ほどよい笑いをまぶしながら、まったく
肩肘張る必要のない物語でありました
いやー、正月から力抜けて、実に素晴らしい

そんなわけで、堪能してきたのでありますけども、
当然というか、個人的に骨董商、しかも、陶器を扱うというところに
俄然興味を引かれてみていたわけでありますが、
残念ながら、本当の名品が出てきてどうしたと
そういうお話ではありませんでして、
よくできた、利休にまつわる贋作物語といったところで、
だけども、これが本当によくできているというか
骨董の基本でもあり、胡散臭いところでもある
「歴史に値段がつく」というのを逆手に取るではないが、
贋物をこしらえる甲斐のある部分について、
面白おかしく見せてくれて、まったく説明されていないのに
なるほどなぁなんて、思わされたりして
嘘を堪能できたのでありました

実際の骨董世界がどうであるか、
このあたりは深淵でありまして、この映画を見てどうこう語るのは
いけないということはわかっているところであります
でも、この物語というか、歴史を語る部分の楽しさというのは
騙すとか、贋物とかはおいといて、
骨董の面白さの真髄だなと身に沁みたところ
こうこうこうなので、これが出てきて、今こうなのだと
うそ臭い事実だけども、いくつも並ぶことによって
価値が輝いてくるかのようになる
物語に騙されて金を払ってしまう
自分のようなものには、たまらんものだなと思い知った次第なのであります

結局、物の良し悪しというものは
さほど、価格に影響を及ぼさないのであるともいえる
美醜もそうだが、歴史についたって、
なんだか形ではないものについて
あれこれと説明と解説がついて、価値めいたものが創造されているんだと
改めて思い知るよい機会にもなったなんて
思ったりしたのでありました

ラストが、個人的にはちょっと納得いかなかったのでありますが
それでも、なんだか楽しい気分で終わる一本で
映画じゃなくて、ドラマでもよかったんじゃないかと
そう思わなくもないところであったけど
邦画っぽいといったらいいか、地味な題材で
面白おかしい日本的正月映画というのを堪能できたと
思ったりしたので、メモっておくのでありました

まずまず楽しめたので、よかったと思うのである
今年は何本見られるだろうか

【読書】アリガト謝謝

2018-01-10 22:02:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
アリガト謝謝  作:木下 諄一

泣いてしまった
台湾が好きだというだけではなく、
こういう人同士のつながりというか、
優しさといったらいいのか、無私の愛だとか、
無為の友情だとか、ともかく、差し伸べるばかりの手というものに
物凄く弱いのでありまして、この物語では、
3.11の震災で交わされたものが描かれていて、
なんといったらいいのか、タイトルの通り、感謝しかないと
そんな風に思えてならなかったのであります

物語はフィクションなんだそうですが、
おおよその流れは本当の話に基づいているようで、
200億円の義捐金が集まった話と、
政府がお礼を台湾にしなかったから、
民間有志が台湾の新聞に広告を出した話と
このやりとりがメインになっていまして、
いずれも事実であるようで、200億円の話は知っていたけども
返事をしていたとは、まったく知らずと
恥ずかしい限りでありました
その頃に知ってたら、絶対乗ってたなぁ
いまさらである

と、そういうわけで、物語としては
台湾でどうしてそこまで日本への義捐金が集まったか
そのドラマチックともいえるある種の熱狂が、
ルポのように描かれていて、
そこに日本に対する想いのいくつかが語られて、
なんというか、暖かいというか、熱いものを覚えるのでありました
昔日本にはお世話になったという話が
一等きくなぁと想うんだけども、
かつて、台湾で地震があったときに、日本から救援がすぐいったというのも
いい話でよかったと、これまた、この物語で知ったんだが
そういうやりとりが日台の間にあるというのが
たまらなく嬉しいようで楽しいのでありました

個人的に、本当にあったかわかりませんけども、
台湾のお爺さんが、被災した福島の人たちが
じっと並んで配給を待っているという姿、その冷静さに
涙しているという情景が描かれているんだが、
この懐かしい日本がそこにあるんだと
そういう気持ちになったんだろうという描写がこれまた
凄く好きで、いいなぁと思いつつも、
これもまた、物語であって、
実際は、もう、そんな人も多くないようにもなぁと
ちょっと自分を含めて、残念に想ってしまったりもしたのでありました

ともかく、台湾との友情、あのとき何がなされて、
何を返したのだろうかというお話が読めて
物凄く満足なのでありました
ちょっと、肩入れがすぎるから、感想として
偏向はなはだしいけども、よかったと私は思うのである
読んでよかった

【読書】このあたりの人たち

2018-01-09 21:00:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
このあたりの人たち  作:川上 弘美

またも不思議短編を読んでしまった
不思議な世界観のある女の子が語った近所の人たちの顛末
それが、つらつらとまとめられた内容で、
よくある現代小説めいたもののようにも思うけど、
どう考えてもSFというか、少し不思議という感じが
なんとも面白いのか、気味が悪いのか、なんだか
もやもやするような気分になって楽しい、そういう小説でありました

短編というか、いくつかのエピソードをまとめたといった感じで
小説というジャンルなんだが、ルポというか、語り集というのが
ふさわしいような内容で、当然架空なのだろうけども、
その街に住んでいる人の不思議な話や、過去の面白い話なんかが
するりと披露されているわけで、これがまた、
珍妙というか、奇妙な内容ばかりなのに
こういうおじさんやおばさんや、はてまた、変わった子供とか
居たような気がするなと、
うっかり騙されてしまいそうな、御伽噺ほど時代がかっていない
だけど、現代小説風ながら、子供に聞かせるような語り、
そんな風情の物語なのでありました

最終的に、何をということもないのだけど、
主人公と思しき少女の語りが続いて、
とりたてて、凄い事件など起こることもなく
彼女が、この街で育まれて、それなりに育って
おそらくは健康に過ごしているんだろうと
そう想像させるような爽快さというか、
爽やかさをもっているのがいいところで、
面白いのでありました

大きな事件がないとか書いてしまったけども、
実際は、隕石が落ちてきて、それを
謎の生物が守ってくれたりとか、
ようよう考えてみると、大スペクタルが潜んでいたと
思い出したりもするところなんだが、
これまた不思議と、それ自体の大事さが、瑣末ではないが
やっぱり、昔話のようにするっと抜けていくみたいで
なんだろう、楽しいんだなぁと
こぼしてしまう感じなのであります

それなりに生きて、みんなたくましいといっていいのか、
いいことや、悪いこともありながら、
生きているよという、架空現実が広がっていて
読んで、なんとも、和やかというか、朗らかな気分になったのであります
いや、朗らかは違うな、和むがやっぱり適当な
そういう物語でありました

【読書】吉田松陰 真の教え

2018-01-08 21:02:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
吉田松陰 真の教え  著:川口 雅昭

吉田松陰にまつわる文書や、本人の言を取り上げて、
その解説をした本でありました
激烈に過ぎた人生を走り抜けた人と、
私の中で、狂人に近いものとして記憶している松蔭先生でありますが、
ここで取り上げられているのは、
そういった、激烈極まりないそれこれではなく、
教育にクローズアップした、人間の正しさとあるべき姿への言葉で
非常に染み入るというか、これは教師という人が
手本とすべき言葉であるなと
著者が選んだことに納得しながらの拝読でありました

もう、松蔭先生よりもだいぶ長く生きているけど
当然、あんなに激しく勉強していない身分では、
それをどうこう言う資格というか、気概ものないのだけど、
言っている正しさは、いわゆる儒学に根本があるようで
孟子の引用も多くて、いわゆる儒者であるなと
思わされるのであります
それが、礼にこだわるそれこれではなくて、
もっと実地に基づいた、実際人間としてどうあるべきか
そこに正しさがあれば、成せるという一心に尽くされていて
人間がどうあろうとすれば、どうなれるかと
それを懇切丁寧に、そして繰り返して
自分にも言い聞かせるように伝えていたのではないかと
思い知らされたのでありました

注目点というか、ひとつの特異点として、
女子教育への言及という部分がありまして、
松蔭が、女子教育に力を入れていたと解説している部分がありました
これは、母親というものが子供をまず育てるのだから、
婦女子にも教育をすべしというところが
根底にある話なんだそうで、なるほどとも思いつつ、
ただ、そこで教えるものは、どういう内容であったか
それは、現代のいう女子教育と、なぜか背反するのでないかなどと
いらんことを考えてしまったのであります
そういうことではなく、教育というそれそのことが
とても大切だといわれているのだから、
私のいっているのは、的外れなうえに、つまらないことだと思うんだが
なんか、思ってしまったのであります
松蔭先生にはなれんなぁ

と、まぁ、つらつら思いついたままに書きつつも
とりあえず孟子を読んで、それを実践したら
少しは近づけるのではないかと思ったりしたのであります

西郷どん  薩摩のやっせんぼ

2018-01-07 20:59:48 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
始まりましたな、今年も一年見られますように
念頭に願いをかけつつ、第一回でありました

とりあえずは幼少のみぎりといったところで、
いきなり、そっくりの子役がいっぱい出てきて、
最近の大河ドラマというか、NHKの子役配分能力というか
なんか、似せてくるメイク的なものの技術の向上が
恐ろしいレベルだなと思わされる次第でありました
糸の顔そっくりだったじゃないか、凄いな

とりあえずは、人物紹介というだけなので、何がということもなかった一回でしたが、
なんか、最近ネットに毒されているせいか、薩摩はもっと酷いというか、
怖いところというイメージがあって、
少なくとも、女の子があんなところの混じってたら、
もう、それこそ触れた男子みんな腹切って死ぬんじゃないかとか
そういう国を想像してしまっていたので、
若干、違和感を覚えてしまったのでありますが、
多分、私の知識が間違っているんだと思われる、そりゃそうだ

とはいえ、仲良しこよしというだけでもなく、
基本的に、荒くれているというか、喧嘩しているという様相が、
割と精錬でもないけど、清潔に描かれていてステキでありました
竜馬のときみたいに、もっと汚い喧嘩もあっただろうが、
今回はそういうのではないというのが
なかなかステキであったと思うので、まずまず楽しみなのであります
最近、心が弱っているせいか、
あそこまで、露悪的なものを見せられると苦しくなってしまうのである
どうでもよいな

ともあれ、斉彬との邂逅が劇的にすぎるというか、
あんなわけなかろうと、お屋敷に忍び込めるコントも含めて、
薩摩の防衛能力がザルすぎるだろうと
ちょっとずっこけたのだけども、まぁ面白くなればいいかと
そのあたりは気にしないように考えるところなのでありました
もう来週からは、主役が大人になるようなので
楽しみに待ちつつ、わくわく過ごしていきたいと
思うのでありました

【読書】「また、必ず会おう」と誰もが言った。

2018-01-04 19:53:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
「また、必ず会おう」と誰もが言った。  作:喜多川 泰

少年が旅を通して成長する、
そういう風景を描いた小説でありました
ほとんど会話文で成り立っているので、あっという間に読めてしまい、
ちょっと説教味が強すぎると感じたのでありますけども、
青春まっただ中の少年少女が読むには
ステキな一冊なんではなかろうかと思われました
おっさんには、眩しすぎるというか、ちょっと面はゆいと
思わなくもない内容なのであります

ちょっとした嘘を取り繕うために、
しょーもないことになってしまう少年、
ところが、そこからの出会いが少年の成長を促すことになったと
まぁ、そういう物語なのでありまして、
実際は、そんなうまいこといくわけねぇよなと
感じてしまうのが、薄汚れたおっさんの仕方ないところなんだが、
親切な人たちとの出会いと、自分がどうあるべきかという部分への
強い想いみたいなのが伝わってきて
これもまた、一つだなぁと生き方を示すところでは
考えさせられたのでありました

誰もが、何か思うところがあり生きていて
そういうものを発露するのは、実際にこういうタイミングなのかもと
ちょっと思ったりもしたのでありまして、
伝染する親切といえばいいのか、どこか心優しい世界が
ゆるやかにリンクしているかのような
不思議な世界が、小説として堪能できるのでありました
やっぱり、実際はこんな甘いことなくて
もっと悲惨なこともあったりするから
マネしたらダメよなとも思うんだが、それはそれとしよう

判断や選択は自身の責任であるというのは、
よくよくわかっているところでもあるんだが、
そこまで強い気持ちをもって、毎日生きるのも
これまた、つらいことじゃないかなと
感じたりもするわけで、これを否定するわけではないのだが、
そうあってほしいと願いつつもあり、
そこではないと落語のように生きるというのも
一つじゃないかしらとも思ったり
なかなか、考えさせられてしまったのでありました

ともあれ、旅を通して、何か自分が変わったと思える経験というのは
いいことだよなと、経験値の低いおっさんとしては
羨ましいとも思ったり感じたり
メモっておこうと思う内容だったのでありました

【読書】植物図鑑

2018-01-03 19:59:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
植物図鑑  作:有川 浩

甘々の小説でした
こんなもん、独身男性が読むにはキツすぎるだろう
なんで読んだんだ俺
そう思いつつも、男性作家の書く女性主人公の
ボーイミーツガールというには、ちょっと大人すぎる男女の
機微でもないが、恋愛を描いた物語でありました
面白かったけども、なんだろうかな
読んでいて、すごく恥ずかしいと思ってしまった
そういう意味で、完璧な小説だったのだと思われる

内容は、植物にやたら詳しい青年と出会った
若干疲れたOLとの恋愛というか、なんか、ありえない同棲生活から
恋人、失踪といった、起伏を楽しめるそれでありました
本筋というでもないけど、そこらの野草を食べるという
きわめて特異的なアクセントを含めつつ
いかに、雑草、ならぬ、山菜がうまいかという話が6割、
それについていく女子と、それを喜ぶ家事完璧な男子と
いずれにせよ、ファンタジーこのうえない二人だなと
今考えると、生暖かく見つめてしまうカップルだったのでありますが
山菜を食べることの楽しさみたいなのが
かなり伝わってきて楽しかったのでありました

もっとも、そこらの野草を勝手にひっこぬいて食べるとか
今日日、田舎のおばちゃんでもあんまりやらないよなと
ちょっと違和感を覚えなくもなかったのでありますが、
ノビルがどれほどうまいのか、
イタドリは本当にそんなにすごいのか、
さまざまな、聞いたことあるけど食べたことない野草について
羨ましいというか、食べてみたいという気分にはなったのであります

植物図鑑というには、
花よりも、食べる方にシフトしているのが
ある意味面白くて、興味深いなと思いつつも
こんなヒモおったらなぁと、女性がこれを読んで思うのかどうか
すごく気になったのでありました
先日、映画化していたようなので
みたかったようにも思うなと、ちょっと考えた
そういうものでありました
まずまず、面白かったのでよいのであります

【読書】仏像ぐるりの人びと

2018-01-02 17:04:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
仏像ぐるりの人びと  作:麻宮 ゆり子

地味な題材ながら、仏像にまつわる物語を描いた
現代小説でありました
ちょっと、内容が暗いといったらいいか、
もうひとつ、どっちつかずとも感じたものの
おおむね楽しい、そして、素人と玄人の垣根の設定が
ちょっとおかしいと思ったというか
自分が、仏像世界に踏み入れようとしている段階で読むと
出てくる、素人役の若者たちの知識というか
慧眼に驚いたりして、そのあたり、
荒い小説だという印象を受けたのでありますが
面白いテーマで、読み込みました

若者の葛藤と、仏像を通して得られるものと、
ちょっと、あれこれのテーマが詰め込まれすぎていると
そんな風にも思ったのでありますが、
根気のいる仕事なんだなということと、
仏像修復という職業について、
その必要性と、ちょっとした憧れみたいなのを覚えたりしたんだが
なかなか、本当に大変な仕事なんだろうなと
思い知らされたのであります
実際これで、食っていくのは無理なんだろうな
でも、必要にも思うし、さりとて、一人だけだと
忙しいばっかりで、大変だろうなとか
なんだかんだ、考えさせられたのでありました
こういう伝統工芸とは違うが、
職人技みたいなのが必要な職業というのは
今後、なくなっていってしまうんだろうなと
業界構造でもないが、あれこれ考えさせられたのであります

小説としては、謎の仏像のルーツを探るというミッションがあって
それをなぞることで、仏像いろはみたいのを教えてもらえてと
面白いつくりで、わくわくして読んだのでありますが
ともかく地味な小説で、テーマの良さと
内容の面白さが、伝わりにくいなと
偉そうなことを考えて、むやみな心配をしてしまったのでありました
仏像について、もうちょっと知りたいとも思うので
シリーズ化してもらえないだろうかと
感じたのでありました

仏像を扱うというところに、
精神的な危険さを含むというところは
なるほどなと思わされるというか、もうちょっとそこを
しっかり描いてくれてもよかったのかもと感じたのでありました
確かに、医者に似たものなんだろうなと
むやみにありがたがる技でもないのだなと思うのであるが
そういうものだよなぁ