CLASS3103 三十三組

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【読書】秋期限定栗きんとん事件

2023-06-10 21:07:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
秋期限定栗きんとん事件  作:米澤穂信

夏の事件を受けて、二人が一度は袂を分かつこととなったのだが、
その別れた二人が、別の学生生活を送るというか、
別の彼女、彼氏と付き合いだしてと書いてしまうと、
二人がまるで付き合ってたみたいな話になるから、
なんか違うなとか、まぁ、この語り口からして、影響を受けているわけだけども
楽しい学生生活と、他愛のない謎解きが、
学生らしいといえばらしい、色恋と友情と自意識みたいなのによって構成される事件で、
結局元鞘でもないが、二人のバディが解決を導いてしまうのだなと
そういうお話でありました

主人公とヒロインが、それぞれ別の相手と曲りなりにも付き合ってしまうというのが
斬新というか、高校生向きに書かれた小説だという話だけど、
高校生には結構ビターすぎないかと思ったりしてしまうんだが、
その、新カップルそれぞれが歪でもないが、違和感が、
いやでも、高校生が付き合うってこういうことかもとか
妙な納得を覚えたりしながら、これを読んで変なネトラレを発症したりしないだろうかと
いらん心配しながら読んだのだが、ちょっと、どっちの相手もかわいそうだなと
まぁ、だからこそではあるんだけども、なんというか
もやっとする関係だと思いながら読んだのでありました

連続放火事件についてで、これについては犯人が早い段階でめぼしがついてしまうんだが、
そのトリックというのが面白いというか、物語がかわいそうな男子である瓜野くんになるから
そんなわかりやすい話で、そして、その陰に小山内さんがいるという構図が
いかにもという感じでよかったのでありました
そして、今回の復讐のキーワードに驚いたというか、
なるほどなと思わされた、いい小説だったと思うのでした

恋愛とは異なるようにも思うが、案外そういうものなのか、
相手のことが理解できる、その楽しさというものが描かれていて
そのために、そうではない人たちが出てきて、
それはとてもかわいそうというか、何か、差別とは異なるのだが、
選別を含むような内容で、傲慢であることこの上ないのだが
高校生だし、なにより、小説だしと割り切ってしまうと
それがすごく据わっていて、いい物語だなんて騙されるように読んだのでありましたとさ

おっさんになってから読んでよかったと思うのだが、
本当にターゲットとされた少年少女が読んで、はたして、これをどう消化するんだろうと
ちょっと興味深く感じたのであったとさ

追記でもないが、春期の前があると思ってたら、勘違いだったようで
着々と既刊シリーズを読み進めているようで安心したのである


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