CLASS3103 三十三組

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【読書】ほんとうのサステナビリティってなに?

2024-08-28 21:08:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
ほんとうのサステナビリティってなに?  著:関根佳恵

農文協という渋い出版社の本であります
いくつかあるらしいんだが、知人に勧められて2巻にあたる本作を読んだ
いわゆる環境問題と農業漁業といった第一次産業の関係を解説した本で
なかなかわかりやすくて大変よろしいと満足したのでありました

タイトルの通りで、持続可能な社会とは何かというときに、
なんとなく環境とか自然とかと近しそうなので、農業とか漁業は、
そういう社会に不可欠なんじゃない?という印象に対して、
そういうものも、ちゃんと考えないと、持続可能な開発、産業とならないことを
しっかりと説明していて大変よいと思うのである
現状、大規模農場の在り方とか、農薬の過剰使用、養殖環境の劣悪さ等々、
今の食を支えるそれこれもまた、持続可能なものとは
かけ離れてしまっているという点を解説して、
まぁ、こういう方法で、ちょっとずつよくなっていますよという
不耕起栽培だとか、パーム油のための環境基金とかの取り組みが紹介されていて
これもまた立派なことだと思うばかりである

とはいえ、現在、すでに、人類のシステムに組み込まれてしまっている
こういった農業漁業の在り方を、地道に変えていくというのも重要だが
それではやっぱりうまくいかないというか、その生産力の肩代わりはできないのは
なんとなしわかるところで、だからといって、それを解決できるかといえば
今はまだ、何もわからないといった感じもして歯がゆいのであるが
仕方ないとも考えてしまうところであった

大量生産については、大量消費との表裏一体な部分もあるし、
その効率化によって、支えられているという部分も否定できず
でも、大規模農家は一定のラインを超えてしまうと、
規模の効能がなくなるということもあるらしく、ほどほどでやるという
一番人類が難儀とするそれを強いられざるをえないという
まぁ、それこそが持続可能社会かとも思ったりするわけだが
なかなか難題揃いのようでありました

個人的に興味深いと思ったのは、酪農が40頭を上限として、いい感じの面積でやっていけば
家族一つ食べていくくらいは稼げるというお話で、
このあたりも、しっかりと読み込んでないので、それがどれくらい本当なのか
あるいは、そういう人が何人まで保たれるのかによるよなと
みんながやりだしたら暴落するそれから逃れながら、うまくやる方法が
あるのかないのかと考えさせられるところながら、
ちょっと希望のある話しだなと読んだのであった
これもまた、突き詰めてしまうとカーストの徹底に繋がってしまいそうで
案外古い人類はちゃんとわかってたんじゃないかと
今更ながらに、無責任でテケトーなことを思ってしまったのである

資源のグローバルな移動だとか、
色々と考える要素が多すぎて、本当にどれが正しいとか
まったくわかるはずもないが、何かしなくてはいけないけど
一発で解決とはならない、そういう問題を扱っていて
面白いと思って読み終えたのである


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