映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

博多座三月公演 「滝沢歌舞伎」

2014年03月13日 | 日記

        

          


     滝沢秀明を中心にジャニーズメンバーが主体で構成される「滝沢歌舞伎」は、これ
     まで東京の新橋演舞場と日生劇場で2006年から2013年まで延350回上演されて
     きましたが、名古屋・大阪を飛ばして博多座に登場です。

     第一部ではオープニングから客席の上を縦横無尽に飛び回るフライングにはじまり、
     NHKで放映されている「ねずみ小僧」からの抜粋場面、ダンス、出演者全員による
     和太鼓演奏、それに滝沢流アレンジを加えた歌舞伎の名場面をいくつか再現して
     います。
     第二部は源義経の生涯を、新たな視点で描いたドラマという構成で、2010年から
     は滝沢秀明が自ら演出を手がけているそうです。

     この公演で褒めたいのは、滝沢秀明の熱演と演出で、彼のたゆまない勉強の成果
     が随所に出ていることです。特に第一部がいいです。どちらかと言うと、ラスベガス
     などで観られるショウの味を取り入れている感じで、スピードのある展開は中々の
     ものです。
     その中には「ねずみ小僧」で客席全体に小判(もちろん薄い金箔製)をばら撒いたり、
     舞台中央で歌舞伎のメーキャップを初めから終わりまで観客に見せたり、客席に下
     りてファンと交流したりとショウマンシップ満開です。

     第二部の「源義経」は、特別出演の京本政樹が扮する弁慶と、五条橋での出会い
     から生涯を共にするまでを描いた演目で、ラストは本水を使って舞台一杯に雨を降
     らせた中での立ち回りは、とても迫力がありました。
     但し、京本政樹の弁慶は軽演劇風だし、周囲を囲む大勢がジャニーズの面々なの
     で、いくら滝沢一人が頑張っても、歌舞伎ファンからはこれでも歌舞伎と称するのか
     と言われる程度の学芸会的舞台になってしまい、第一部と比べて見劣りするのが
     残念です。
     しかもジャニーズの若手共演が一つの売り物でしょうから、女性の踊り子を数人入
     れただけでは足りないし、舞台のお色気が不足、静御前も不登場という有様で寂し
     い感じがしました。

     東京以外で公演が無かったため、今回の博多座公演には全国からファンが集まっ
     ている模様ですが、先述のように「滝沢歌舞伎」とは一寸おこがましく、「滝沢演舞
     城」のタイトルの方が良かったとは思いますが、これを通じて本物の「歌舞伎」に興
     味を抱く人も少なくないので、それなりの功績を認めてあげたいと思います。

     更に内容の出来不出来は別にしても、この演目をこなせる舞台を持つ劇場は数少
     ないのではないでしょうか。今更ながらですが、博多座舞台機構の素晴らしさを認
     識しながら観ました。

コメント (2)
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