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「エージェント・ライアン」
アメリカのベストセラー作家トム・クランシーの小説の映画化で、今まで映画化
された「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)、「パトリオット・ゲーム」(92)、
「今そこにある危機」(94)、「トータル・フィアーズ」(2002)では、ベン・アレンが
主役を演じましたが、新作は「スター・トレック」のクリス・パインを主演に迎え、
現代を舞台にと装いを新たにしてのシリーズ5作目です。
ウォール街の投資銀行で働くジャック(クリス・パイン)の裏の顔はCIAの情報ア
ナリスト。ロシアの投資会社の外貨口座に不審な動きを発見した彼は、モスク
ワでの潜入捜査を命じられます。
そこには世界経済を牛耳ろうとする謎の実業家、不可解な行動を取るCIA上司
(ケビン・コスナー)、何故か突然モスクワに現われるフィアンセ(キーラ・ナイトレイ)
などなどと、色々な要素が入り混じり、彼は謎を解くことが出来るのか・・・。
監督はシェークスピア俳優としても有名なケネス・ブラナーがメガホンをとり、しか
も悪役として自ら出演もしています。
装いも新たに新主人公は若きアナリストとして登場してくることは目新しいので
すが、ここまでやっていいのかと驚くくらいのアメリカ対ロシアの裏面戦争が勃
発です。
時間つぶしには持ってこいの作品ですが、もう少しアクション場面を工夫すると
か、折角のキーラ・ナイトレーの使い方が陳腐でないようにするとか、もっと面白
くする要素がある筈と思いながら見終わってしまいました。
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「17歳」
「危険なプロット」のフランソワ・オゾン監督作品で、少女と女の狭間で揺れ動く
17歳の性を、四季の移ろいとともに描いたドラマです。
イザベル(マリーヌ・ヴァクト)はパリの名門高校に通う17歳の少女で、何一つ不
自由なことなく過ごしています。
家族と一緒に夏のバカンスに訪れたビーチで、ドイツ人青年を相手に初体験を
あっけなく済ませてしまいました。
パリに帰った彼女は、ネットのサイトで20歳と称して不特定多数の男たちを相
手に娼婦のような取り引きを重ねるようになります。
そして常連客の一人である初老の男ジョルジュ(ヨハン・レイセン)とホテルで行
為中に彼が心臓発作で急死してしまい、イザベルは思わずホテルから逃げ出し
ますが、警察の捜査でその行為が明るみに出てしまいます。
一旦は落ち着いたイザベルでしたが、やがて久し振りに顧客の呼び出しに応じ、
ホテルで待っていたのは急死した初老の男の妻(シャーロット・ランプリング)だっ
たのです・・・。
主人公イザベルを演じるのは、香水のイメージモデル出身でこの映画に初主演
のマリーヌ・ヴァクトで、個性的な美人ですが、お芝居が下手なことと、17歳のイ
メージとは少しかけ離れているのが残念です。
甘酸っぱい大人のためのメロドラマとも言えないし、十代の危うさを今一度考えさ
せる映画とも言えず、やっぱり一種のキワものだとしか言えません。