すでに絶頂期を過ぎたベテランミュージシャンが、新曲を作らず往年のヒット曲
を歌い続けながら、むなしい日々を送っていました。そんな彼にジョン・レノンが
新人当時のミュージシャンに宛てた一通の手紙が、数十年の時を経て本人の
手に渡ったという実話をベースにした作品で、主演はアル・パチーノ、監督は「ラ
ストベガス」で高く評価されたダン・フォーゲルマンです。
私は同じ時刻頃に上映される「しあわせへのまわり道」を見ようと思って入った
ら、顔見知りの支配人が、「見るならこの作品が先でしょ」と言うので、チケット
を切り替えてもらったくらい予備知識がなかったのです。
最近はSFX大作ばやりで、それはそれなりに面白いのですが、先日見た「ボー
イソプラノ」と同様に、これらもハリウッドのお家芸の一つの作品で、少々クサい
ところもあり、ラストは判り切っているものの結構楽しく見ました。
10年前にジョン・レノンから貰っていた手紙をきっかけに、新曲のアイデアも沸
き、ミュージシャンとして充実していく一方で、離れ離れになっていた息子から
は拒絶されてしまいます。それでも愛情を注ぎ、息子はようやく心を開いてくれ
るようになりますが、息子は深刻な病にかかっていた・・・そんな役柄のアル・パ
チーノの演技に酔いしれました。これまたお薦めの一本です。