大島優子を主演に迎え、タナダユキ監督が「百万円と苦虫女」('08)以来となる
オリジナル脚本で描く作品で、ロードムービーです。
新宿・箱根間を結ぶ小田急電鉄の特急ロマンスカーで、車内販売を担当してい
るアテンダントの北條鉢子(大島優子)は、仕事の成績も常にトップです。
ある日、鉢子は怪しい映画プロデュサーの桜庭(大倉孝二)と出会い、ふとしたき
っかけで桜庭に母親からの手紙を読まれてしまった鉢子は、桜庭に背中を押さ
れ、何年も会っていない母親を探すため箱根の景勝地を巡る小さな旅に出るこ
とになります・・・。
評価しているファンが多いので、あまりくさしたくないのですが、私は人物・物語の
設定が根本的に間違っていると思う作品です。
この「ロマンス」のだらしない映画プロデュサーにしても、数週前に公開された「お
盆の弟」の映画監督くずれや頼りない脚本家など、どうして映画人をこのように描
くのかも不快です。
また主人公の出会いからしておかしいし、それがこのような展開になるのかどう考
えても不思議ですし、ナレーション多用もいただけないし、放りっぱなしの挿話もそ
うですが脚本の稚拙さが目立ちます。
部分的に女性監督らしい優しさもあるのはあるのですが、この作品自体を私は買
いません。