2011年3月11日、マグネチュード9.0という未曾有の地震が東北地方
を中心に、地震と津波は東日本を広範囲にわたって襲いました。
それから5ヵ月後の去年8月11日、被災地や日本全体を元気づけようと、
太平洋沿岸の被災地を中心に、10ヵ所で同時に花火を打ち上げたプロ
ジェクト「LIGHT UP NIPPON」に密着したドキュメンタリー映画です。
このプロジェクトを立ち上げた一人の男の情熱と、その趣旨に賛同した現
地の人々の様子をラストの花火打ち上げまで記録していきます。
監督はミュージックビデオやCMを手がけ、「バウムクーヘン」などを発表し
ている柿本ケンサク、ナレーションは黒木瞳、音楽を坂本龍一が担当して
います。
こんな時期と状況の中で、花火大会を開くなんて相応しくないの声もあっ
たのですが、実行委員の熱意と、追悼と復興の意が込められたプロジェク
トの実現に向って大きな渦が巻き起こり、協賛商社などからの資金が集ま
って実現にこぎ着けるのです・・・。
この映画の収益は今年の8月11日に、岩手・宮城・福島の各県で開催さ
れる予定の「LIGHT UP NIPPON」に寄贈されることになっているそうです。
何一つ文句を言ってはいけないような気がしますが、敢て言わせてもらう
ならこれは完全にテレビで公開すべき1篇でしょう。花火の打ち上げを含
めて、映画ならでわの映像がほとんど無いし、各委員の現地での開催交
渉も特に盛り上がりがありません。
それに製作・配給などの経費を差し引くと、映画興行は結果がマイナスと
しか思えません。
製作の意図は判らないではありませんが、映画館で入場料を取って見せ
る作品ではないと思います。
(7/11 T・ジョイ博多 5日目 14:10の回 14人)