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クレージーホースは、パリにある世界的に有名なナイト観光スポットで、パリ
にはこういったナイトクラブは沢山ありますが、芸術性を伴ったヌードショーを
謳った「クレージーホース」は、少し内容は違いますが「ムーランルージュ」と
共にこの世界の老舗といえます。
この作品は、アメリカドキュメンタリー界の巨匠と言われるフレデリック・ワイ
ズマンが「パリ・オペラ座のすべて」に引続いて取り組んだ長編ドキュメンタリ
ー映画です。
幻想的できらびやかなショウの模様から、そこに働く女性ダンサーたちの姿、
スタッフや舞台裏の模様、オーディションの風景に加えて同店の運営会議ま
で登場、この店の知られざる裏側を70日間にわたり密着収録しています。
オーディションにはヨーロッパ各国から応募してきた女性に交じって性転換の
ダンサーが応募、落とされるくだりはご愛嬌でした。
ラストはオリンピックの開会式や、閉会式の演出を手がけたこともある著名振
付師、フィリップ・ドゥワレによる最新ショー"DESIR"が披露されます。
ワイズマン監督特有のナレーションなし、テロップも排した手法で描いて行くの
ですが、少しばかり必要と思われない部分が挿入され、全体的には冗長と感
じるのは惜しいです。
見どころはここのショーの真骨頂と言えるは巧みなライトニングによって、女性
の裸体をキャンバスのように捕らえていて美しいとです。
私はパリに行った際に、一人で「クレージーホース」も「ムーランルージュ」にも
行きましたが、特に「ムーランルージュ」の出演者が60人を超えてボリュームが
あること、出しもののバラエティが広く、しかも深かった印象が強かったし、家族
連れのお客が大半で大繁盛の光景を見ました。
それに対してこちらは、如何にヌードを芸術的に表現したとしても興行面での限
界があるようの思われるし、十数人のダンサーでは寂しいし、これは「ムーラン
ルージュ」の勝ちだと思った記憶が残っています。
また映画ではやたらアップが多く、舞台全体を見渡すシーンが少なかったことや、
お客の姿を見せないのも不満でした。
(7/19 KBCシネマ 6日目 14:40の回 34人)