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ヘミングウェイの小説を映画化した往年の名作「キリマンジャロの雪」をリ
メイクした映画だとばかり思っていました。
今回の映画は、ビクトル・ユゴーの長編詩「哀れな人々」に着想を得て描
いた人間ドラマです。
港町マルセイユに暮らすミシェルは、労働組合の委員長として組合員のた
めに戦い、妻のマリも、そんな夫を長年にわたり支え続けてきた熟年夫婦
です。
しかし、ミシェルはついにリストラされてしまいますが、家族やもと同僚たち、
それに近所の人たちの好意で念願だったアフリカ・キリマンジャロへの旅行
をプレゼントされます。
ところが旅行を前に強盗に入られ、お金ばかりか旅行のチケットまで奪われ
てしまうのです。
ミシェルはその犯人が自分と一緒にリストラされた元同僚の青年であること
を突き止めますが、青年が幼い二人の弟と借金を抱えて苦しんでいたことを
知り、夫婦はそれぞれのある選択をするのでした・・・。
監督は「マルセイユの恋」「幼なじみ」のロベール・ゲディギャンで、万国共通
の人々が持っている善良さをかなり上手く描き出しています。
なんと言っても素敵なのが夫婦役の二人で、「ル・アーヴルの靴みがき」の
ジャン=ピエール・ダルッサンと、「クレールの刺繍」のアリアンヌ・アスカリ
ッドのコンビの味がたまらないほどいいです。
本来は重苦しいお話なのですが、ユーモアが加味されて明るくなるし、たま
には夫婦喧嘩もしますが、最終的にはお互い感じることが一緒という熟年夫
婦の姿に癒されます。
私もこんな晩年を迎えたいと心から思う次第でした。
(7/10 KBCシネマ 4日目 10:25の回 26人)