kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

二・二六事件ゆかりの旧陸軍歩兵第三連隊兵舎

2011年03月10日 | 都市
故黒川紀章設計の国立新美術館。その一角に、別館として、昭和維新を目指し、昭和11年、二・二六事件の時に決起した旧陸軍歩兵第三連隊兵舎の一部が、歴史的建造物として残されている。
それを撮ろうと思って、低い生垣を超えようとしたら、ガードマンに制止された。
「そこからは行けません。隣の政策大学院大学の入り口に回ってください」
別館の兵舎資料館は、美術館の管轄なのに、一体となっている残された兵舎の一部は、大学の敷地なのだそうだ。
これだから役所は融通が効かない。
仕方なく、資料館を見た後、美術館入り口まで戻り、隣の大学構内に入った。
見ようによっては、なんの変哲もない地下一階、三階建の鉄筋コンクリートの建物だが、当時としては最先端の建築だったそうだ。
相方が、各階の平面図を見て「兵舎なのに、同じ階にトイレがない。わざわざ別の階まで行かなきゃならなかったんだ」と言う。
女の視点は違う。
閑話休題。
亡くなった母から聞いた話。
雪の降る二・二六事件の当日、四谷のとある交差点に、銃剣を手にした兵士たちが立ち、ただならぬ気配を感じたそうだ。
母が、まだ若かった頃のことである。
折しも、3月10日は、東京大空襲の日。私は母の胎内にいて、父、幼い兄二人と母の実家に疎開したそうだ。
詮無いことだが、北一輝の思想のもと、政治家と財閥大企業の癒着を断ち切ろうと立ち上がった若い将校たちの行動が、結果として軍の政治的台頭ににつながったことはむなしい。


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