kazuフォトローグ

「徒然なる日常」を写真で語ります。

鵺(ヌエ)派と揶揄された竹内栖鳳(せいほう)

2013年10月01日 | 植物
竹橋の東京国立近代美術館へ出かけた。
エメラルドグリーンの目と超微細なタッチで描いた「斑猫」で知られる日本画家竹内栖鳳展。
通常の日本画と思っていたら、他の作品があまり違うのに驚かされた。

江戸中期の京都円山派の実物観察、それに続いた四条派の軽妙な筆遣いを基礎にして、さらに狩野派、西洋絵画の写実技法を取り入れたという。
道理で型にはまらないわけだ。守旧派から鵺(ヌエ)派と揶揄されたというのも納得がいく。

ある時は、中国の南画風、また、ある時はターナーやコローを思わせる作品もある。
いずれも、渡中、渡欧の後に描いたものだ。

圧巻は「金獅」はじめとした獅子の作品。
動きはもちろんのこと、たてがみの毛一本一本の繊細な描写に驚嘆させられた。
パリ万博の視察の折り、足しげく動物園に通い、ライオンを写生したという。

78才で亡くなるまで、動物、鳥、魚、植物、山、林、滝、人々の暮らしなど、さまざまなジャンルを描き続けた。
小品から大作まで、その作品群には圧倒されてしまった。