kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

インターハイに向けて3

2014-07-27 | 陸上競技
続き。

「インターハイに行く」ことだけを目標にはしていませんでした。1年前はインターハイに行くという漠然とした目標。冬期練習に入るときに3つの目標を掲げました。「県総体優勝」「インターハイ出場」「県記録更新」です。2つはすでに達成できました。あとは残すところ1つだけ。47秒60 の「県記録更新」です。この日の練習中にキャプテンが「記録は気にしない」と言っていました。何故かを問うと「納得できる走りが出たら記録はついてくるから」との返答。まさにその通りです。狙って記録が出るわけではない。自分たちが最高の走りをすれば結果は勝手についてくるのです。「中国で6番以内」というのであれば自分たちが最高の走りをしていい記録を出しても相手がもっと上の記録を出せば達成できないかもしれない。しかし、今回は自分たちが納得できる走りができるかどうかだけ。誰かと勝負というのではなく「自分たちの最高の走り」をすることだけ。それが何秒になるのかは分かりません。県総体と中国大会、全員が納得できる結果ではないというのは確か。走る4人だけではなく全員が最高の走りをしてもらいたいと願います。

3年生にとっては最後のインターハイです。高校生の最高の舞台は県総体でも中国大会でもない。やはりインターハイ。2人しかいない3年生がたった66人しか出場できないインターハイの舞台いリレーと個人で立てるのです。心から誇らしく思います。多くの人数がいてではく「2人しかいない」3年生がそれぞれ出れるというのは素晴らしいことです。この高校生最高の舞台で自分の持っている力をすべて出してもらいたい。2人には「100mで決勝へ」という話をしました。もちろん簡単なことではありません。現時点で2人とも30番前後。24人しか準決勝には進めません。それでも全員が「万全の状態」でインターハイに来るわけではない。「ランキング表」は当日は全く無意味なのです。自分の最高の走りをしてもらいたい。それができるように下級生は全力でサポートしてもらいたい。これまでお世話になった3年生が最高の舞台で力を出せるようにできることは全てやりたい。可能性は十分にあると思います。インターハイで12秒0台。これが実現できれば戦えます。

そのために「自分たちの力を出す」ということに専念してもらいたい。昨年インターハイ会場に行った2人は分かっていると思います。県総体や中国大会、大阪室内、織田記念のようないわゆる「大きな大会」とは全く違うのです。「勝負をする」という雰囲気が溢れこれまで経験したことのないピリピリした独特の空気が流れています。申し訳ないですが県総体や中国大会は「出場するだけ」という選手がいます。これまでの勝負を勝ち抜いた選手だけが参加できるインターハイではそのような選手はいません。「参加できてよかった」と思っている選手もいるかもしれませんが、大半の選手は「上に進んでやろう」という気持ちで来ています。そこに「チーム」として臨んでいる選手たちがいる。これまでとは違います。

この中で「普段の力を出す」というのは簡単なことではありません。ここで少し別の話をしました。実は数年前、新潟インターハイの時にアップ場で4継のアップをしているチームを見ました。この時にかなり派手なTシャツを着て大人数でジョグをしている。この姿は圧巻でした。これは全国でも優勝するような強豪校の男子選手たちでした。周りから注目を集めているうえにさらにTシャツで目立つ。行動の一つ一つが周りから目につきます。それでも気にせず自分たちのことをする。当時うちの選手に足りないのはこの部分だと感じていました。そこで学校に戻って選手と相談して「めちゃくちゃ派手なTシャツ」を作成することに。選手はめったに着ませんが(笑)。

今回のインターハイ、このTシャツを持って行って前日または当日に練習をして欲しいと伝えました。これは私のわがままかもしれないというのは十分承知しています。それでもインターハイ会場でうちの選手が目立つTシャツを着て練習をしているというのは私の心に刻んでおきたい。もっと言えば、目立つ格好をしていても自分たちのことをやれる「強さ」を持ってもらいたい。ここまでくれば「強い」とか「弱い」とかは関係ないと思います。自分たちのペースで自分たちの力を出せる選手、チームが強いのです。

独特の雰囲気の中、いつも通りにやるというのはすごく難しいことです。だからこそ「いつも以上に目立つ」ことでそこを乗り越えたい。周りに遠慮してしまう「普通のチーム」ではなく、こういう舞台だから「やってやるよ」と覚悟を決めて取り組める「覚悟のあるチーム」であって欲しい。全員が納得するレースをするためには「心」の部分が必要です。このTシャツを一人できるのは難しいかもしれません(笑)。それでもチーム全員が来ていれば「集団の力」が生まれます。周りを気にせず自分たちの雰囲気を作る。いつも通りの「明るさ」を失わず大きな舞台に立つ。これができれば「結果」はきっと付いてくると思っています。

できることは全てやったと思います。本当に「心」の準備だけです。このメンバーで臨む最初で最後のインターハイ。今の3年生にとっては人生最後のインターハイ。ここの舞台で「笑顔」で過ごしたい。それを強く思っています。そためにできることを伝えたつもりです。実際にはミーティングこんなに話していません(笑)。補足を込めて長々と書いてしまいまいました。

良い選手に出会え、良いチームに出会え、最高の舞台に挑戦できることに心から感謝したいと思います。ここに届くまでに私や選手に関わってくださった全ての方々の存在があったからこそ「今」があります。自分たちの力だけでは絶対にここまで来れませんでした。これまでうちの部活で一生懸命に取り組んでくれた卒業生、様々な場面で支え指導してくださった多くの先生方、選手を影から支えてくださった保護者、そしてうちを選んで私と一緒に練習をしてくれた今の選手たち、すべての方に心から感謝したいと思います。本当にありがとうございます。

0.01秒にこだわって戦ってきます。最後まで応援よろしくお願いいたします。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-07-29 01:31:10
以前、同じ地区で走っていたものです。

今はもう走ってはいませんし、卒業生でもないですが、
部外者の私も微力ながら応援させていただいていることをお伝えしたかったので、自己満足ではありますがコメントさせていただきました。

私自身も憧れていたリレーでのIHに同じ地区で戦っていた学校が出場することが羨ましいと同時に何故だか誇らしい気持ちでいっぱいです。

良い記録が出て、彼女たちの目標が達成できるように山口から祈っております。
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Re:Unknown (kaneko)
2014-07-30 03:57:23
コメントありがとうございます。時間的な余裕がなくコメントに気づくのが遅くなってしまいました。申し訳ありません。

応援ありがとうございます。同じ地区で競技をされていたとのこと、身近な方に応援して頂けることを心から感謝すると共に嬉しく思います。今のチームの子達は本当に明るい。ここが大きなエネルギーになっていると思います。私の指導云々というよりは選手自身がしっかりとしているという印象を受けています。

一人でも多くの方に応援していただけるチームになること、選手になること。それが精神的な負担になるのではなく大きなエネルギーに変わって行くと信じています。多くの人の「想い」を胸に自分達に出来る最高の走りをしてもらえたらと思います。

本当にありがとうございます!
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