酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『から騒ぎ』

2008-10-26 10:53:09 | 演劇
シェークスピア原作、蜷川幸雄演出の『から騒ぎ』を21日さいたま芸術劇場で見た。東京は23日が千秋楽。

観客の大部分が若い女性。帰りの人ごみでは「面白かったね」という感想が圧倒的だった。
蜷川幸雄の演出の力もあるとはいえ、18世紀のシェークスピアのお話が今の二十代にこれだけ受け入れられるのが、まずびっくり。あらためてシェークスピアはすごいと思う。いつの時代にも共通な人間の愚かさや優しさをうまく戯曲に取りこんでいるからだろう。

『から騒ぎ』は善意のたくらみ、悪意のたくらみに恋の駆け引きが交錯する賑やかで楽しい舞台。
シェークスピアの作品には多い時は四組のカップルが登場することもあるが、この芝居は主なカップルは二組ですっきりした作品である。
シェークスピアで翻訳が難しい、格言的なものや言葉遊び的なセリフも今回は違和感なくおさまっている。

役者では女性役の二人の雰囲気が対象的でいい。特に高橋一生のビアトリス役はセリフ、所作ともに無理がなく絶品。
初舞台の小出恵介(べネディック役)は素人臭さが生かされ、舞台を軽やかにするのに貢献している。長谷川博己(クローディオ役)は無難にこなしているが、セリフにいつもの切れがなかったのが気になった。
道化グループの演技もちょっと重い気はしたが、舞台の華やかさやカラフルさがそれを十分補っている。



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