読書気分(29年6月)
読めた本はやっと4冊。だんだん「三昧」に程遠くなって来たので、題も「読書気分」に変えた。
6月の後半4・5日寝たきりになった。体がだるく何をする気もおこらない。ただただ、ベッドでうとうとしていた。胃が少し重い以外は何処も痛くないので医者にも行かなかった。過去の抗がん剤の疲れが一度に出てきたのか。
寝ていて自分の家が、カラスが鳴き、山に近くないのに鴬の声が聞こえ、電車の音が絶え間ないことをあらためて知った。
やっと動けるようになり、ブログ気分になったところ。
6月に読んだ本
川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』
恩田陸『失われた地図』
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7―栞子さんと果てない舞台―』
荻原透葉子句集『初暦』
☆川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』
あいかわらずこの人の小説はつかみどころがない。半分夢を見ているみたいだ。
18編が収録された短編集。だから一つ一つはすごく短いのだけれど、それぞれに世界があり、雰囲気がある。身近なことを描きながら、内容はいつのまにか異界に飛んでいる。
中ではストーリー性のはっきりした「バタフライ・エフェクト」や洒落た感じの「ぼくの死体をよろしくたのむ」などが好き。
☆恩田陸『失われた地図』
変な小説だ。
厄災を生む都会の「裂け目」を縫い合わせ、「グンカ」と呼ばれる敵と戦う浩平、遼平、鮎観たち。風雅一族と呼ばれ、世間の人が知らないところで世のために戦っている。
一番変なのは武器が写真撮影の器具であること。銃に改造した三脚と写真撮影のレフ板。思っただけでも持ちにくそう。
今の世の不安を救いとっているような小説ではあるが、正直なじめなかった。
☆三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7―栞子さんと果てない舞台―』
シリーズ第7巻。多少だれてきそうだが、本書は力がみなぎっている。シェイクスピアという魅力的な題材もあいまって読みごたえがある。
湘南鎌倉が舞台でありながら、登場人物がみんなどこかに闇を抱えているのが、この小説の魅力になっている。古書入札の値付けの方法や本の複製のやり方など理解出来ないところもあるが、シェイクスピアの古書の入札シーンから最後の解決部分への迫力はすごい。栞子さんの恋にも目途がつきそうで、シリーズの中で一番面白く読んだ。
☆荻原透葉子句集『初暦』
九十八歳という作者。八十歳ではじめた俳句という。ゆとりのある詠みぶりが羨ましい。
娘との年の差狭め炬燵かな
子が愛でしさくら老木となりにけり
麦藁帽だれがだれやらどの子やら
初写真猫も私もまるまると
初暦九十八歳こはれもの
体調案じておりますご無理はなさいませんように。4冊もお読みになられたとのこと少し安心しました。私は宮沢賢治コレクション1から3 又吉直樹の劇場 江戸おんな歳時記とやっとでした左目がつかれて今は読書は控えています。
美しい花めぐり楽しみにしています梅雨も楽しみましょう京急線も賑やかです…。4193
ありがとうございます。
私の読書は偏っていますが、山茶花さんは幅広いですね。うらやましい。
散歩して目も大事にしたいと思います。