曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

台風一過の敬老の日

2017年09月18日 | 日記

台風への心配

 数日前から、非常に強い大型の台風18号がやって来るということでそのコースがとても気になりました。天気予報を見ては中心部の気圧が気になり、どこに上陸するかが心配なのです。農業をやっていると私たちは自然からたくさんの恵みをいただいていますが、時には自然現象によって農作物に大被害を受けることもあります。平成3年の台風19号は下関あたりに上陸して山口県北部を通り日本海に抜けて行きました。私のところ周防大島は台風の進路の右側に入り、猛烈な風を受けました。しかも最悪なことに中心から100キロメートルのあたりは最も風速の早いところで、むしろ中心部が通過する方がおおむね被害の少ないものです。そして強風の被害に追い打ちをかけるのが、台風通過直後の南西風の吹き返しです。南に面している私の町は真正面からの風になり、その強風は安下庄湾の海水を巻き上げ、みかん園に潮水を雨のごとく降らせます。みかんの木の葉は少し光沢のあるかたい葉ですから健全な葉に海水をかけてもびくともしないほど強いのです。しかし台風の強風でもみくちゃにされた葉はすでに傷だらけになっています。その傷だらけの葉に潮水がかかると塩分が傷からしみ込み葉は枯れてしまうのです。その台風の吹き返しの間に雨が降ってくれたなら、葉にかかった潮水は洗い落とされて葉は助かるのですが、台風の進路の右側の後ろにはたいてい雨雲はなく通過後には雨は降りません。こうして傷ついたみかんの葉に付着した塩分は洗い落とされることなく風でさらに濃縮されてゆきます。台風19号はまさにこのような最悪のコースをとりました。台風通過後数日するとみかんの葉はほとんど茶色に枯れてしまい見る影もありませんでした。もちろんみかんの木だけではありません、南に面した山肌の木々もすべて茶色に変わっていました。その後日が経つと、元気な木は葉を落とした後芽を吹いて回復に向かいましたが、多くの木が枯れてしまいました。稲や野菜のように一年単位で作られる作物はその年の被害だけで済みますが果樹などの永年作物は被害が何年も尾を引きます。枯れた木の後に若い小さな苗木を植えても元に戻るまでには何年もかかります。台風の被害を受けた年の損害だけでなく損失は何年も続くので被害金額は計り知れません。そんな経験があるものですから、私たち農家にとっては台風がどこを通過してゆくかは大変気がかりなことなのです。

 

 今回の台風は、私のところでは昨日の午後最も接近しましたが、幸いなことに台風18号は南側を通過してくれました。私たちのところは被害がほとんどありませんでしたが、代わりに大きな被害を受けたところもあるのでしょうから手放しでは喜べませんが、昨夜遅くには静かになった時には無事を喜びました。今朝一番でみかん畑を見て回りましたが、今年植えた苗木も無事だったし塩害も見られなかったので一安心でした。わずかな被害と言えばアボガドの木が1本根元から折れて倒れていました。これは私の趣味の木ですから仕方がないで済ませられます。午後に見に行った畑でもう1本被害にあった木がありました。実がたくさんなっていた文旦の木ですが、実の重みで折れたものと思われます。折れた大枝にはたくさんの実がなっていましたが全部摘み落として枝も小さく切り縮め裂けた枝を元のところに戻して紐で縛りつけました。裂け目は乾燥しないようにビニールテープで巻いて保護しました。こうしておけばおそらく回復するものと思います。実はなくなりましたが枝だけでも生かしておきたいからです。

 

 昨夜イノシシさんがたらふくご馳走になったであろうと書きましたが、栗はどうなったでしょう。夕方カミさんが拾いに行きましたが、思わぬほどたくさんの収穫がありました。台風が怖くてイノシシさんは食べに来なかったのかもしれません。ドジなイノシシですね。そして今日我が家ではようやく栗ご飯が出てきました。初物ですがなんだかいつもほどの栗の甘さがないような気がしました。一番初めに落ちた栗なのでまだ多少未熟なのかもしれません。カボチャとかサツマイモや栗は養分をでんぷんの形で蓄えていますのででんぷんのままでは甘さを感じることはできません。適温でしばらくの間貯蔵することによってでんぷんが糖に分解されるので甘くなるといわれています。やはり早すぎたのでしょうか。それと栗ご飯においては塩加減が大事です。程よい塩味は栗の甘さを引き立てます。カミさんは適当に入れるようで、とてもいい時と物足りない時がありますが大きな声では言えません。毎日の食事を作ってくれるだけでも大いに感謝しなければなりません。ところで、去年も書いたと思いますが栗を甘くして食べる方法があります。ご存知かもしれませんが、もう一度書きますので機会があれば試してみてください。さっきも言いましたように取りたての栗はそれほど甘くありません。栗を乾燥しないようにポリ袋に入れて口を閉め、氷温で一カ月置くのです。厳密な氷温というのは作るのが難しいので家庭用冷蔵庫のチルド室に入れておけばよいと思います。一カ月までは糖分が増加してゆきますがそれ以上長く置いても糖の増加はないそうです。昨年試にと思って10月の初めにチルドに栗を入れたのですが、私のお頭はモズといい勝負で隠した食べ物はすぐに忘れてしまいます。年が明けて1月になってチルドの栗に気が付きました。三か月もポリ袋に入れておいたので多少カビの生えているものもありました。さんざんカミさんに言われましたが傷んだものを捨てて残りの栗で栗ご飯を焚いてくれました。確かにすごく甘くなっているのには驚きました。

敬老の日

 台風が去って今日は秋晴れのいい天気でした。安下庄湾には2隻の貨物船が台風を避けて停泊していましたが、そのうちの1隻は急ぎの旅なのか朝早くエンジンを始動し出て行きました。夕方になってももう1隻の船は停泊したままでしたがどうしたのでしょうかね。今日は敬老の日で世間は休日のようです。船も停泊ついでにお休みということにしたのでしょうか。私もこの日にお祝いしていただいても恥ずかしくない年になりましたが、気持ちとしては今日の祝日と何の縁もないような気がしています。今日も一日仕事ができることを喜びとしました。




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