医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

気が付けば

2024-04-13 05:23:29 | 薬局
忘れられているけど大きな存在には違いない。

4月からは薬価だけが改定になった。
患者の反応はいかがだろうか。
表現は不適切かもしれないが、ある面での値上げチャンスである。
患者負担に伴う「地域支援体制加算」に必要な実績に挑戦するチャンスだ。
もちろん嘘はいけない。

その薬価の引き下げであるが、自薬局の引き下げ率がいくらなのか把握しているだろうか。
加重でどれだけの影響があるのか通常は気になる。
セミナー等で参加者に問うが、意外にもきょとんとしている。
要は、あまり把握していないような感じを受けた。
調剤報酬改定の影響も大きいが、薬局の売上の70%超に及ぶ薬剤費の影響はより大きい。
今回は薬価調査から乖離率は6.0%だった。
これに調整幅の2%を配慮して平均で4.0%の引き下げとなっている。
ところが薬局でよく使われる血圧降下剤の乖離率は12.3%で調整幅があっても平均で10.3%も引き下げとなる。
その他にも消化性潰瘍剤の乖離率は10.6%、精神神経用剤も9.3%と大幅な引き下げとなる。
自薬局の薬価引き下げ分は利益を直撃する。

そんな薬価改定であるが、早くも来年の中間改定にあきらめムードが漂い始めている。
どうも自民党内でも中間改定を反対できる状態ではないようだ。
そうなると私の予想通り、今回の価格交渉は暗礁に乗り上げた難航になる。

未妥結減算に係わる報告書の「医療用医薬品の取引の状況」の部分に「価格交渉を代行する者に依頼して交渉した」がある。
この報告がこれからどうなるのかちょっと気になる。

初めにも書いたが調剤報酬への対応に追われて、薬価の影響がおろそかになってはいないだろうか。
売上の7割を超える大きな存在を他人任せでいいのだろうか。
価格交渉の委託だけじゃない。
薬価差益そのものへの関心度が薄れているような気がする。

製薬メーカーは薬価の中間改定は避けられないと覚悟を決めている。
そうなると医薬品卸への仕切り価格は高め設定になる。
リベートで調整すると、リベート依存が高まり価格が下がる。
あくまでも仕切り価格での販売を強いることになるだろう。
医薬品卸も品薄を理由に価格交渉には強気になれる。

実は薬価改定が大きな落とし穴になる可能性が高い。
厄介な薬価になりそうだ。
コメント
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