医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

安くない値下がり品

2015-07-30 06:27:36 | 薬局
保険制度で優遇されている。

医療費抑制の切り札の一つとして後発医薬品への切り替えがある。
国は後発医薬品の切り替え率を2017年中には70%以上を目指し、2018年から2020年までに80%以上にするとしている。
この目標を達成するにはいくつかの問題を抱えている。
その問題を抜きにして80%の達成はあり得ない。

先ず、この80%目標は薬局の薬剤師に託されていることを、どれだけの薬剤師が感じているだろうか。
その一つの表れが「後発医薬品調剤体制加算」である。
後発医薬品を希望する、しないにかかわらず受け付けた段階で算定できる。
ご存知のように55%以上なら18点であり、65%を超えると22点である。
この加算はかなりの高配当である。
ただこれではせっかく薬価の低い薬に切り替えても意味がなくなる。
しかも受け付けた全員から180円または220円がもらえる。
処方せんを持参した側からすると理不尽な話だ。
国が考えることは、「ここまでやってるのに」となる
「のにが付くと愚痴になる」って相田さんも言っていた。

これについては新たなる目標値が示され、新たに「後発医薬品調剤体制加算」の切り替え率も示される。
私の予想は75%であるが何とも言えない。
そうなると「後発医薬品調剤体制加算」の切り替え率も70%と80%になる可能性が高い。
今算定している55%は泡と消え65%すら危うい破目になる。

「ジェネリック医薬品がいくら安くなっても使用したくない理由」が新聞に掲載されていた。
最も多いのは「ジェネリック医薬品の効き目や副作用に不安がるから」で62.4%にもなる。
2番目が「使い慣れたものがいいから」(40.4%)である。
後は取るに足りぬもので「医師がすすめないから」(11.9%)、「聞き慣れないメーカーだから」11.0%、「高いものはいいものだと考えるから」(10.1%)、「安く売れる理由が不可解だから」(7.3%)などである。
これを見る限り医師の直接の影響は「医師がすすめないから」の11.9%くらいで、その他は薬剤師の説明の良し悪しが大きい様にも感じる。

どちらにしても患者の多くは高齢者で、人口に占める75歳以上は約13%にもなる。
この75歳以上の医療費負担は1割だ。
この国の保険制度は安上がりである。
あえて後発医薬品に切り替えて数100円程度の負担減なら、どう考えても先発医薬品の方を選ぶだろう。
名前からして「先発」と「後発」ではハンデがある。
かなり普及してきた「ジェネリック」の呼称であるが、中医協の議論や厚労省からの資料でも後発医薬品を使い過ぎる。
イメチェンが必要かもしれない。

暑い、暑いと思ったら7月も今日、明日で終わってしまう。
歳をとるのが速いはずだ。





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