医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

いいならいいけど

2016-05-12 06:15:28 | 薬局
どうも気になる。

企業の決算発表が出始めている。
大手調剤チェーンの決算状況はいずこも良好で、C型肝炎治療薬の影響だけでもなさそうだ。
もちろんドラッグストアも絶好調で、こちらはインバウンドの爆買の陰に隠れているが、着実に調剤売上も伸ばしている。
恐ろしいのは爆買がここに来て少し低迷気味だと言うことだ。
となると本来の調剤に牙を剥くことになる。

さて、それはそれとして4月1日の日経新聞に掲載された記事が現実味を帯びてきた。
内容は在宅医療を受けている患者に、あらかじめ薬剤師が直接伺い服薬指導を行った上で、後から調剤済みの医薬品をゆうパックでお届けする仕組みである。
実際の様子を見ていないし、開始は6月からとなるようだが、この是非論はどこからもない。
こんな事を言っちゃいけないのかもしれないが、日本薬剤師会は何とも思わないのだろうか。
まさかの是認でもないと思う。
で、その会社が決算報告で、この仕組みを説明し発表後、株価が上がったとの記事もある。

確かに、いろんな面でグレーゾーンは今までもあった。
例えば、CAPD(連続携行式腹膜透析)の患者用の透析液は、医療機関から直接患者宅に宅配されていた。
また、何度も書いているが2010年版の「保険薬局業務指針」の416ページにはFAXで送られてきた処方せんの扱いについて記されている。
そこには患者宅に薬を持参して処方せんを確認した段階で調剤完了となっている。
さらに、前回と同様で特に服薬指導の必要性がないと認めた場合は従業者が届けても良しとなっている。

これを考えようによっては上手に活かせることも出来る。
高齢者施設などで医師が訪問診療する際に同行し、その場で服薬指導を済ませてしまう。
薬局に戻ると処方せんがどこからかFAXで飛んでくる。
それから調剤を済ませて後はゆうパックでOKとなる。
はっきり言って効率的だ。

決算発表によると当初は輸液や栄養剤などの重量がある薬に限定とあるが、輸液も栄養剤も薬には変わりない。
重いから良くて軽ければダメはない。
これに加えて衛生雑貨や飲料・健康食品などの配達代行を提供するそうだ。
この仕組みに誰も何も言わないので合法的なんだと思うが、かなりいろんな面で波紋が生じそうだ。
将来的には高齢者の囲い込みにもつながる。
配食業者と組む事も可能となる。
ゆうパックがよくてアスクルがダメとは言えない。

いんですかねぇ…。





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