たった1,147軒でいいのか。
健康サポート薬局制度が平成28年4月1日から始まったとなっている。
10月末で1,147軒しかない。
9月末が1,119軒だったので28軒しか増えていない。
これでいいのだろうか。
健康サポート薬局は2015年に出された「患者のための薬局ビジョン」から6回の話し合いを経てまとめられた。
当時は2025年までに中学校区に1軒を目指すような話だったように記憶する。
因みに、中学校は国立、公立、私立を合わせると全国に10,484校あるようだ。(2015年)
従って、当初の目標は1万軒または1万5千軒と言われていた。
ところがふたを開けると、こんな状態である。
国があきれると言うか、国の政策ミスが問われそうだ。
「患者のための薬局ビジョン」から厚生労働省が初めに提案したのは「健康情報拠点薬局」であった。
ところが医師会からの物言いで「健康情報拠点薬局」は”かかりつけ診療所”だとクレームが入った。
そのせいか次からは名前を改めて「健康づくり支援薬局」と、いつの間にか変わっていた。
私の記憶には会議で「健康づくり支援薬局」の言葉すら出ていなかったような気がする。
ここでも医師会から待ったが入った。
「健康づくり支援」は”かかりつけ医“が担っている。
薬局が「健康づくり」などけしからんとなった。
これが最後の6回目にいきなり飛び出してきた。
その結果かどうかは分からないが、まとめの段階で「健康サポート薬局」になっていた。
ここでも会議で「健康サポート薬局」などの提案はなかったような気がする。
これらの議論の中で、「なぜ、薬剤師ではなく薬局なのか」と質問が出て、「医師はかかりつけ医であり、薬局もかかりつけ薬剤師じゃなきゃおかしい」と妙な理屈から「かかりつけ薬剤師」が浮上してきた。
先日の厚生科学審議会での薬局の「健康サポート薬局」の少なさが非難めいて出てきた。
「薬剤師はお金にならなきゃやらないのか」である。
その言い訳が1人薬剤師薬局では難しいなどと述べられていた。
その結果が1人薬剤師では在宅も24時間対応も出来ないにつながっている。
国は「健康サポート薬局」に何を期待しているのだろうか。
私にはこれから重要になる”地域包括ケア”に向けた「地域ケア会議」への薬剤師の参加になるのではないかと思っている。
何と言っても高齢者と薬は切っても切れない深い関係にある。
現状では地元の薬剤師会に参加の呼びかけがあるようだが、出席が極めて少ないそうだ。
これは地元の薬剤師会の幹部の薬剤師不足に起因するような気がする。
そこで、少なくとも2人以上の健康サポート薬局研修を修了した、多少なりとも地域連携に知識がある薬剤師に参加要請となったのではないかと思う。
どうもたった1,147軒では、この当ては外れたようだ。
こうなると厚生労働省も何気なく静かに無かったことにしてしまいそうな気がする。
調べてはいないが薬剤師会の幹部の薬局はどれだけ健康サポート薬局になっているのだろうか。
もしその数が少なければ、日本薬剤師会のこの制度がなくなることを秘かに願うかもしれない。
この制度は続くのだろうか。
沢山おられます。地域によって厳しい条件があるようです。
宝の持ち腐れ?、2日かけて研修して、未だに幹部薬局すら取得してない現実。
当事者の薬剤師側は「患者のための薬局」に対する明確なビジョンもなかったのではないでしょうか。
したがって、出来上がった健康サポート薬局は国民の興味も、意味も感じさせない単なる名称に過ぎない。
また、健康サポート薬局を国民に認知させようともしない当事者もおかしい。
どこに会費を使っているのだろうか。
将来の薬剤師が評価されるために、もっと薬剤師の存在をアピールして欲しいものです。
偉そうに、ごめんなさい!