医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

便利さは減点になるのか

2012-08-31 06:26:08 | 薬局
大丈夫だろうか?

3年ほど前だっただろうか。
厚労省が医療経済研究機構に医療費抑制策として「リフィル処方せん」と「箱出し調剤」について調査委託があった。
リフィル処方せんについては、医療機関への受診回数が減少する可能性があり、医療費抑制効果がある。
ご存知のようにリフィル処方せんはアメリカで盛んに行われており、1枚の処方せんが長期に渡って有効な処方せんだ。
1リフィルが1ヶ月分を表しているようで、12リフィルと書いてあると1年間有効となる。
これが導入されると薬局においても調剤基本料の算定が減少し、こちらも医療費抑制に有効ではないかと考えられる。
また、残薬の観点からも検討の余地が大きい。
例えば、90日処方が出た場合、90日分を調剤して受け取った患者が、翌日亡くなるなんて事も考えられる。
その場合、89日分の薬剤はゴミになる。
これが30日分しか調剤していないと29日分のゴミですむ。
ちょっと極端だがありえる事である。
このリフィル処方せん導入の仕方は、調剤療養担当規則か何かに「長期処方せん(30日を越える)場合は、30日を限度として調剤を行なう」で決まりだ。

さて、箱出し調剤はどうだろう。
これはヨーロッパで一般的な調剤だ。
小包装が全て箱でまかなわれる。
こうなると調剤技術料のピッキングに関する報酬がどうなるだろうか。
OTCの販売のように箱で渡すとなると調剤料の算定は難しくなりそうだ。
ここは製薬メーカーが小包装対応にコストがかかり過ぎるので反対している。

ところが上田薬剤師会と日医工が後発医薬品の小包装品で箱出し調剤の有効性調査を開始しているそうだ。
箱出し調剤により薬剤師の業務が効率化され、調剤時間が短縮できる。
効率化された時間を患者への服薬指導に使えるというものだ。
さらに、調剤ミスの減少や薬局での在庫負担軽減も図れるらしい。
先ずは糖尿病や高脂血症、高血圧症等の生活習慣病の薬剤から始めるらしいが、1~2週間分(28錠)がパックになっているそうだ。

いろいろ調査するのは構わないが、自分たちの首が絞まらないようにして欲しい。
でも、既に錠剤のピッキングも器械がやりだしている。
これでも調剤料の算定は可能なのか。

ところで「調剤」の概念はなんなのか…?
この議論が急がれる。
内緒だがどこの薬局にも調剤助手がいる。
この方々のピッキングは本当にダメなのか。


目指すは薬学ブログ第1位
こちらもお願いします!
人気ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ここはどこ? | トップ | あえて・・・ »

コメントを投稿

薬局」カテゴリの最新記事