医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

襟を見直す

2024-07-08 03:27:22 | 薬局
今さらながらと思うけど、今から見直しが必要かもしれない。

秋田県のある公的病院の医師や看護師を含む職員や家族の処方箋が、病院から直接薬局にFAXなどで流れてきて、その調剤された薬を薬局事務員が病院に持参して患者に渡していた事実がメディアに掲載された。
ここの仕組みには薬剤師による服薬指導はない。

そもそもFAXで来た処方内容での調剤は“みなし調剤”で取りそろえる準備に過ぎない。
患者が持参した本物の処方箋と照合して初めて“みなし調剤”の準備から本物の調剤になる。
この部分を勘違いしている人が多いので注意が必要だ。
因みに、FAXだけじゃなくメールやLINEも同じである。

今回の仕組みは医薬品医療機器等法(薬機法)への抵触や服薬指導がない中での「服薬管理指導料」の不正請求などの疑いが生じてくる。
何となくひと昔ならあり得る話だ。
こんなことが30年以上も常態化して続いていたらしい。

これらに関しては特定の薬局が対応していたというより、地域全体が関与していた疑いがある。
確かに、特定の薬局だけがやっていたとなると、恩恵を受けていない薬局が黙ってはいない。
いわゆる”赤信号、みんなで渡ればこわくない“的な発想である。

さらに驚いたことは、調剤された薬を持参した薬局事務員は、ロビーの受付横で病院職員から患者負担金を受領し、その場で薬袋と領収書の引き渡しをしていたそうだ。
会計を待つ患者の見えるところで平然と行われていた。
慣れっていうのは恐ろしい。
しかも定期便の仕組みもあったようだ。
午前11時までに対応する「11時便」、午後3時までの「3時便」と呼ばれていたそうだ。
救われるのは患者負担金を受け取っていたことぐらいかもしれない。

ここで問題になるのが、この仕組みを病院側から持ち掛けたのか、薬局側が提案したのかである。
もちろん病院側は「薬剤師会などに依頼した事実はない」としている。
30年以上も前のことなので、知る人はいないかもしれない。
不明は不明のままがいい。

いつも思うが、そろそろ“処方箋ちょうだい薬局”からの脱却が必須じゃないだろうか。
この発覚を機に現時点では病院へのお届けは行われていないそうだ。
逆に実態を確認するために緊急調査を実施している。
回答期限は3日までだそうなので、その結果がどうなったのか気になる。

何年か前に、当社に電話がかかってきた。
個別指導の時に、何気なく透析の患者の薬を「病室に届けている」と口が滑ったそうだ。
指導官が「ナニ」となって、どう逃げたらいいのかと相談だった。
こうなると”覆水盆に返らず”である。
素直に「勘違いでした」と言い張るしかない。
その後の結末は聞いていない。
コメント (6)
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