医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

覆面がやって来た!

2012-01-22 07:25:14 | 薬局
またも出てきた覆面が。

OTCの販売に関する「10年度覆面調査」の結果が公表された。
第1類OTCは薬剤師による文書での情報提供が義務付けられている。
これが実際に行なわれているのかを調査したものだ。
調査員は普通のお客を装い店頭での薬剤師の対応をチェックする。
前回09年度は50.5%とほぼ半分しか実施していなかった。
但し、いい訳だが、制度が始まった09年6月の薬事法改正から半年経過後であったので5割ほどの実施は、周知徹底の不備で済まされたのかもしれない。
そうは言っても、これに対し日本薬剤師会は大いに反省したはずだった。
で、10年度は如何に?
19日に公表された調査報告によると大幅に低下で3割程度となる。
これでは言い訳も何も出来ない。
これでいいのか。

今回の調査は2010年12月~11年2月であるが、制度実施から1年半年の経過だ。
これでは前回の反省も、言い訳できない。
この体たらくから言えることは、第1類OTCであっても薬剤師の説明はいらないとなりはしないか。
薬剤師が自ら自分たちの職能を捨てている。
なくてもいい存在だと証明しているようなものだ。
その結果は、インターネットなどでの販売でもいいじゃないかとなる。
ネット販売などは第3類OTCしか認められていない。
こうなると第2類OTCへの門戸は見えてくる。

因みに、第1類OTCを購入した際に文書を用いて詳細に説明したのは31.5%、口頭のみの説明が59.1%、文書を渡したが説明が無い2.9%となっている。
もっと驚くのは説明も文書もないのが6.5%と、本当に薬剤師がいるのかと思ってしまう。
さらに驚くのが第1類OTCの説明が登録販売者だったとするのが8.1%、一般従業者が13.3%と薬剤師以外からの説明が2割を超えている。
あきれてしまう。

事務所の近くにあるスーパーには第2類までのOTCが販売されている。
ここで目薬や整腸剤、しゃべりすぎるので「龍角散」などを購入するが、陳列されているコーナーに店員の姿はない。
どこかに「登録販売者」が潜んでいるのだろう。
正直なところ「登録販売者」がいてもいなくても売れるものは売れる。
なぜこんな緩い薬事法の改正を許してしまったのか。
そして、厳然と遵守しなければOTCの分野は、薬剤師の職能領域をなくなる可能性もある。
国の医療費抑制でセルフメディケーションがあるが、これを定着させるにはもっとスイッチOTCを増やす必要がある。
生活習慣病などは原則的にスイッチの対象でもいいのではないのか。
但し、薬剤師がきちんと管理してくれれば。

でも、そんな期待は消えうせている。


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