さよなら渓谷 (新潮文庫)
事件があった家、
その隣に住む男女の物語。
予想していた物語の進行とは
違う方向に進んでいきました。
過去の事件のせいで
一生消えることのない、
不幸の重みを背負った、
二人の心の動向がうまく描かれていて
リアルさを感じました。
消えることのない暗い過去、
生涯、癒されることのない、
深い心の傷。
この先、ずっと罪悪感と、
心の葛藤を抱えながら
二人は生きて行かなければならない。
二人の行動は深い意味を持ち
理解できるものでした。
二人だけにしか存在しない
不思議でゆがんだ共存関係。
愛と切なさが混じり合い、
読んでいて
心が重くなる物語でした。
映画化されます。
主役のかなこには真木よう子
その夫役には大西信満が
キャスティングされています。
6月22日に公開ということです。