花ごよみ

映画、本、写真など・

さよなら渓谷  吉田 修一

2013-06-20 | 本 ま、や行(作家)

さよなら渓谷 (新潮文庫)

事件があった家、
その隣に住む男女の物語。

予想していた物語の進行とは
違う方向に進んでいきました。

過去の事件のせいで
一生消えることのない、
不幸の重みを背負った、
二人の心の動向がうまく描かれていて
リアルさを感じました。

消えることのない暗い過去、
生涯、癒されることのない、
深い心の傷。

この先、ずっと罪悪感と、
心の葛藤を抱えながら
二人は生きて行かなければならない。

二人の行動は深い意味を持ち
理解できるものでした。

二人だけにしか存在しない
不思議でゆがんだ共存関係。

愛と切なさが混じり合い、
読んでいて
心が重くなる物語でした。

映画化されます。
主役のかなこには真木よう子
その夫役には大西信満が
キャスティングされています。
6月22日に公開ということです。



コメント (2)
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