ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

ビアトリクス ポター ギャラリーへ レンタカーで。オススメです!

2015-05-13 | My London


湖水地方滞在の途中から、車を借りました。



レンタカー屋のおっさんにホテルまで迎えに来てもらい、家族Aがレンタカー屋まで行っていろいろ手続き。

しばらくしてホテルまで運転して帰ってきました。

(こちらが車種を指定したわけではありませんが…… 一生のうち、ヒュンダイの車に乗ることがあるとは……)



さて、フットパスという、歩いて回る散歩道が国内に数多く整備されていることで有名なイギリスの中でも、湖水地方は特に景色の良いフットパスがたくさんあります。

フットパスは個人の私有地の中も通っています。

このフットパスに憧れて、ひたすら歩きたい、というのが、この旅の二番目のテーマ出会ったのですが、色々な場所にも行ってみたく、イギリス人の友人から、そんなら車で行くのが便利だよと言われていました。


これには諸説あり、行きつけの素敵な旅の本屋さん、ドーントブックスのレジのおねいさんに、

「湖水地方のドライブのガイド本ない?」

と聞くと、きっぱり、ない、と断言。
なんで?と聞くと

「だって車の運転はストレスフルでしょ~
歩く方がいいわ!」

と当然のように言われました。

フーム、それがイギリス人の総意と言いたいのかな、と思いました。

確かに「湖水地方のドライブ」なんて本が見つかりません。
ウォーキングの本や地図はたくさんあるのに!


日本人よりおっとりのんびりしていて、地下鉄が止まっても、レストランで延々料理がでてこなくても、ウェイターがこなくても、全くイライラせずにおとなしく待っている国民性は、石灰石岩盤から滲み出るカルシウムが、野菜にも水にもタップリ含まれているせいなんではないかとにらんでいる私です。

ドーバー海峡から見るイギリスの岸壁は真っ白ですし、水道水はガチガチの硬水、ほうれん草に含まれるカルシウム量も日本のそれと比べるとダントツに多いそうです。

火山灰土壌の背が低いせっかち国民から見ると、うらやましい限り。

そんなイギリス人は、とにかく歩くのが大好きで、老若男女、天気に関わらずみんなよく歩きます。

歳とった夫婦が手をつないで歩いている光景は心温まるもの。


閑話休題。


今回のイギリスは、前半、ゴールデンウィークに年休を足して、家族Aが二週間ほど一緒にきました。

彼は運転大好きで全然ストレスにならない人間なので、それなら車があると便利という湖水地方に旅行しよう、ということになったのですが……


私にとってはかなりストレスフルな旅になってしまいました。

助手席に座ってナビゲートしてたんですが、なんしろ湖水地方は道がめちゃくちゃ狭い!

おまけに両側がギリギリまで石の垣根なんです!

その上すれ違う車が飛ばしてるし、カーブしてるし、坂はあるし、トラックは来るし、バスも来るし、運転してないのにヒヤヒヤしっぱなしで、肩がコチコチに凝ってしまいました。

運転している家族Aは「狭いなあ」と言いつつも、特にストレスでもなかったようでしたが。


さて、そんなこんなで肩をガチガチにしつつたどり着いたのは、Hawkshead ホークスヘッドの街。



これがとーっても可愛らしい街でした。



郵便局ですらこの可愛らしさ。



ケーキ屋さんの窓辺ではケーキの飾り付けしている女の人。



そんな中、また目立たない小さな看板の、ビアトリクス ポター ギャラリーをやっと見つけました。



ポターの夫の弁護士事務所だった17世紀に建てられた建物に、今はナショナルトラストが管理して、ポターの遺品や原画などを保存しています。

ここも中は写真禁止でしたが、数多くの原画が見られて、それはそれは素晴らしかったです。

原画は本当に小さく、精巧に描かれていて、ポターの絵に対する愛情がひしひしと伝わってきました。

常々思うのは、ポターはお話しを作るより、画家だったのだな~ということ。

特に後期の絵本は、お話しがかなり荒ぶる感がありますが、絵は一貫としてぶれずに、彼女らしい観察眼に支えられた、優しい世界が表現されています。

他にも、ポターが小さい頃、弟と集めた石だの虫だののコレクションが入る引き出しだの、ポターの遺品がたくさんあります。

日本人には、ポターゆかりの地というと、先日書いたニアソーリーのヒルトップが人気なようですが、もしこれから湖水地方を訪れる予定で、ポターちなみの場所に行きたいと思ってらっしゃる方がいらしたら、Hawkshead はオススメです!

何よりたくさんのポターの原画が見られるのが感動します!



そして、街自体がおとぎ話の中に出てくる街のように可愛らしくて、いつまでも去りがたい気分で、気がつくとあちこち半日歩き回っていました。