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 イタリアの重罪裁判所は,2人の裁判官と6人の参審員による参審制度がとられています。参審員は選挙民から無作為抽選で選出され,任期は原則3ヶ月です。手続きは当事者主義がとられ,被害者の代理人弁護士が参加するなど,かなり日本の裁判員裁判に似た構造があり,以前からその実態に関心を持っていました。

 現地では,法廷通訳に経験の深い日本人女性に通訳をお願いしましたが,イタリアでは都市国家の伝統から,ローマ,ベネチア,フィレンチェその他で法廷の構造や運用にはかなりの個性的違いがあるとのことでした(たとえは記録は録音か速記かなど)。

さて,ローマの刑事裁判所は刑事控訴審と同じ場所にあり,なぜか人が多く賑やかでした。傍聴した重罪裁判所法廷は,ステンドグラスを正面に飾り,「法の前に万人は平等である。」と書かれた衝立をバックにした法壇があり,比較的明るい構造でした。ただ法廷専属の警察官が常時警備をしていましたので,開放的とまではいえないかもしれません。

 参審員がイタリア国旗の三色をあしらった襷を掛けて誇らしげに入ってきました。法廷では,裁判官はもちろん検察官,弁護人,書記官,廷吏がそれぞれ法服を着用しており,権威を重んじる様子もありました。ただ,開廷前に裁判長が検察官や弁護人と親しげに話し,通訳の方も顔見知りの方だったので,私にも気軽に話しかけるなど,くだけた雰囲気がただよっていました。
 
 特にびっくりしたのは,陪席裁判官はイタリアでは知られた推理小説作家でもあるとのことで,そんなことがどうして可能なのか大変不思議でした。余裕があるのでしょうか?

 審理の様子はまた次回にお知らせします。
                         引き延ばしの「花」


コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
不正大国イタリア (AKI)
2010-04-16 18:03:25
イタリアはマフィアの国です。映画の中だけの話ではありません。裁判長が検察官や弁護人と親しげに話すというのも皆グルだからです。裁判官は公正な裁きをすることに労力をかける必要なんてないので、のんびり推理小説を書く余裕があるのです。無罪の人がマフィアの力で有罪になり、逆に犯罪者が無罪になってしまうというの実態です。公正な裁判なんて存在しないのです。
 
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