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 風船さんはドイツ語の造詣が深いだけでなく、将棋でも有段者の実力をお持ちの由。こういう趣味について、もっと語る人が増えてもいいと思う。
 私は、碁を打ちはするが、将棋にはほとんど通じていない。しかしTVに出るタイトル戦の番組は、碁だけでなく将棋の場合も関心を持って見ることが多い。
 将棋が強いときいている現職の裁判官への年賀状に、こんな文面を綴った。

 「二〇〇八年は井山裕太と羽生善治の年という印象が濃かったと思いますが、最後には二人とも、挑戦者として優勢でスタートしたタイトル戦に逆転負けして、ちょっと残念でした。
 どちらも挑戦者の方に十九歳名人や永世七冠の実現を期待するファンが、タイトルの防衛を期待するファンより多かったと思われるので、ディフェンダー側の名人・龍王には、心理的負担が重かったろうと想像するのは、勝負師の鍛錬を知らぬ素人の思い過ごしでしょうか。
 羽生が最初に負けた第四局と、大詰めで負けた第七局とは、どちらも目まぐるしい追いかけっこで、二つとも羽生が勝ち将棋を落としたようです。
 特に第四局では打ち歩詰め禁止のルールが渡辺龍王を救ったことに関心をひかれました。このルールの根拠や起源が、どこにあるのか知りたいですね。
 鍋に入れた大魚を逸した羽生がNHKの番組で、第七局の自戦解説者として悠然と現れ、悔しさの片鱗も見せなかったことには、さすがと感心しました。」

 実は以前から、打ち歩詰めを禁止するルールの根拠がどこにあるのかが気になっていた。WIKIPEDIAという、正確性の点では批判もあるWEB百科には、「打ち歩詰め」という項目があり、その起源についても諸説が紹介されていて、一応そうかと思わされるものもあるが、権威ある説といえるものはなさそうである。
 今回の第四局では、渡辺龍王もほとんど負けを覚悟しながら、最後に自玉が打ち歩詰め禁止で、かすかに詰まないと気づいたらしい。
 かつて羽生名人が「打ち歩詰め禁止がなければ先手必勝」と述べたと言われているようだが、事実かどうか、定かではない。
 ただ、このルールがあることで、反則を避ける工夫が必要になるだけ、詰め将棋の奥行きが深まるとは言えるのだろう。
 この疑問について、風船さん、またはチェックメイトさん、その外どなたでも、何か教えていただければ幸い。(守拙堂)

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