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司法取引についての特集~その2

2007年07月26日 | Weblog
 本日(7・26)付け朝日新聞で、2回目の司法取引の特集が組まれました。
 10年前の宇川検事による司法取引積極論の論文が紹介され、当時刑法学者や弁護士らが画期的と評価する一方で、法務・検察では黙殺されたとしています。詳しいことはわかりませんが、当時はともかくとして、現在は黙殺とはいえないでしょうね。
 その他にも、事実上の「取引」として、昨年10月から始まった「即決裁判手続」(比較的軽い罪に問われた被疑者が、執行猶予付き判決が言い渡されるのを前提に起訴事実を認めて争わず、1回の公判で判決が出される手続)があり、今年5月までに2925件が行われたとされています。
 この「司法取引」が日本で導入されるかどうかは、組織犯罪への対応という「待望論」がある一方で、冤罪防止という消極論が対極にあるようですが、私は、最後のポイントは、この制度が日本文化に馴染むのかという点のように思います。刑罰を取引で回避することができるようにすることに国民意識が納得するか、大いに議論したいところです。

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