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興味深い研究結果が発表された。「量刑に関する国民と裁判員との間の意識についての研究 殺人罪の事案を素材として」と題する研究報告書(暫定版・速報版)。国民と裁判官を対象としたアンケートに基づいて,司法研修所で裁判官や学者がまとめたものである。このブログでも,12月19日に瑞祥氏が伝えている。裁判員裁判の実施を数年後に控えて,刑罰をどの程度にするかの意識に関して国民と裁判官との間に違いがあるのかないのかなど,まことに興味深く,また考えさせられる内容である。
 被告人が未成年者(20歳未満)である場合,成人と比べて刑が重くなるのか軽くなるのかについて,一般国民の回答は,半数が「どちらでもない」としており,約25.4%が「重くする理由になる」か「やや重くする理由になる」とし,約24.7%が「軽くする理由になる」か「やや軽くする理由になる」としている。これに対して,裁判官の回答は「やや軽くする理由になる」と「軽くする理由になる」を合わせて約9割となるという。
 一般国民の約4分の1が未成年者を成人よりも重く処罰する傾向にあるとのアンケート結果は,どう理解すればいいのか。昨今の凶悪な少年犯罪報道が,少年に対する厳罰化世論を醸成していると想像される。そして,少年に甘えを許さないという意味で,少年を成人と同じように扱うという限りでは理解できなくはない。しかし,成人以上に厳しく処罰しようとするのはどういう考えによるのであろうか。
(蕪勢)

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