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2月21日に名古屋で開かれる刑事弁護経験交流会(日弁連,中弁連等主催)の「裁判員裁判と量刑」にパネリストとして出席予定になりました。内容はこれから相談することになっていますが,ひとつの論点として,最終弁論の際に弁護人が妥当考える刑期を述べることの是非が取り上げられると思われます。

量刑は裁量といわれるものの,いわゆる量刑相場があり,検察官と弁護人が当該事件の特殊性を明らかにすることによって,量刑相場からどの程度重く,あるいは軽くするのが妥当かという判断が可能となり,予測可能性があるのが通常と思われます。

そうすると,量刑は裁判官の温情にすがるものではなく,あるべき量刑をそれぞれが主張し,裁判官に判断を迫るものではないか,と考えられます。

従来の弁護活動の多くが,できる限り寛大な刑をお願いする,という論調に終始したのは,問題があるのではないでしょうか。

しかし,仮に弁護人の述べた量刑意見より軽い刑が出た場合,弁護人の立場はどうなるのか,という問題もあります。

私は,模擬裁判の経験から,裁判員が想像以上に検察官の求刑を基礎に考えようとする傾向が強いのに驚いています。この影響を薄めるためには弁護人の求刑が必要と考えておりますが,いかがでしょうか。

                       量刑について考える「花」

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