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「健康あれこれ」(その4)

2013年10月03日 | ムサシ

1 健康については,肉体の健康が大切であることはいうまでもないが,それに劣らず脳の健康も重視すべきであると思う。年を取ると,人の名前がすぐに出て来ないとよく言われる。これはおそらく老化による記憶力の低下によるものであろう。しかし老化による記憶力の低下は,ささやかな努力や工夫である程度防止できることなのであろうか。
2 最近,脳に関する研究はかなり進化しているのではないかと思われる。脳の老化防止や活性化は,日常的な努力でどの程度可能なことなのか。そのような問題意識から脳科学に関する本を買って読み漁ることになった。脳は夜寝ている間はおとなしく休息しているのかと思っていたら,そうではなくフル活動しているし,睡眠が深い時の脳は,覚醒時よりもむしろ活発なのだそうであるが,そんなことはともかくとして,記憶力を司る「海馬」を刺激したり,あれこれの記憶力の低下を防止できる簡単な方策があるのかどうか,暫く脳の本で遊ぶことにしたのである。もっとも簡単で効果的な方策があるとは考えにくいところである。
3 右脳は感情脳,左脳は理性脳などと言われるが,脳の活性化や老化防止は,脳をよく使うことに尽きるのであり,左右の脳で老化防止対策が異なるとも思えないが,折角左右の脳で機能が異なるということであるので,若干の考察をしてみることにする。感情脳である右脳の活性化は,毎日の生活が楽しいとか,何かを楽しみに生きているとか,「ときめき」を覚えたり,「感動」することがあれば,当然右脳も活性化するに違いない。ではどうすればよいのか。新聞や雑誌などの書評欄などに注意して,感動できそうな本を探して読むというのもよい方法であるかも知れない。随筆などにも心打たれるものがある。例えば古い作品ではあるが,寺田寅彦の随筆に「どんぐり」という一文がある。妻や子に対する愛情と妻を病気で亡くした悲しみが淡々と綴られており,心に染みる文章で,これまで何度も読み返した。インターネットでも読むことができる。こんな文章を沢山読んで感動する生活なら,きっと右脳が活性化するに違いない。
4 わが夫婦はこれまで週末1回を目標に,公営のテニスコートで約1時間,2人でネットをはさんでテニスの練習をすることを習慣としてきたが,これも週末を楽しみに待つという意味で,右脳の活性化に役立ってきたような気がする。そして今後の人生に取り入れることが可能な感動的要素はないかといろいろと考えた結果,「優れた映画を見る」ことを思いついた。テレビを見て満足するせいか,最近映画を見ることはなくなってしまい,最後に映画を見たのはいつかについては思い出せない状態である。映画はテレビとは違って,作成した映画監督の渾身の力作が多いから,右脳も喜ぶに違いない。そこで2か月に1回を目指して,夫婦で映画を見て,食事をすることになりそうである。
5 脳科学の本を読むなどといっても,所詮健康遊びの一環に過ぎず,甚だ無責任で気楽な話ではあるが,まあいろいろと実験してみるつもりである。最近は「かくしゃく超百歳」は止めることにしたが,5年刻みで考えることにした。とりあえず「かくしゃく超75歳」が目標となり,5年刻みで「かくしゃく超90歳」が目標となろうか。ただ結果として「かくしゃく超百歳」ということになれば大いに結構なことである。私は,健康でかくしゃくとして長寿であることは大いに結構なことではあるが,家族に迷惑をかけながらの長寿は希望しないので,この際脳の活性化を追求し,健康でぴんぴんと活きて,コロリと死ぬという,「ピンコロ人生」を目指したいと思うのである。(ムサシ)