先住民族関連ニュース

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工場畜産の飼料の生産地、南米における先住民への人権侵害、増加

2022-07-27 | 先住民族関連
アニマルライツセンター2022/07/26

飼料にほとんどが使われる南米産の大豆、その生産地における人権侵害については以前もこの記事で指摘したが、この人権侵害が増加してしまっている。
先住民族に対する暴力事件は増加の一途を辿っている。
2018年には110件
2019年には277件
2020年には304件
2020年の内訳は、権力の乱用(14) ;殺害の脅迫(17); さまざまな脅威(34); 殺人(182); 過失致死罪(16); 痛みを伴う傷害(8); 民族的文化的人種差別および差別(15); 殺人未遂(13); 性的暴力(5)となっている。*1
2020年の悪化は新型コロナウイルスの影響もある。先住民族にたいしても新型コロナウイルスは感染を広げ、またこれらの人々まで医療が届かなかったということも起きている。ウイルスの感染経路は、パンデミックの最中にこれらの地域で違法に行動し続けた侵略者によって持ち込まれたという。ボルソナロ政権は新型コロナウイルスに対する対策を軽視したことで知られるが、都市部に暮らす人々はともかく、先住民というこのグローバル経済の中に加わらずに生きたいと願う人達にまで、影響を及ぼしたのだ。
ブラジルのニュースサイトを見ると、日々、先住民族に対する殺人事件や暴行事件、権利獲得のための戦いの記事が出ている。先住民族は暴力や侵略を受けるだけでなく、教育が不足し、医療が不足し、ている。私達日本の人々には想像もできないほど、深刻で、悲惨な事が起きている。
昨日現大統領のボルソナロは再選を目指して大統領選に正式立候補を発表し選挙運動に入った。この数年で法律も変え、アマゾンをここ15年の中で最も多く破壊し、先住民族に対する暴力犯罪を見逃し続けた彼が再び再戦するのかどうか、それは畜産業、飼料生産の農場、アマゾンで行われる採掘業などの利害関係者、さらにはその業者と取引関係のある商社や飼料会社などの力の大きさにかかっているのかもしれない。
工場畜産を離れよう
日本に輸入される大豆粕の32.4%は南米から来ている。国産の鶏肉、卵、豚肉にされる鶏や豚たちはこれらの大豆を食べさせられている。南米で起きている人権侵害の一端を、日本の人々は間違いなく担っている。理不尽に侵略され殺される人々の状況を悪化させることに加担するのかどうか、それはあなたの買い物にもかかっている。


*1 https://cimi.org.br/2021/10/relatorioviolencia2020/
https://arcj.org/issues/other/environment/cimi2020/

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スイスの金業者は脱アマゾン宣言を実行できるのか

2022-07-27 | 先住民族関連
SWI2022/07/26 08:00

ブラジル・パラー州イタイツーバ地区、アマゾンのジャングル内の違法な金鉱山で金を探す男性たち。2020年8月21日撮影 Copyright 2020 The Associated Press. All Rights Reserved.
スイスの金精錬大手がブラジル・アマゾンの先住民族の領土で採掘された金を使用しないと宣言した。だがアマゾン産の金の流通データには謎も多く、宣言の実行には大きな課題が立ちはだかる。
Dominique Soguel-dit-Picard(本文), Pauline Turuban& Kai Reusser(図表)
他の言語(6言語)
この異例の声明の中で、スイスの精錬業者らは「ブラジル産を含め、違法な金の採掘・輸入・精錬を行わないために、金の追跡・特定を行い、技術的かつ人的に可能な必要措置を講じる」と述べた。また、ブラジルのジャイル・ボルソナロ政権に対し、先住民族の人々と環境保護のためにもっと働きかけるべきだと促した。
不認可の採掘職人による金の採掘は、アマゾンの森林破壊を助長し、金の抽出に使った水銀が土壌を汚染し、先住民族の土地を侵害する。ブラジルの輸出データや学術研究は、そうした金の多くが国際的な金取引の中心地であるスイスへ、またはスイスを経由して流れていることを示している。
6月27日付の声明に署名したスイス貴金属製造・取引業者協会(ASFCMP)のクリストフ・ビルト会長は「会員にとって、アマゾン産の金に手を出さないと宣言することは比較的容易だった。スイスの精錬業者が望むようなビジネスではないからだ」と語る。他には金精錬所のアルゴー・へレウス、メタロー、エム・ケイ・エス・パンプ、ペックス・プレシノックス、ヴァルカンビなどが署名した。ASFCMPは大手精錬所、スイスの銀行UBS、貴金属を扱う小規模企業など13社が加盟する。
5月には、人権NGO被抑圧民族協会(STP)が、アマゾンの先住民族コミュニティーのリーダーたちと金産業の代表者らの会合を取り持った。先住民族が「ガリンペイロ」と呼ばれる不法採掘業者から受ける暴力や、先祖代々の土地での採掘を許可する政府法案が環境に与える影響などが議題に上がった。
アマゾンからスイスに継続的に金が流れていることを示すブラジルの輸出データについては、両者の見解が平行線をたどった。
会合に参加したビルト氏は、このデータの正確性を疑問視する。
「正直なところ、ブラジル側の輸出データや統計データが正しいものかどうかは分からない」とビルト氏はswissinfo.chに語った。「私が言えるのは、スイスの精錬業者はアマゾン産のそうした原料を使用していないということだ」
ブラジルのデータによると、2020年と21年にアマゾン川流域のブラジル北部パラー州イタイツーバからスイスに輸出された金は5トンに上る。STPのクリストフ・ヴィドマー共同会長は、こうしたデータはスイス側の統計の透明性向上が急務であることを如実に語ると主張する。スイスは、各国からの月別の金輸入量しか調査していない。STPは秘密を保持しようとする精錬業者を相手に、金の出所に関するより詳細な開示を巡り法廷闘争を続けている。
この5トンの金の謎に加え、ヴィドマー氏はイタイツーバからスイスへの金の輸出が21年8月以降途絶えている点にも疑念を投げる。チューリヒ空港の税関は同月、ブラジルのサンパウロからチューリヒを経由してドバイに渡航しようとしていた人物から、20キロの金を押収した。ドバイは、危険度が高い金の取引のハブとして名高い。同事件はスペインの新聞バングアルディアにスクープされ、現在も捜査中だ。ヴィドマー氏は、不法な金をスイスのものだとドバイで申告可能にするために、スイスをホワイトウォッシング(訳注:犯罪行為や不都合な事実を不正な情報操作によって隠蔽すること)の中継地点として利用したものではないかといぶかる。
鍵となる透明性
ヴィドマー氏は「取引をクリーンなものにし、違法な活動や環境を破壊する活動、また人権を侵害する生産活動を防ぐために、透明性は非常に重要だ」と語る。
ブラジルにとって、スイスはカナダに次いで最も急成長している輸出相手だ。世界の貿易データを分析する経済複雑性観測所によると、20年のブラジルからカナダへの金輸出額は18億9千万ドル(約1950億円)で、スイスは10億1千万ドル(約1040億円)。第3位は3億3800万ドル(約350億円)のアラブ首長国連邦だった。
ブラジルは生態学的にバランスの取れた環境を憲法で保障し、多くの条約で先住民族のコミュニティーを保護している。しかしこの数十年、こうした権利は国際的に急増する金の需要に押され抑圧されてきたアマゾンの森林破壊のおよそ10%が違法な金採掘を原因とする。
ブラジルの検察官や研究者たちは、ブラジルの金のサプライチェーンをいかに浄化するかという問題に取り組んできた。環境NGOインスティトゥト・エスコリャスによる調査は、ブラジルは15年〜20年に、違法と裏付けられる金229トンを取引していたと結論付けた。国内生産量のほぼ半分に値する量だ。同調査は、先住民族の土地や保護区と重複する採掘権(訳注:登録を受けた区域で鉱物を採掘する権利)や、採掘の証拠はないが金のロンダリングに使われた可能性が高い「ダミー採掘権」を利用して産出された金を調べたものだ。
法定アマゾン
「法定アマゾン」はブラジルの9つの州で構成される(アマゾナス州、パラー州、ロライマ州、ロンドニア州、アクレ州、マトグロッソ州、トカンチンス州、マラニョン州)。同法は1950年代に熱帯雨林の保護を目的として制定された。新法案では、マトグロッソ州でのアグリビジネスのための大規模な森林破壊を可能にするため、法的に定義されたブラジルのアマゾン地域から同州を除外することが提案されている。
シンクタンクのイガラッペ研究所による別の調査も「ブラジルのアマゾンでは金の違法採掘がまん延している」と指摘する。同調査は、アマゾン地域を構成する9州内に321の違法な採掘場があると突き止めた。アマゾン地域はポルトガルほど大きく、川の支流が道路を兼ねており、ブラジル警察による取り締まりを難しくしている。加えて、アマゾンの保護はボルソナロ政権にとって優先事項ではなく、同政権は憲法で保護されている先住民族の土地を開発できるようにする法案を提案した。
スイスの精錬業者などブラジルから金を輸入する関係者にとっての課題は、違法に採掘された金が容易に、かつ早い段階で合法的な市場に流入してくることだ。その理由は、金の原産地の申告時、販売者の善意が前提とされることにある。ブラジルでは警備会社でさえ不正申告で摘発されている。
熱帯雨林の中心に位置するマナウス地域の連邦検察官で、イガラッペ研究所の調査に協力したアナ・カロリナ・ハリウク・ブラファンサ氏は「金は、その経済循環の最初の段階である意味『合法化』されている」と述べる。「ブラジルからの金の輸入業者にとって、現状、その金がアマゾン産でないこと、または違法に採掘されたものでないことを証明するのは非常に難しい」
https://www.swissinfo.ch/jpn/business/スイスの金業者は脱アマゾン宣言を実行できるのか/47761228

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人間の食品廃棄物、ホッキョクグマの脅威に 論文

2022-07-27 | 先住民族関連
AFPBB News7/26(火) 20:57配信

ロシア・ベルーシヤグバのごみ処分場に集まったホッキョクグマ(2018年10月31日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】北極圏に位置するロシアの村で3年前、何十頭ものホッキョクグマが食べ物を求めてうろつき、ごみ処分場で餌をあさる様子が撮影された。科学者や自然保護団体は先週公表した論文で、人間の食品廃棄物がホッキョクグマの脅威となる事例は増加しており、当時世界中に報じられたロシアの出来事もその一つにすぎないと警鐘を鳴らした。
 北極圏では、世界平均の約3倍の速さで温暖化が進んでおり、ホッキョクグマが狩りをする際に欠かせない海氷が減っていることから、ホッキョクグマは気候変動の直接的な悪影響にさらされている。
 環境保全の専門誌「オリックス(Oryx)」に掲載された論文の共同執筆者で、ホッキョクグマ保護団体「ポーラー・ベアズ・インターナショナル(Polar Bears International)」のジェフ・ヨーク(Geoff York)氏は、「人間とホッキョクグマとの有害な接触が、ゆっくりとではあるが確実に増えている。海氷の減少が主因となり、ホッキョクグマが上陸する機会が増え、より長期間居座るようになっているからだ」と指摘した。
 ヨーク氏は、「欧州や北米のクマの例から、ごみ捨て場がクマにとって大問題となっていることは把握している」と述べている。
 例えば米アラスカ州カクトビク(Kaktovik)には、先住民族イヌピアット(Inupiat)が伝統的に捕獲してきたホッキョククジラの残骸を投棄する沿岸の処理場があり、毎年秋になると90頭ものホッキョクグマが集まってくるという。中には160キロ離れた場所から移動してきた個体もいた。
 論文執筆者は、氷の状態が悪かった2019年、ロシアのベルーシヤグバ(Belushya Guba)のごみ処分場にホッキョクグマ50頭以上が集まった問題について、開放投棄型のごみ処分場が招きかねない事態が顕著に表れた例だと説明している。
 ホッキョクグマは、高脂肪の餌を食べるよう進化してきた。春にアザラシの子を捕食して体重を増やし、その年の残りの期間を生き延びる。
 ヨーク氏によると、ホッキョクグマにとって重要な時期となる春に氷が早く溶けてしまうと、体重を十分に増やせず陸に戻るホッキョクグマがいるほか、十分な栄養を得た個体でさえ、より長く陸にとどまるようになっているという。
 ホッキョクグマは格好の餌場としてごみ処理場に集まるが、「同時にプラスチックや有毒物質も摂取していることを、クマたちは知らない」とヨーク氏は述べている。キャットフードなどを食べたり、ごみ処分場で人間や他の動物と接触したりすることで、病気になるリスクもある。
■対応策は
 ヨーク氏は、北極圏の集落では家庭ごみの処理に多額の費用がかかると指摘している。凍結し、岩の多い地盤では、ごみ処理の選択肢が限られるからだ。
 一般的な処理法は開放投棄や低温焼却だが、高温焼却する方が、完全とは言えないまでもより良い方法だと同氏はみている。
 一部の集落では、ホッキョクグマが人間の食品を食べる前にごみ処理場から追い払うため、パトロール隊を結成している。
 論文の執筆者らは、問題に関する啓発活動の推進に加え、エアホーン(空気警音器)や電気フェンスといった殺傷力のない手段の活用も提唱している。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/3742b2e4d241ad04987a3d5cd21c98e742a80516

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国際口琴大会に釧路の3人出場 独・ベルリンで27日開幕

2022-07-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/25 10:39 更新

ドイツ・ベルリンで開催の国際口琴大会に出場する(右から)郷右近富貴子さん、鈴木紀美代さん、鈴木政昭さん
 ドイツ・ベルリンで27日に開幕する「第9回国際口琴大会」に、釧路市在住の3人が出場する。世界各地から口琴の制作者や奏者が集う最高の舞台で、アイヌ民族の伝統楽器ムックリの音色を響かせる。
 3人は、市阿寒町阿寒湖温泉でアイヌ料理店を営むムックリ奏者・郷右近(ごううこん)富貴子さん(46)=出場は2回目=、市大楽毛でムックリの制作・演奏を長年手掛ける鈴木紀美代さん(75)=同5回目=、夫の政昭さん(73)=同初=。2011年の第7回大会では、郷右近さんが演奏部門で、紀美代さんが制作部門でそれぞれ入賞している。
 大会は数年に1度、国際口琴協会(IJHS)が開催しており、今回は14年以来8年ぶり。27~31日の5日間にわたり、世界各地から100人を超える参加者が集う。
 3人は24日に釧路を出発し、英国ロンドンを経由して25日にベルリン入り。制作部門で29日午前、鈴木さん夫妻がそれぞれ、マキリ(小刀)を使ったムックリの制作作業を披露する。
 演奏部門では同日午後、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)の職員1人を加えた4人で、即興の演奏を行う。4人とも、紀美代さんが作ったムックリを手に持つ。郷右近さんは「日本にはアイヌ民族がいて、ムックリなどの伝統が受け継がれていることを世界の人たちに知ってもらいたい」と話している。(松井崇)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/709583

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30、31日にアイヌ文化交流会 とかちプラザで

2022-07-26 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2022/07/25 10:56
 アイヌの歴史と文化への理解を深める「アイヌ文化交流会」が30、31の両日、帯広市内のとかちプラザで開かれる。
 帯広市アイヌ生活文化展実行委員会が主催し、今年で13回目。伝統工芸品を展示するほか、30日午後1時からは帯広カムイトウウポポ保存会がアイヌ古式舞踊を披露する。両日とも刺しゅう体験、30日のみ木彫り体験も実施する。予約優先。いずれも参加無料。
 30日は午...
●この記事は会員限定です。勝毎電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=566860

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インド史上2人目の女性大統領誕生 初の先住民族出身者

2022-07-26 | 先住民族関連
テレ朝7/22(金) 11:29配信

 インドで大統領選挙が行われ、先住民族出身者では初めてとなる女性のムルムー氏が当選しました。女性としては、史上2人目の大統領となります。
 インドで任期満了に伴う大統領選挙が行われ、21日に先住民族出身者では初めてとなる女性のムルムー氏(64)の当選が決まりました。
 地元メディアなどによりますと、ムルムー氏は先住民族「サンタル」の出身者で、東部で州知事を務めていました。
 大統領選挙ではモディ首相率いる与党候補として出馬し、野党などが擁立した候補をおさえて初当選を決めました。
 インドの大統領は任期5年の国家元首で儀礼的な役割を担います。
 女性大統領の誕生は2人目だということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ae914e8cc5455b55657740f09329df3f8be97ec

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ランプの明かりで勉強した「不可触民」…族長の娘、インド最年少の大統領に

2022-07-26 | 先住民族関連
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.25 07:29
インドで最下層である先住民族出身の大統領が誕生する。与党インド人民党(BJP)所属のドラウパディ・ムルム候補(64)が21日の連邦議会と州議会の投票で、得票率64%で野党のヤシュワント・シンハ元外相を押さえ大統領に当選したとニューヨーク・タイムズなど外信が22日に報道した。ムルム氏が25日に就任すれば先住民族出身では初めてで、プラティバ・パティル元大統領(2007~2012年在任)に続く2人目の女性大統領になる。インド独立後に生まれた最年少大統領という記録も作ることになった。
インドは議院内閣制で首相が実質的に内閣構成の権限を持つが、ムルム氏の大統領当選は先住民族出身では初めて憲法上の国家元首になった点で意味が大きい。インドの大統領選挙は連邦上下院と各州議会議員4896人の投票で行われる。インドには約700の先住民族がおり人口は1億400万人に達するが、カーストなどインド伝統の社会階級秩序に含まれていない集団で不可触民の扱いを受ける。
◇「インドの新たな歴史書いた」
インドのモディ首相はこの日ムルム氏と会い、「インドの新しい歴史を書いた」と祝った。モディ首相はソーシャルメディアにも「インド東部の人里離れた村で生まれた先住民族の娘がインド大統領に選出された。ムルム氏はインドの市民、特に貧しく疎外され抑圧される人たちに向けた一筋の希望として浮かび上がった」と書いた。
ムルム氏はインド先住民族のうち規模が大きく1850年代の英国統治に抵抗した長い歴史を持つサンタルの出身だ。インド東部オディシャ州の州都ブバネシュワールから車で8時間の距離にある村でサンタルの族長の娘として生まれた。最近まで電気がなく水を自力で汲んで使っていた村だ。学校に通いながら夜には灯油ランプの明かりで勉強し、村の女子学生で初めて大学を卒業した。
◇灯油のランプで勉強…村で初めての大卒女性
彼女は教師生活をしながら先住民族の権利保障などの社会運動をし、1997年にオディシャ州のライランプール市議会議員に当選して政界に入門した。その後オディシャ州議会議員と商工部門の副長官などを歴任した後、2015年にジャルカンド州初の女性州知事に就任し昨年まで6年間の任期を終えた。州知事在任期間には地域社会と各界各層に事務室を開放して疎通し業務能力を認められ、ソフトな語り口と謙虚な性格でも人気を呼んだ。
政界進出後の人生は順調でなかった。2009年から2015年までの6年間に夫と2人の息子、母親と弟まで失った。これを契機にブラーマクマリス瞑想に心酔することになったという。彼女は過去のインタビューで「特に私たちの民族では女性は政治をしてはならないという見方が強かった。政治をする考えはなかった」と明らかにしたことがある。
ムルム氏の大統領当選は2024年の総選挙を控え下級階層の支持を得るためのBJPの戦略的選択という分析が出ている。インドの下級階層では野党と地域政治家に対する支持勢力が強い。BJPの元議員は「サンタルなどインド先住民族はインド社会で彼ら独自の言語と文化、宗教を認められるために活動してきた。BJPは社会的弱者に向けた政党というイメージを構築し、先住民族はインド社会の一員と認められるために実現した取引」と話した。ロイターは「インド大統領に実権はないが、政府与党の総選挙勝利が不透明な時のような政治的危機状況では内閣を構成する政党を決める権限を持っている」とした。
https://japanese.joins.com/JArticle/293516

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北澤豪と100万人の仲間たち<39>職業訓練による格差是正と火山監視による防災で技術と経験を生かした日本のエクアドル支援

2022-07-26 | 先住民族関連
スポーツ報知7/25(月) 8:00

エクアドルでのサッカー教室。同国における大人の社会は所得格差や地域間格差などの問題を抱えてはいる。だが子どもたちはそれらとは無縁で元気いっぱいに北澤と球を追いかけた
 元サッカー日本代表、北澤豪氏(53)。波瀾万丈の競技人生を疾走し、現在は世界の子どもたちを支援する環境づくりを目指している。その軌跡とビジョンを、ノンフィクション作家の平山讓氏が独占取材。毎月10日と25日に記事を公開していく。
 在日エクアドル人は228人(法務省「在留外国人統計」調べ)。国策としての移民もなく、南米のなかでもエクアドルに暮らす日本人は少ない方だ。とはいえ、日本人が同国で果たしてきた役割は決して小さくない。
 赤道が通る国は世界で14か国あるが、なかでもエクアドルは赤道から首都が最も近く、かつ赤道が通る標高の最高地点がある。国名はスペイン語で「赤道(Ecuador terrestre)」に由来し、首都キトも原住民の言葉で「地球の真ん中(Quito)」を意味する。それだけに赤道記念公園めあての観光客も多く、さらにはキトの歴史的な街並みや、アマゾン川流域でのエコツアー、そして多様な生態系で知られるガラパゴス諸島など、観光資源には事欠かない。北澤もサッカー教室が始まる前に赤道記念碑を見学し、そこで貴重な体験をした。
 「地球の遠心力の影響で、重力が南北均等に働くらしく、釘(くぎ)の上に卵を立たせることができると聞いたんです。ただしすべての人ができるわけでないらしいんですけど、僕は成功して、同博物館からその証明書をもらいました(笑)」
 赤道直下ながら高地で過ごしやすい気候、物価の安さなどにより、「リタイア後に移住したい国ランキング」世界第1位だ(「ビジネスインサイダー」調べ)。リタイヤメントビザでの北米からの移住者も約4000人いる(同)。
 「そんな理想郷のようであるはずなのに、とはいえエクアドルは所得格差や地域間格差という大きな課題を抱えていると聞きました」
 豊富な石油資源によって経済発展は加速してはいる。さらに原油に依存する経済構造を切り替え、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請もし、アジア太平洋地域に主要輸出品で日本でも有名なバナナなどの輸出先を多様化することを狙う。だが富の分配が都市部の石油産業関連など特定の分野に依然として限定されており、先住民族が多く居住する地方農村部は開発が遅れているという側面もある。
 北澤が視察したのは、キトで実施されているJICAの技術協力プロジェクト「職業訓練改善」だ。工業分野の人材育成強化を図るため、実習教材や機材整備などの協力を行っている。また現在では教材や機材の協力のみならず、無償資金協力、円借款などでJICAのエクアドル支援は様々な形態に広がっている。未就業者が通う職業訓練校で、電気、電子、機械加工などの機材を見ながら、JICAの海外協力隊員に北澤は積極的に質問した。
 「本田技研工業のサッカー部にいたので、新入社員の頃はここにあるような機材を使った研修も受けました。どんなふうにエクアドルの人々が機材の使い方を学んでいるのか、気になってしまって(笑)。懐かしかったんです。僕には、どこにいても、どんな人でも、誰もがサッカーを楽しめる世界に協力していきたいという夢があります。それは就労についても同じです。地方だからとか、先住民族だからというのではなく、どこにいても、どんな人でも、誰もが働けるチャンスは得られるべきなんじゃないのかなと」
 JICAの対エクアドルの協力方針(当時)には、「経済基盤整備」「格差是正と包括的な社会の実現」「環境保全と防災」という3つの重点分野がある。日本と同じ火山国に対し、提供した火山監視能力の強化協力により、2006年のトゥングラワ火山の大噴火を予知することができ、約2万5000人の近隣の住民が避難して火砕流から救われている。
 「いずれの分野においても、日本人は多くの経験や知見を蓄えていて、日本の高品質な先端技術がエクアドルの課題に大きく貢献できていることが、誇らしくも思えました」
 ◆平山讓(ひらやま・ゆずる) 1968年、東京生まれ。作家。ノンフィクションや実話を基にした物語を数多く手がける。主な著書は「ありがとう」(講談社/東映系にて全国ロードショー)、「ファイブ」(幻冬舎/NHKにてドラマ化)、「4アウト」(新潮社)、「パラリンピックからの贈りもの」(PHP研究所)、「中田翔 逃げない心 プロ野球選手という仕事」(主婦と生活社)など多数
 〇…7月30日に開催されるJ2の琉球・熊本戦(沖縄)を前に、エキシビションとして「酒豪秘伝スペシャルフレンドリーマッチ」が行われる。FC琉球創設にも関わるラモス瑠偉氏が元日本代表や沖縄を代表するレジェンドたちに声をかけて招集した「TEAMラモス」と、沖縄出身の元Jリーガー赤嶺真吾が率いる「TEAM赤嶺」が対戦。北澤氏もTEAMラモスの一員としてプレーする。
https://news.yahoo.co.jp/articles/20d6d1c0c418662c58919cbc54e90d00e4085a39

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豪州アボリジニとトレス海峡諸島民のアートイベント、8月2日から開催〔GNW〕

2022-07-26 | 先住民族関連
JIJI.COM2022年07月25日12時42分
 【グローブニューズワイヤ】オーストラリアの先住民アボリジニとトレス海峡諸島民の創造力を祝い、アート、デザイン、文化を紹介する一連のイベントが、8月2日~7日にダーウィン・アボリジナル・アートフェア財団により開催される。このうち今年で16回目を迎える「ダーウィン・アボリジナル・アートフェア(DAAF)」は、豪州で最大かつ最も有名な先住民族のビジュアルアートイベントで、8月5日~7日にオンラインと会場の双方で開催される。同アートフェアでは豪州全土から、記録的な数字となる76のコミュニティー・アートセンターを代表する1500人を超えるアーティストの作品を展示する。
 【注】この記事はグローブニューズワイヤ提供(3308478)。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072500438&g=bnw

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白老移住の宇梶静江さん「原発に代わる技術を」 登別で講演、自身の経験と思い語る

2022-07-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/24 05:00

自身の経験や原発への思いなどを語る宇梶静江さん
 【登別】アイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(89)の講演会が23日、登別市民会館で開かれた。「アイヌの大地を原発・放射能で汚さないで」と題し、宇梶さんは「きれいな大地を子どもたちに残していくため、原発に代わる、自然を生かした技術開発にまい進しないといけない」と訴えた。
 「原発やめよう!登別の会」(宮尾正大代表)の主催で、市内外から約20人が参加。宇梶さんが昨年、埼玉県から白老町に移住したことで実現した。
 宇梶さんはアイヌ民族について「大地に養われ、自然とともに生きてきた」と説明。一方、自身の幼少期の経験も含めて長年差別を受け続けてきた歴史を紹介した上で「原発は事故が起きれば多くの土地が汚れてしまう。アイヌ民族と文化を再び追い込むようなことはやめてほしい」と強調した。
 政府が防衛費の増額について議論していることについて、「放射性物質を取り除く技術開発にもっと力を入れるなど、軍事費以外の部分に多くの知恵とお金を使ってほしい。皆さんももっと怒っても良いのではないか」と話した。
 質疑応答も活発に行われた。アイヌ文化の現状について問われた宇梶さんは「和人同士も同じだが、アイヌ民族同士もまだ一つにまとまりきれていない」と指摘。「理解してくれる和人とも一緒に今後も活動していきたい」と語った。(河田俊樹)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/709388

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アイヌ文化をゲーム感覚で学ぼう 帯広百年記念館が8月に自然観察会

2022-07-25 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2022/07/24 10:22
 帯広百年記念館は8月6、17、27の3日間、ゲーム感覚で動植物を発見しながらアイヌ文化を学ぶ自然観察会を初めて開く。帯広市野草園を散策し、アイヌ語の立て看板やQRコードを活用し、ポイントを獲得する試みだ。
 野草園内の「アイヌ文化とのふれあいゾーン」の認知度向上や、アイヌ文化に親しみを持ってもらうことが目的。
 対象は小学生以上。小学4年生以下は保護者の同伴が必要。グ...
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http://kachimai.jp/article/index.php?no=566752

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ロヒンギャ難民を忘れないで 大規模流出から8月で5年 ウクライナ危機で薄れる関心、細る支援

2022-07-25 | 先住民族関連
東京新聞2022年7月24日 18時00分

6月30日、バングラデシュ南東部コックスバザール県の難民キャンプで、簡易な建物のそばでたたずむ子どもたち(新畑克也さん提供)
 ウクライナよりも近い場所で、置き去りにされた100万人規模の難民がいる。ミャンマーで迫害を受け、バングラデシュに逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャたちだ。大規模な難民流出が始まってから、来月で5年になる。帰還を含め、問題は棚ざらしだが、昨年のクーデター後、ミャンマー関連のニュースとして取り上げられる機会は激減した。このまま、風化させてよいのか。(特別報道部・北川成史)
 ロヒンギャ 仏教徒が9割のミャンマーで西部ラカイン州を中心に暮らす少数派イスラム教徒。2017年の大規模流出前の推定人口は、州人口の約3分の1にあたる約100万人。ミャンマーでは先住民族とみなされず、多くはバングラデシュからの不法移民扱いで無国籍になっている。
◆執拗な監視 キャンプ制御図る当局
 バングラデシュ南東部コックスバザール県には、ロヒンギャ難民のキャンプが30以上に区分けされて点在する。
 2017年8月25日、ミャンマー西部ラカイン州で、それまでの抑圧に反抗したロヒンギャの武装勢力が警察や国軍の拠点を襲撃。反撃に出た国軍などによる殺人や性暴力が広がった。国連人権理事会の調査団は死者は少なくとも1万人と積算。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、70万人以上が隣国バングラデシュに逃れた。その前の難民を入れると90万人を超える。
 コロナ禍での入国規制が緩んだのを機に、フォトグラファー新畑克也さん(43)は6月下旬、キャンプを訪問。最新情勢を記録しようと意気込んでいたが…。「写真どころじゃなかった」
 キャンプの入域許可を取ったが、バングラデシュの武装警察や情報機関員ら7人が、前後を挟んで付いてきた。「悪い意味でのVIP待遇だった」。難民たちに怪訝な目を向けられた。
 新畑さんは18年にもキャンプを訪れたが、執拗な監視はなかった。「キャンプの制御を図る当局の圧力がすごく強くなっていた」
◆落ち込む必要資金の充足率
 国際NGO「難民を助ける会(AAR Japan)」東京事務局の中坪央暁(ひろあき)さん(59)も6月下旬、キャンプを訪れた。現地での援助活動団体のため、当局のつきまといはなかったが、警戒感の高まりは感じた。
 キャンプの周囲に有刺鉄線とフェンスが張り巡らされていた。中坪さんがコックスバザール駐在だった19年時点にはなかった。
 一方で「居住性は若干高まっていた」と語る。丘陵地を切り開いたキャンプの土砂崩れや水害を防ぐため、国連機関などが植樹を進めた結果、緑が増えた。レンガやコンクリートによる道路舗装、簡易水道や排水路の整備も進んでいた。
 だが、中坪さんは今後を案ずる。「ただでさえ時とともに薄れつつあったロヒンギャへの関心が、ウクライナ危機で吹っ飛んでしまった。難民支援の活動や資金が先細る危険がある」
 援助機関とバングラデシュ政府は毎年、共同で難民対応の計画を作り、必要資金を国際社会に求めている。ただ、その充足率は19年の75%をピークに20年は65%、昨年は72%と落ち込み気味。今年は4月時点で、資金8億8100万ドル(約1200億円)に対する充足率が1%と反応が鈍い。
◆人口増え過密化、職の奪い合いに
 キャンプ内での人口増も懸念材料だ。ある援助関係者によると、昨年、推奨される4回の検診を受けた妊婦は約4万人。検診を受けない妊婦もおり、出生数は年数万人とみられる。
 難民の半数以上は18歳未満。だが、帰還を前提とするバングラデシュ政府は、小学校程度の教育しか認めない。やることがなく、犯罪に走る若者もおり、管理強化の一因になっている。
 「流入当初は保護の対象だった難民が、地域社会にとって負担になっている」と中坪さんは懸念する。
 難民は就労禁止だが、フェンスができてもキャンプ外に出て、安い賃金で農業や建設などの単純労働をするため、地元の貧困層の職を奪っている。日給の相場が500タカ(約700円)から300タカ(約400円)に下がったとの話もある。
 過密化し、周辺と軋轢が生じているキャンプ。バングラデシュ政府は対策として、ベンガル湾の離島バシャンチャールに住宅を建設し、難民を移住させる事業を20年12月に始めた。計10万人を移す計画で、今年6月末時点で約2万7000人が島に渡っている。
 国連は、移住が自主的になされるとの前提のもと、島での人道支援を実施している。日本政府も1月、国連の活動に政府開発援助(ODA)で200万ドル(約2億7000万円)を拠出すると発表した。ただ、島からの脱出者が相次いでおり、自主的な移住か疑問が残る。
◆国軍クーデターが帰還阻む
 アウンサンスーチー政権下のミャンマーは17年11月、バングラデシュと難民の帰還で合意している。だが、ミャンマーでの安全への不安から希望者が現れず、帰還が進まぬまま、昨年2月にミャンマー国軍のクーデターが起きた。
 帰還を巡る両国間の協議は中断していたが、実権を握った国軍は今年に入り再開した。迫害の張本人の国軍に、やる気はあるのか。
 今月、バングラデシュを訪れ、政府関係者らと話した立教大の日下部尚徳准教授(南アジア地域研究)によると、ミャンマー側は帰還対象候補に、イスラム教徒のロヒンギャではなく、混乱の中で一緒に逃れたヒンドゥー教徒ら約400人を提示しているという。
 日下部さんは「本格的な難民帰還にはつながらない。国軍が帰還事業を利用し、『多民族共生を目指している』と世界にアピールして、統治の正当性を高めようとする可能性がある」と取り繕いに注意を促す。
 クーデター後も、国軍のミンアウンフライン総司令官はロヒンギャを民族として認めない姿勢を明示している。日下部さんは「ミャンマーが民主化しない限り、ロヒンギャ問題は解決しない」と強調する。
 バングラデシュにいるロヒンギャ男性(30)も「国軍の支配下で、国籍と尊厳を得られないミャンマーには戻らない」と力を込める。
 クーデター後、民主派が国軍に対抗して樹立した「挙国一致政府(NUG)」は昨年6月、ロヒンギャに国籍を与えるとの声明を出した。ただ、武力に任せて抵抗を弾圧する国軍の支配をNUGは崩せていない。
◆解決に向け日本は仲介を
 恵泉女学園大の大橋正明名誉教授(国際開発学)は「ミャンマーの本格的な社会変化が見通せない中で、ロヒンギャが帰還できず、ビハール人と同じ道を歩む恐れがある」とみる。ビハール人は1940年代、英国からの独立を巡る混乱期に、インドからバングラデシュ地域に逃れた非ベンガル系のイスラム教徒。国籍を得て、徐々に社会に溶け込んだ。ただし、それには30年以上を要した。
 大橋さんは国際社会に息の長いロヒンギャ難民支援を求め、特に日本に注文する。「日本は経済支援などを通じ、バングラデシュとミャンマー両国に関わってきた。身近なアジアでの問題として、外務省や国際協力機構(JICA)に特別チームを設け、解決に向けた仲介役を担うべきだ」
  ◇
 AARと上智大アジア文化研究所は8月20日、ジャーナリスト堀潤さんをファシリテーターに招き、オンラインのトークセッション「ロヒンギャ難民を忘れない」を開く。参加無料。問い合わせは同会=電03(5423)4511
◆デスクメモ
 ロヒンギャ難民、アフガニスタン戦禍、そして自民党と旧統一教会。くしくも本日の「こちら特報部」記事は、いずれも、宗教が大きく影響したことがらばかりだ。本来は人々に平和と安寧をもたらすはずの教えが、なぜこのような苦しみや疑念を呼ぶのか。そう問わずにいられない。(歩)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/191500

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「カムイルミナ」がクールジャパン・マッチング賞 阿寒湖のデジタルアートと森散策 魅力発信の取り組み評価

2022-07-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/23 09:03 更新

阿寒湖温泉で開催されているカムイルミナ=6月20日(小川正成撮影)
 【阿寒湖温泉】阿寒湖(釧路市阿寒町)の夜の森を、アイヌ民族の伝承に基づく映像で彩り、散策を楽しむイベント「阿寒湖の森ナイトウォーク カムイルミナ」が、「クールジャパン・マッチングアワード2022」のマッチング賞を受賞した。
 同アワードは内閣府や業界団体などでつくる「クールジャパン官民連携プラットフォーム」が、2017年から実施。異業種が連携して日本の魅力を海外や訪日客らに伝える取り組みを表彰している。
 今年は九つの取り組みを表彰した。カムイルミナは、阿寒摩周国立公園内でデジタルアートと、アドベンチャーツーリズムを組み合わせた取り組みが、集客を目指す他の国立公園にとって参考事例になると評価。
 東京都内で14日、表彰式があり、運営する阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社の大西雅之社長が賞状を受け取った。大西社長は「これからもアイヌ文化をテーマとしたデジタルアートと自然体験を通じた観光を推進していきたい」と話した。カムイルミナは11月19日まで開催している。(松井崇)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/709230

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アイヌ民族に思いはせ撮影 札幌・開拓の村で映画「カムイのうた」ロケ

2022-07-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/23 05:00

北海道開拓の村で行われた映画「カムイのうた」の撮影=22日
 明治・大正期のアイヌ文化伝承者、知里幸恵の生涯を描く映画「カムイのうた」の撮影が、札幌市厚別区の北海道開拓の村で22日まで行われた。同区の中学、高校に通った菅原浩志監督(67)は、故郷で初めてという撮影に「縁を感じる」と語った。
 映画は上川管内東川町が企画、製作。道内各地で撮影しており、開拓の村では7日のクランクイン以降、計5日間行われた。22日は、小樽から移築した築100年超の旧青山家漁家住宅で、アイヌ民族が和人による強制労働に苦しんだ明治初期のシーンを撮影。当時のアイヌ民族に思いをはせながら演じるよう指示が飛ぶなど、緊張感が漂った。
 菅原監督は「貴重な建物が保存されている開拓の村は、この映画に欠かせない場所。必要な時に雨が降るなど天候にも恵まれ、撮影は順調」と話した。
 石狩管内では、石狩市でも来年1~2月に撮影を行う予定。映画は来年秋までの完成を目指す。(和賀豊)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/709185

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<ウポポイ オルシペ>44 樺太での知里真志保 専門家との調査、熱心に

2022-07-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞07/23 05:00

調査から辞典編さんまでの流れを紹介する展示
 言語学者の知里真志保による「分類アイヌ語辞典」は、アイヌ語・アイヌ文化に関する研究や学習には欠かせない書物です。
 「植物篇(へん)」「動物篇」「人間篇」の3巻が刊行されており、それぞれ植物、動物、身体に関連する語彙(ごい)について、語の構成や採録された地域、ときには関連する文化的な情報までも盛り込んで掲載されています。これらの語彙について、各地の情報をこれだけ網羅的に扱ったアイヌ語辞典は他にありません。
 登別で生まれ育った知里は、東京で学生時代を過ごした後、女学校教員として就職するため、1940年(昭和15年)に樺太へと渡りました。そこで樺太庁博物館の嘱託技術員を兼任し、さまざまな分野の専門家と出会い、共同研究を行いました。教員時代の校長で植物学者でもある福山惟吉(これきち)とは、現地の白浜での調査をもとに植物に関連するアイヌ語の報告を43年(同18年)に共著で発表しています。これはのちに刊行される「分類アイヌ語辞典」の植物篇の土台にもなりました。
 当時の調査ノートをみると、調査で聞き取った内容がその後の報告や植物篇に反映されていることがわかります。また、医師の和田文治郎とは、身体に関連するアイヌ語の報告を同年に共著で発表し、これはのちの人間篇へとつながっていきます。
 国立アイヌ民族博物館で開かれている特別展示「CHIRI MASHIHO 知里真志保―アイヌ語研究にかけた熱意―」(8月21日まで)の第3章では、調査から辞典編さんまでの流れを、調査時のノートや論考、辞典の原稿などの展示を通して紹介しています。(文・小林美紀=国立アイヌ民族博物館研究員、写真・赤田昌倫=国立アイヌ民族博物館研究員)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/709140

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