北海道新聞07/15 05:00

オーストラリアの博物館が保管しているアイヌ民族の遺骨を巡り、これまで判明していた3体に加え、新たに1体が見つかったことが分かった。オーストラリア側は返還を希望しており、日本政府との間で時期や方法を調整する。また、夕張市石炭博物館にアイヌ民族の遺骨1体が保管されていることも判明した。政府が14日、岸田文雄政権下で初めて開いたアイヌ政策推進会議で報告した。
報告によると、オーストラリアで見つかったのは、1921年(大正10年)に岩内郡前田村(現後志管内共和町)で発見された身元不明の遺体の頭骨。30年に東大教授が寄贈した。ビクトリア州立の各博物館を統括する「ミュージアム・ビクトリア」が保管し昨秋、同国側から日本政府に連絡があったという。
オーストラリアの博物館は先住民族アボリジニの遺骨と交換する形で、東大からアイヌ民族の遺骨の提供を受けたとされる。他に現地の2博物館に3体の遺骨が保管されており、いずれも身元は不明。国は胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設などへの返還を検討する。
アイヌ民族の遺骨については2016年以降、研究目的で海外に渡ったものが次々と判明し、翌17年にはドイツから1体が返還された。他の遺骨も、政府が外交ルートを通じて返還に向けた調整を進めている。
夕張市石炭博物館での遺骨は、国の再調査で判明。大学以外の博物館などで保管する遺骨は、同館含め18施設で計136体、8箱となった。政府は14日の会議で、各博物館に対し、原則アイヌ側に返還するよう求める指針を提示した。具体的な手続きを進めるよう近く通知する。(竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/705901

オーストラリアの博物館が保管しているアイヌ民族の遺骨を巡り、これまで判明していた3体に加え、新たに1体が見つかったことが分かった。オーストラリア側は返還を希望しており、日本政府との間で時期や方法を調整する。また、夕張市石炭博物館にアイヌ民族の遺骨1体が保管されていることも判明した。政府が14日、岸田文雄政権下で初めて開いたアイヌ政策推進会議で報告した。
報告によると、オーストラリアで見つかったのは、1921年(大正10年)に岩内郡前田村(現後志管内共和町)で発見された身元不明の遺体の頭骨。30年に東大教授が寄贈した。ビクトリア州立の各博物館を統括する「ミュージアム・ビクトリア」が保管し昨秋、同国側から日本政府に連絡があったという。
オーストラリアの博物館は先住民族アボリジニの遺骨と交換する形で、東大からアイヌ民族の遺骨の提供を受けたとされる。他に現地の2博物館に3体の遺骨が保管されており、いずれも身元は不明。国は胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設などへの返還を検討する。
アイヌ民族の遺骨については2016年以降、研究目的で海外に渡ったものが次々と判明し、翌17年にはドイツから1体が返還された。他の遺骨も、政府が外交ルートを通じて返還に向けた調整を進めている。
夕張市石炭博物館での遺骨は、国の再調査で判明。大学以外の博物館などで保管する遺骨は、同館含め18施設で計136体、8箱となった。政府は14日の会議で、各博物館に対し、原則アイヌ側に返還するよう求める指針を提示した。具体的な手続きを進めるよう近く通知する。(竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/705901