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一通の手紙で暗闇に光りを 明石でライティングマラソン 2日

2018-12-02 | 先住民族関連
神戸新聞NEXT2018/12/1 05:30
 一通の手紙で、自由が脅かされている人を助けたい--。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の西神戸グループが2日、兵庫県明石市東仲ノ町のアスピア明石8階「ウィズあかし」で、「ライティングマラソン2018」を開く。信念に基づく行動で投獄されている人や、人権を軽視している政府に、世界の人と連携して手紙を届ける。手紙は大きな力となり、4割のケースで改善につながっているという。
 アムネスティは世界最大の国際人権NGO。1977年にはノーベル平和賞を受けている。
 ライティングマラソンは、12月10日の「世界人権デー」に合わせ、世界各地で一斉に行うイベント。昨年は550万通、日本からは約1万通のメッセージを被害者や政府に届けた。
 国内では今年、20カ所以上で実施する。その一つが明石だ。
     ◇
 今回、支援に取り組むのは8人と1先住民族。
 アムネスティによると、南アフリカのノンサ・ムツマさんは、チタン採掘を計画する鉱山会社から先祖伝来の土地を守るため、住民の先頭に立つ。だが、2年前に別の住民リーダーが射殺され、ノンサさんも脅迫を受けている。ノンサさんに励ましの手紙を送り、南アフリカ大統領にノンサさんの保護を求める。
 イランのアテナ・ダエミさんは、死刑制度に反対する意見を会員制交流サイト(SNS)で投稿するなどし、国家安全保障に対する罪で実刑7年の判決を受け、収監されている。
 ケニアのセングウェル先住民は「保護」を理由に政府に土地を追われ、女性たちを中心に抵抗する動きが出ているという。
 ブラジルの人権活動家マリエール・フランコさんは今年3月、何者かに銃撃され死亡した。家族に励ましの手紙を届け、政府に徹底した捜査を求める。
 ウクライナのヴィタリナ・コヴァルさんは性差別に反対し、極右グループから暴力を受けた。
 キルギスでは、モロッコでは……。
     ◇
 アムネスティ西神戸グループは今年、結成から30年になる。会員は現在、約20人。人権講演会の開催などに取り組む。
 呼び掛け人の平石いづみさん(66)=明石市=は30代の頃、死刑囚のえん罪事件をニュースで知り、死刑廃止に取り組むアムネスティに加わった。昨年のライティングマラソンでは明石から200通の手紙を送った。
 その中の一人がトルコの人権活動家、タネル・キリさん。
 開催したパソコン講習会がテロリストとの関係を疑われ、逮捕されたという。今年4月、身柄を拘束されているタネルさんから西神戸グループにお礼の手紙が届いた。
 「あなたたちの手紙によって状況が良くなった。人権を守るには市民の連帯が大事。私は大丈夫です」。タネルさんは今夏、自由の身になった。
 平石さんは話す。
 「世界が注目しているというメッセージを送れば、人権軽視の政府も無視できない。小さな力を集めたい。立ち寄って、1通でも書いてほしい。空いている5分でいいんです」
     ◇
 午後1~6時。無料。申し込み不要。切手代実費(航空便はがき1通70円)。会場では、英語や現地の言葉による文章の例を用意。本人や家族への支援、政府への要望など複数のサンプルがある。署名だけの参加も可。(木村信行)
https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201812/0011865979.shtml
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