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国立アイヌ民族博物館、1年後完成へ向け着々【白老】

2018-12-02 | アイヌ民族関連
室蘭民報2018.12.01
 国が白老に整備中の民族共生象徴空間(象徴空間)。今年2月に着工した国立アイヌ民族博物館は、高さ約20メートルの躯体(くたい)が立ち上がり、直近の進捗(しんちょく)率は44%、来年11月末の完成を目指している。一般公開は2020年4月24日。慰霊施設は、慰霊行事を行う施設が今年3月にほぼ完成し、現在「墓所」となる建物の工事が進められており、来年秋の完成を目指している。
 象徴空間の核施設で東北以北初の国立博物館となる同博物館は地上3階、延べ床面積8600平方メートル、横幅約130メートル、高さ約20メートル、奥行き約40メートル。文化庁の担当者は「9月に白老で震度5弱を観測したが、現場は被害もなく今のところ順調に進んでいる」と話している。

ほぼ完成した慰霊行事施設(右)と建設が進む「墓所」となる建物
 慰霊施設は、約30メートルのモニュメントが今年3月に完成。国土交通省北海道開発局によると、「墓所」となる建物には全国の大学に保管されているアイヌの人々の遺骨を集約し、受け入れ態勢が整うまで適切な管理を行う。
 民族共生公園には四つの建物が立つ。同局によると、レストラン、物販施設、ガイダンスルーム、案内所などを設置するエントランス棟は基礎コンクリートの打設中。来年2月ごろに鉄骨が立ち上がってくる。500人から600人を収容できる体験交流ホール(2階建て)は、今年9月に着工、来年3月までに基礎工事、1階床までの躯体工事を完了させ、翌4月から鉄骨工事が始まる。来年12月に竣工(しゅんこう)予定。
 修学旅行など団体客を対象にする体験学習館は、基礎工事が終わり、間もなく上屋工事に取り掛かる。来年1月中旬ぐらいに外形が見えてくるという。木彫りや刺しゅう、織物などが体験可能な木造の工房は、現在基礎工事を行っており、同じく来年1月中旬ぐらいに外形が見えてくる。
 12月11日には白老、室蘭、札幌で開設500日前カウントダウンイベントが行われ、象徴空間の愛称、ロゴマークが発表される。
 白老町議会の民族共生象徴空間整備促進・活性化に関する調査特別委員会(小西秀延委員長)は11月30日、JR白老駅周辺整備、象徴空間の運営主体となるアイヌ民族文化財団白老事務所(旧社台小)や、国が進める国立アイヌ民族博物館などを視察した。道担当者は踏切があるポロト線について、現状1・5メートルの歩道を4・5メートルに拡幅することを明らかにした。
 全議員14人が参加。小西委員長は「工事は国、道、町の関係がいろいろと進んでいる。視察を通して今後の特別委員会の活動に役立てたいと開催した」とあいさつした。
 道、白老町、JR北海道の3者が周辺整備を実施する白老駅では、道の担当者が駅前広場拡張整備と道道整備、町担当者が自由通路整備などについて説明した。このなかで道担当者は昨年7月に象徴空間へのアクセス道路として町道から道道昇格した公園通、ポロト線、中央通について「バリアフリーの目的を持った整備を行う。セイコーマートからSLがあるところまで約1・3キロは車道を補修し、照明を更新します」と説明。町担当者は「現在は自由通路下部工事の支障となるJRの通信ケーブル類の移転が完了し、基礎部分の杭(くい)工事が施工されている。来年度は昇降棟工事を実施します」と述べた。
 旧社台小の同白老事務所では、村木美幸本部長代理から象徴空間開設に向けた準備状況、国土交通省北海道開発局の担当者からは象徴空間へのアクセス改善などを目的に進められている国道36号苫小牧市樽前―白老町社台(延長4・8キロ)の拡幅工事状況の説明を受けた。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/8933
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