北海道新聞2024年9月12日 22:30(9月13日 0:47更新)
自民党本部で12日に開かれた総裁選の所見発表演説会で、北海道に関わる北方領土問題やアイヌ民族政策に触れた候補はなく、関係者から落胆の声や注文が相次いだ。
「領土問題は重要なのに、とても残念。票にならないなら話さない、ということだろう」。歯舞群島多楽島出身の福沢繁さん(80)=札幌市北区=は肩を落とした。
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一方、日高管内新ひだか町でアイヌの文化伝承や権利回復に長年取り組む葛野次雄(くずのつぎお)さん(70)は「最初から期待していない」。アイヌ差別は解消されず、政策の効果も実感しておらず、「岸田政権下では何も改善されなかった」と語る。新総裁には「交付金などの経済支援だけでなく、権利回復に真剣に向き合って」と注文を付けた。