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アイヌ芸術埋もれさせない 釧路なつかし館・中野さん、白糠で展示

2022-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/21 23:49

故滝口政満さんらの木彫りが並ぶ会場
 【白糠】釧路市内で私設博物館を運営する中野吉次さん(77)が収集したアイヌ工芸品約40点が並ぶ「釧路なつかし館 アイヌ文化展」が、町内東3のアイヌ文化拠点施設ウレシパチセで開かれている。阿寒湖アイヌコタン=釧路市=を拠点に活動したアイヌ芸術の彫刻家、故滝口政満さんや故藤戸竹喜さんの作品もある。管内の高齢者宅の物置や古物店などで忘れ去られたように置かれていた作品も多く、中野さんは「埋もれかけた名作を見て」と呼び掛ける。
 滝口さんの木彫り「子熊と遊ぶ少女」は、全長2・3メートル。アイヌ民族の少女が子熊と戯れる姿が彫られ、サインもある。
 妻のユリ子さん(81)によると、滝口さんがアイヌコタンで創作活動を始めて間もない1960年代後半の作品で、少女はユリ子さんがモデル。滝口さんは、原木を材料にダイナミックな熊の木彫りを作っていた藤戸さんに憧れており、「あんな大作を作りたい」と初めて原木で手がけた。作品を飾っていた弟子屈町内のホテルが十数年前に廃業し、作品の行方は分からなくなっていたという。
 中野さんは滝口さんの20年来の友人で、今春、管内の古物店で作者不詳で販売されていたのを見つけ、入手した。
 道立近代美術館(札幌市)の五十嵐聡美学芸部長は「滝口さんの晩年の作品は表面の細かな刻みが特徴的だが、それがなくて若さが感じられる。女性像をテーマにした滝口さんの記念碑的な作品」と言う。
 藤戸さんの初期の作品とみられる丸木舟をこぐ子熊の木彫りやレリーフもある。レリーフは縦50センチ、横3メートル。サケを捕まえたり、ヤマブドウを食べたりするクマ10頭の姿が躍動的に表現されている。
 作者不詳のマキリ(小刀)、アットゥシ(樹皮衣)なども並ぶ。25日まで。入場無料。(佐竹直子)
◇「アットゥシ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/778855/

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<師走点描2022>余市「運上家」守り続ける煙 くん蒸始まる

2022-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/21 22:18 更新
 【余市】町文化財の冬支度は毎年、国指定史跡で重要文化財の「旧下ヨイチ運上家」の建物内部でまきを燃やし、煙でいぶす「くん蒸」から始まる。作業した19日から21日までの3日間は風も強くなく、くん蒸には最適な環境だった。

真っ白い煙が立ちこめる運上家の建物内。文化財を守るためくん蒸を行う職員は、マスクとゴーグルで煙から目と喉を守る
 くん蒸は殺虫や殺菌、防かびが目的。煙が板ぶきの屋根の隙間から逃げないよう、雪が屋根を覆わないと行えない。町教委の中塚凪沙学芸員は「屋根にはしっかりと雪が積もり、今年は完璧なくん蒸ができそう」と喜んだ。
 午前10時から6時間、職員6人が2人ずつ30分交代で二つの炉に火をくべた。炎に水をかけると白い煙が立ちこめる。年明けになり、軒下のつららが黄ばんでいれば、建物が完全にくん蒸された証しだという。
 木造2階建ての「運上家」は、江戸時代に松前藩が行っていたアイヌ民族との交易を請け負った商人の経営拠点。1853年(嘉永6年)に建てられた当時の図面を基に、1980年に復元された。(松嶋加奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/778783/

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切り絵でアイヌ文様 長万部の体験会に15人

2022-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/21 20:53

ToyToyさんの指導でアイヌ文様の切り絵に挑戦する参加者たち
 【長万部】アイヌ文様の切り絵体験会が町学習文化センターで開かれた。町内外から15人が参加。思い思いの色紙を選んで、繊細な文様に挑戦した。
 町主催。地元のアイヌ民族の文化について学ぶ講座として本年度から始めた「エカシケンル」の第2弾で、11日に開かれた。
 アイヌ文様切り絵作家のToyToy(トイトイ)=本名・小川基=さんが講師を務め、モレウ(渦巻き)やシク(目)、アイウシ(とげ)を組み合わせた文様について説明した。参加者は三角形に折った色紙に鉛筆で文様を下書きしてから、はさみで慎重に切り取った。台紙に貼ると、左右対称の繊細な文様が浮かび上がった。
 仁木陽君(長万部小3年)は父一好さん(35)と共に挑戦。「アイヌ文様が好きで参加した。小さな部分を切るのが難しかった」と話し、完成した作品に満足そうだった。
 参加者の作品は28日まで、同センターのロビーに展示されている。(水島久美)
※「シク」の「ク」、「アイウシ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/778740/

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標津遺跡群の映像コンテスト特別表彰23日から公開

2022-12-22 | アイヌ民族関連
NHK12月21日 20時17分

標津町の「標津遺跡群」を紹介する映像が映像コンテストで特別表彰を受賞し、23日から動画投稿サイト「YouTube」で公開されることになりました。
23日から公開されるのは短編映像のコンテストで特別表彰を受賞した「標津遺跡群」の映像です。
16の遺跡からなる「標津遺跡群」はあわせて4400の竪穴住居跡が確認され、その数は国内最大規模となっています。
縄文時代から擦文・オホーツク文化期を経てアイヌ文化期までおよそ1万年もの間、人々の生活が営まれていました。
ここで生まれた文化が道東へと広がり、アイヌ文化に影響を与えたと考えられていて、映像ではこうした文化の変遷などが紹介されています。
標津町ポー川史跡自然公園の小野哲也学芸員は「一般の方への分かりやすさを念頭に制作したので、遺跡が持つ価値への理解を深めていただけたら」と話しています。
YouTubeでの公開は1月13日までです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221221/7000053595.html

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野田秀樹演出の“文化サーカス”「東京キャラバン the 2nd」が池袋で開催!前田敦子ら表現者が集結

2022-12-22 | アイヌ民族関連
東京ウォーカー2022年12月21日
2022年12月16日、池袋西口公園野外劇場グローバルリング シアターにて、野田秀樹(劇作家・演出家・役者)が演出を務める文化サーカス「東京キャラバン the 2nd」の公開プレビューが開催された。
本番は12月16日の1回と、12月17日13時・16時30分の2回(計3回)開催された同公演(※観覧無料、事前申込+当日席)。好評を博した静岡開催を経て、東京で行われることとなった。

「観ている人が明るい気持ちになって、なにかやってみようという気持ちになってもらえると思う」と前田
多彩な表現者たちによる“文化”サーカス
公演には、不思議の国のアリスなどに扮する女優の前田敦子や、ミュージシャンの浅草ジンタをはじめ、ダブルダッチ、人形劇、琉球舞踊、アイヌ古式舞踊、伝統文化、現代美術など、古今東西、多彩なジャンルの表現者たちが集結。ここだけでしか見ることのできないパフォーマンスを繰り広げていく。
野田は、「東京キャラバンは『人の温もり』を取り戻す文化サーカス。目の前に繰り広げられるアートの偉業を、空中ブランコでも見るように楽しみながら『触れ合う』のは心。心が触れ合うことだけは、誰も止められない」とコメント。
「突然街に出没するサーカスで、見どころは満載。夢のようなものが始まってから終わるまでガーッと続いている。素晴らしいパフォーマンスが流れるように続いています」と内容を説明すると共に、「バランスよく調和が取れている景色だけがおもしろいわけではなく、こうした池袋の街の中で日本舞踊が行われるバランスの悪さもまたいいのではないでしょうか。ガチャガチャした中で、悠久を感じさせる琉球舞踊が披露されたり。(道を)通っていく人がどんどん観てくれればいいんですけど」と、見どころを紹介した。
また、公開プレビューを終えて、前田は「平日のお昼でお子さま連れのお母さまもたくさんいらしていて、微笑ましいなと思いました。みんなで盛り上がって観ていただける場所でいいなと思う」とにっこり。「来年も再来年も当たり前に続くものになってほしい。観ている人が明るい気持ちになって、『なにかやってみよう』という気持ちになってもらえると思うし、そういう場所であってほしいと思います」と、今後の公演にも期待を寄せていた。
https://www.walkerplus.com/article/1116666/

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春、フィリピンで途上国支援を学ぶ:スタディツアー2023inフィリピン~子どもとふれあい、国際協力について考える1週間~参加者募集 2023年3月29日出発

2022-12-22 | 先住民族関連

認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン2022年12月21日 10時07分
認定NPO法⼈フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(所在地:東京都世⽥⾕区南烏⼭6-6-5-3F、代表:中島早苗)は、当団体のフィリピン支援地域を訪れる中学生以上を対象とした1週間のスタディツアーを2023年3月に開催いたします(中学生未満は保護者の同行により参加可)。1999年より20年以上にわたり継続的な支援を行なっている当団体ならではのネットワークにより、先住民の村でのホームステイや、同国でも特に困難な生活を強いられている人々が暮らすスラム地域などを訪れ、現地の子どもたちとの交流を通して、世界の成り立ちや途上国における貧困の構造、支援の在り方について学び、考えます。2023年1月1月1日までの申込みで3000円の早割を実施。12月26日(月)19:00よりオンラインによる事前説明会を開催します。
詳細・お申込みはこちら
https://ftcj.org/we-movement/changemaker/studytour

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは団体が設立された1999年からフィリピンの現地NGOとパートナーを組み、性産業で働かされる子どもの救出や自立支援、ストリートチルドレンや先住民族の子どもへの教育支援、災害を受けた村での学校建設や住民の収入向上支援、フェアトレードなど、困難な暮らしを送る人々が自分の力で貧困から抜け出すことを支える様々な支援活動に取り組んできました。
そんな支援地を訪れる、フリー・ザ・チルドレンの海外スタディツアーがこの春3年ぶりに再開いたします。フリー・ザ・チルドレンのスタディツアーは、フィリピンをはじめ、ケニアやインドなどの支援地で、1999年の設立以来、約300名の子どもたちが参加してきました。
フィリピンを訪れる本スタディツアーは、支援している子どもたちや現地NGO、フェアトレード生産者と出会える貴重な旅となっています。ホームステイを通じた子どもや村人との交流や歴史的地域の観光など、充実の7日間です。子どもたちの未来をつくる、忘れられない旅となります。
行程
3/29日本出発→マニラ→オロンガポ市到着
3/30先住民族のコミュニティ訪問、ホームステイ
3/31刑務所から救出された子どもたちとの交流
4/1性産業から救出された子どもの施設訪問、交流
4/2マニラへ移動、歴史的地域の観光
4/3スラム地域訪問・交流
4/4マニラ発→帰国
宿泊
Tropicana Suites Residence Hotel(マニラ)とプレダ基金内ゲストハウス(オロンガポ)に宿泊。トイレ、シャワー完備の衛生的で安全な施設です。現地の生活を体験できるホームステイも実施。ホームステイは2人または3人1組で宿泊します。スタッフも同じ地域に宿泊します。
食事
滞在先の宿泊施設は食堂を完備し、衛生面には細心の注意を払って調理しており、栄養バランスの考えられた食事を提供します。レストランに行く場合は、衛生的に問題がないとみなされるレストランを厳選しご案内しています。水は、水筒をご持参いただき、プログラム中はミネラルウォーターを提供します。
参加者の声
「ツアーは驚きの連続と同時にとても刺激的な経験になりました。現地の人は温かくとてもフレンドリーでした。ただこのような人々がみな安全で安定した暮らしをおくることができていないのは明確で、どうすればもっと安心して毎日を過ごせるのだろうと何回も考えさせられました。ツアー中にその答えは出なかったし、帰国した今もまだその答えを見つけることはできていませんが、そうやって必死に解決策を探せるような種を見つけることができたことが大きな収穫で、これからもっと深く考えていけたらいいなと思います」
「国際協力に興味があり、ボランティアをやってみたいなと思っていましたが、部活が忙しいので、短期で中高生でも参加できるボランティアを探して、このツアーを知りました。参加する前は貧しい人や辛い過去がある人は暗くてネガティブだと思っていましたが、今回フィリピンではみんな明るく元気で積極的に交流してくれました。ツアーでは、友達もできました。こんなにも自分の想いを素直に伝えられて相手の思いも受け止められる友達に出会ったのは初めてです。このツアーではフィリピンで過ごす中でたくさんの発見と多くの出会いがありました。一生忘れられない1週間になったと思います」
オンライン事前説明会開催
訪問地の詳細や当団体の概要などをお伝えする事前説明会を開催いたします。
これまでのツアーや当団体の活動について詳細に知ることができますので、お申込み前にぜひご参加ください。
第1回 12月26日(月)19:00-20:00
第2回 1月24日(火)18:00-19:00
場所:オンライン(zoom)
参加費:無料
お申込み:https://ws.formzu.net/dist/S91531782/
 お 申し込みの流れ
ステップ1.資料請求
詳しい旅行条件を説明した書面をお送りいたします。まずは資料請求をお願いいたします。
フリー・ザ・チルドレンのWEBサイト
https://ftcj.org/we-movement/changemaker/studytour
または、株式会社オルタナティブツアーまでお電話(TEL:06-6409-4333)にて承ります。
ステップ2.資料到着・お申込み
株式会社オルタナティブツアーより、詳しい資料・お申込み用紙が届きます。ご確認の上、お申込みください。
ステップ3.事前学習会(開催予定)
ツアーに一緒に参加される方々との交流や渡航先について学ぶ事前学習会を実施します。 不安なことや相談したいことなどを一緒に行くスタッフに直接聞くことができます。 詳細はお申込みいただいた方へメールでご連絡いたします。
ステップ4.当日
事前に案内する集合場所でお待ちしています!忘れ物などないよう、お気をつけてお越しくださいませ。
  募集要項
【旅行日程】2023/3/29(水)~4/4(火) 6泊7日 成田発着※他空港発着希望の方はお問い合わせください。
【訪問地域】フィリピン(マニラ/オロンガポ)
【旅行代金】223,000円 (2022年12月現在。価格は変動する場合がございます。)
※旅行代金に含まれない費用: 燃油特別付加運賃・航空保険料・ 成田空港使用料・現地空港税:合計31,020円(2022年12月現在。価格は変動する場合がございます。) 海外旅行保険料、WEG代金(15歳未満)。※ホテル1人部屋をご希望の方は追加料金がかかります、ご相談下さい。
【添 乗 員】同行しません。成田空港からフリー・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフが同行します。
【参加条件】中学生以上 *親子での参加大歓迎!中学生未満はご家族のどなたかとご一緒であれば参加できます。
①フリー・ザ・チルドレン・ジャパンが指定する海外旅行保険にオルタナティブツアーで加入すること。
②FTCJのメンバー登録をしていただけること。(登録は無料です)
 ※15歳未満の参加者はWEGの申請が必要です。20歳未満の方は、親権者同意書を提出ください。
【募集人数】15名(最少催行人員:9名)
【申込期限】第1次締切:2023年1月24日(火)、最終締切:2月14日(火)
※コロナ禍の影響により航空券の確保が厳しくなっており、1月24日までに9名以上の申込がない場合はツアーは中止となります。お早めにお申込みください。
お問い合わせ
◆プログラム内容:認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン info@ftcj.org / 03-6321-8948
◆申込方法・旅行条件・キャンセルなど:株式会社オルタナティブツアー kanaya@alternative-tour.jp /06-6409-4333
 株式会社オルタナティブツアー エア―ワールド(株)代理店/日本旅行業協会(JATA)正会員 兵庫県知事登録旅行代理店 第170号(総合旅行業務取扱管理者
岩井洋文) 〒660-0084 尼崎市武庫川町4-27-1 TEL 06-6409-4333 FAX06-7635-8703
旅行企画実施 / プログラム提供
旅行企画実施:エアーワールド(株)大阪市中央区内本町2-2-14-207号 観光庁長官登録旅行業第961号 日本旅行業協会(JATA)会員
プログラム提供:認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン
ホームページ:https://ftcj.org/
1995年、貧困や搾取から⼦どもを解放することを目的に、カナダのクレイグ・キールバーガー(当時12歳)によって設立された、「Free The Children」のパートナー団体として1999年に日本で活動を始めました。開発途上国での国際協力活動と並行し、日本の子どもや若者が国内外の問題に取り組み、変化を起こす「チェンジメーカー」になれるよう援助しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000035268.html

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ニューヨークのコト、どれくらい知ってる?場所や街の特徴、歴史を現地在住日本人が解説!

2022-12-22 | 先住民族関連
地球の歩き方2022年12月21日青山 沙羅
アメリカ最大の都市、ニューヨーク。地名を耳にしたことがあっても、具体的にアメリカのどこにあるのか、何が有名なのか、知らない方も多いかもしれません。そこで、今さら聞けない「ニューヨークってどんな街?」について、ニューヨーク市在住の日本人がわかりやすくご説明します。
ニューヨークって、どこにある?
ニューヨークというと、観光スポットのタイムズスクエアやブロードウェイ、エンパイア・ステート・ビルなどをイメージする方が多いでしょう。これらは、ニューヨーク州ニューヨーク市の5つの行政区のうちのひとつ、マンハッタン区の中にあります。
そのニューヨーク州はどこにあるかというと、上の画像の赤い州で、アメリカの東海岸に位置しています。北はカナダ、東はニューハンプシャー州とマサチューセッツ州、バーモント州など、南はペンシルバニア州やニュージャージー州に隣接しています。
ニューヨーク市にはジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)があります。日本の成田空港または羽田空港からは直行便が出ており、約13時間で着くことができます。
こちらの記事では、ニューヨーク=ニューヨーク市として説明していきます。
何が有名?
ニューヨークの有名なスポットをいくつか挙げてみました。聞いたことがある場所はいくつあるでしょうか。思っているより、知っている場所があるかもしれませんね。
自由の女神
タイムズスクエア
ブロードウェイ(ミュージカル)
摩天楼(高層ビル群)
エンパイア・ステート・ビル
ワールド・トレード・センター
ウォール・ストリート(世界の経済における中心地)
5番街(高級ブランドのショッピング)
ロックフェラー・センター
カーネギー・ホール
リンカーン・センター
ジュリアード音楽院
メトロポリタン美術館
セントラルパーク
ヤンキースタジアム
マディソン・スクエア・ガーデン
コロンビア大学
ニューヨーク大学
国連本部
ニューヨークの歴史

もともとはアメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)が住んでいた緑が豊かに茂るマンハッタン島(ニューヨーク市)を、17世紀(1609年)にオランダの「東インド会社」に雇われたイギリスの探検家ヘンリー・ハドソンが偶然発見しました。マンハッタンの語源は、アメリカ先住民レナペ族の言葉で「多くの丘がある島」の意味を持つ「マンナハッタ(Mannahatta)」であると言われています。
ヘンリー・ハドソンがたどり着いたマンハッタン島の西側を流れる川は、ハドソン・リバー(Hudson River)と名付けられ、オランダ人が入植し、開拓されていきました。1626年、オランダ人は土地を所有するという概念がなかったアメリカ先住民から、60ギルダー(現在の24ドル相当)というタダ同然の価格でマンハッタン島を買い取った(だまし取った)のです。
その後、オランダ領として「ニューアムステルダム」(アムステルダムはオランダの首都)と呼ばれ、当時ヨーロッパで需要が高かったビーバーなどの毛皮貿易が栄えました。1664年にイギリスの占領下となり、今度はヨーク公の名前からとって「ニューヨーク」に改名。支配する国が異なっても、常に「ニュー」を冠せられたニューヨークは、新しい流れを受け入れる柔軟性がありました。
イギリスとの独立戦争を経て、1776年7月4日、アメリカはイギリスからの独立宣言を行い、1785年~1790年にはニューヨーク市がアメリカ合衆国の最初の首都になりました(現在の首都はワシントンD.C.)。ニューヨーク市は多くの移民を受け入れ続け、1886年にはフランスから「自由の女神」が贈られ、リバティ・アイランドに設置されました。
自由の女神については、以下の記事で詳しくまとめています。ぜひ、合わせてご覧ください。
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3000609/
人種や言語、気候、時差について
ニューヨークってどのくらい広い?
ニューヨーク市の大きさは約790平方キロメートル(305スクエアマイル)。
東京都は2194平方キロメートルなので、ニューヨーク市は約1/3の広さです。比べてみると意外と狭いことがわかります。
ニューヨークの人口は?
2020年のニューヨーク市国勢調査によると、人口は880万4190人です。
東京都の人口1398万8129人に対して、ニューヨーク市は約6割。ニューヨーク市は各国から人がやってきては去っていく街で、出入りが激しいことが特徴です。
また、ニューヨーク市では女性の人口が男性よりも40万人近く多いので、女性が恋人を見つける難易度が高い街とも言われています。
どんな人が住んでいるの?
ニューヨーク市の人種構成は以下のとおりです。
白人 30.9%
ラテン系(ヒスパニック)28.3%
アフリカ系 20.2%
アジア系 15.6%
その他 5%
(2020年ニューヨーク市国勢調査)
ニューヨーク市の人種構成は常に変動していて、現代の傾向としてラテン系、アジア系(主に中国人)が増加。反対に白人、アフリカ系、日本人は減少傾向にあります。
何語が話されているの?
ニューヨーク市では英語が共通言語となりますが、そのほかにも200以上の言語が話されています。スパニッシュ系、中国系の人口増加に伴い、スペイン語、中国語も多く使われています。
ニューヨークの気候は?
春(4月~5月)は短いですが、マグノリアやチューリップが一斉に花開き、優しい表情のニューヨークを見ることができます。ただし、4月はまだ寒く、冬の延長で雪が降ることもあります。
夏(6月~8月)は蒸し暑く、最高気温は34℃以上まで上がります。夜は20時半頃まで明るいので1日を目いっぱい使えます。
秋(9月~10月)は最も過ごしやすい季節で、気温は10℃~20℃くらいです。しかし10月に入ってしばらくすると気温が下がり、10月末になると夜には暖房を入れなければ過ごせないほど寒くなります。
冬(11月~3月または4月)は長く、雪が降り、最低気温はマイナス20℃近くまで下がることもあります。気温差が激しく、1日で20℃近く上下することもあるので、気温に合わせて脱ぎ着できる服装にしたほうがよいでしょう。
ニューヨークは、日本でいうと青森県とほぼ同じ緯度です。夏でも、地下鉄やバスなどの交通機関やレストラン内は冷房が強めに効いているので、薄手のウィンドブレーカーやカーディガン、ストールなどを携帯すると安心です。また、5月と11月は比較的雨が多いので、折り畳み傘を持っておくとよいでしょう。
日本とニューヨークの時差は?
日本とニューヨークの時差は14時間。サマータイム(夏時間。3月第2日曜日~11月第1日曜日まで)では13時間の時差です。日本の方が半日ほど早く進んでおり、昼夜が逆です。電話を利用する場合は時間帯に気をつけましょう。
交通機関は?
ニューヨーク市の代表的な交通機関は、地下鉄、バス、郊外電車(ロングアイランド、メトロノースほか)、フェリー(マンハッタン~スタテンアイランド間、ウォーターウェイほか)、Uber(配車アプリを使った個人タクシーサービス)、タクシーなど。
いずれも渋滞や遅延が日常茶飯事なので、ニューヨーク市で最も正確な交通手段は徒歩といえるでしょう。碁盤の目のようにわかりやすく区画整理されていますので、数ブロックの距離なら歩くことをおすすめします。ニューヨークでは足腰が鍛えられますよ。
まとめ
全米最大都市であるニューヨーク市は、世界中の民族が集まると言われ、多様な文化や異なる価値観を受け入れる柔軟性が大きな魅力といえます。ニューヨークへ旅行する際は、ありのままの自分を受け入れてくれる雰囲気を存分に味わってくださいね。お待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO:Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
参照
NYC GOV 2020 Census Results:
https://www1.nyc.gov/site/planning/planning-level/nyc-population/2020-census.page
ニューヨーク今昔物語 2009年9月号 ナショナル ジオグラフィック日本版:
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0909/feature04/
2020年ニューヨーク市国勢調査:
https://www1.nyc.gov/site/planning/planning-level/nyc-population/2020-census.page
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3000942/

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『アバター』のナビィ族はなぜ青い?監督の母親の夢に出てきた「女性」が大きく関係

2022-12-22 | 先住民族関連
フロントロウ2022-12-21
世界中でメガヒットを記録した映画『アバター』の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が公開。物語に欠かせないナヴィ族が青い理由をジェームズ・キャメロン監督が明かした。(フロントロウ編集部)
『アバター』のナヴィ族はなぜ青い?
 2009年に公開され、世界の歴代興行収入で1位を記録して映画界に金字塔を打ち立てたジェームズ・キャメロン監督の超大作『アバター』から13年を経て公開された続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、オープニング興収は135の国と地域で1位スタートを切った。
そんな『アバター』シリーズの話の核でもある、衛星パンドラの先住民であるナヴィ族は、美しい青色の体が特徴的。
 世の中には様々な色が溢れているものの、なぜナヴィ族は青色になったのか?その理由をジェームズ・キャメロン監督がEmpireに明かした。
 キャメロン監督は緑や黄色、ピンクといったカラーも視野に入れるも、それぞれ有名なキャラクターなどのイメージがあったため、使うのを避けたようで、「色に関しては、緑が取られました。緑のエイリアンの長い歴史があったんです。それに、ハルクもいますし。そして、人間の色であるピンクや茶色は、エイリアンっぽくない。スポンジボブは黄色だった。すると、青と紫が残っていますね。紫は僕の好きな色だけど、生物発光のメインカラーに使おうと思ってそうしたんです」と語った。
しかし、これだけがナヴィ族を青にした理由ではなかった。
母親の夢に出てきた女性をイメージ
 ナヴィ族を青にしたのは、母親の夢に出てきた女性も関係したよう。キャメロン監督は、母親からその女性の話を聞いたようで、「母が見た夢で、身長10フィート(3メートル)で胸が6つある青い女の人を見たそうです。クールなイメージですね。私は彼女を描いたのですが、胸が6つあるというのは聞こえほど良くは描けませんでした。さらに、映画の(年齢制限の)レーティングに影響を与えますからね。だから、とにかく、青にしたいんです」とも明かした。(フロントロウ編集部)
https://front-row.jp/_ct/17594786

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最新作は家族の愛の物語 大スクリーンで堪能『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

2022-12-22 | 先住民族関連
ラジトピ12/21(水) 12:00
 ジェームズ・キャメロン監督『アバター』の続編、映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が全国の劇場で公開中です。
 地球から遠く離れた神秘の星パンドラ。この星の先住民ナヴィと、パンドラの資源を求める人間が戦いました。戦争で負傷して車椅子生活となった元海兵隊員・ジェイクは、ナヴィと人間を合わせた肉体「アバター」を使って体の自由を取り戻し、ナヴィの女性戦士ネイティリと恋に落ちました─ ここまでが2009年に公開された前作の物語で、新作の舞台は10 年後です。
 ジェイクはネイティリと結ばれ、子どもができました。長男ネテヤムと次男ロアク、末っ子の娘トゥク、養女キリ、幼い頃パンドラに取り残された人間の子どもスパイダーを養子に迎え、家族として平和に暮らしています。
 ところが、スカイ・ピープルと呼ばれる地球人が再びパンドラを襲います。地球人たちは新しい移住先としてパンドラを選び、ジェイクの家族をはじめとした先住民を制圧しようと攻めてきたのです。パンドラの森は炎に包まれます。
 上陸した地球人のリーダーはクオリッチ大佐です。かつてジェイクと戦って死んだはずですが、クオリッチは人間のDNAの記憶を埋め込んだ特殊な自立型アバターとして復活したのです。
 ジェイクの子どもたちは森の中でクオリッチに見つかり、スパイダーが連れ去られてしまいました。
 ジェイクは家族を守ることを最優先に考え、森を離れて新しい土地へ避難することを決断します。ジェイク一家が新たな暮らしをする場所として着いたのは海でした。
 海では、ジェイクたちとは別の部族メトカイナ族が生活していました。ジェイクはメトカイナ族のリーダー・トノワリに助けを求めます。
「なぜ我々のもとへ?」(トノワリ)
「家族を守るためだ」(ジェイク)
 メトカイナ族は、ジェイクたちオマティカヤ族とは見た目が少し違います。彼らの肌はエメラルドグリーンで、泳ぐのに都合のよいヒレを持っています。
「海の暮らしを兄弟のように教えてやれ」(トノワリ)
 ジェイクの子どもたちは、トノワリの息子や娘から泳ぎ方や潜り方を教わります。
 ある日、ジェイクの次男ロアクは、海で肉食の魚に襲われて意識を失いかけます。そこへ、この海の巨大な生物トゥクルンが現れ、ロアクを救います。トゥクルンのヒレには大きなボルトのようなモリが刺さっていて、痛そうです。トゥクルンは知能が高く、ロアクと心を通わせます。
 こうした中、ジェイクを捜すクオリッチは海へ向かって侵略を始めます……。
 アバター第1作が公開されたのが2009 年の年末でした。それから13年、ついに続編ができあがりました。監督・脚本はジェームズ・キャメロン。興行収入世界第1位の映画は2009年の『アバター』で、3位は1997年公開の『タイタニック』です。2作ともキャメロン監督の作品です。また、日本で公開された洋画の興行収入第1位は『タイタニック』で、5位が『アバター』です。
 キャメロン監督は“続編ヒット請負人”と言われていて、確かに『ターミネーター2』『エイリアン2』でパート2をヒットさせました。このアバター2に大きな期待がかかっています。キャメロン監督は中学生のときに映画アバターの計画をしていたそうです。
 キャストは第1作同様、ジェイク役がサム・ワーシントン、ネイティリ役がゾーイ・サルダナです。ジェイクの養女がシガーニー・ウィーバー、クオリッチ大佐がスティーヴン・ラング。メトカイナ族のトノワリがクリフ・カーティス、妻のロナルがケイト・ウィンスレットです。
 今作のメインとなるテーマは「家族の愛と団結」です。次々と迫る難しい局面を家族の団結で乗り越える様子がストーリーとして展開されて、大人も子どもも心を打たれるでしょう。
 今作では物語の舞台を海へ移しました。クジラに似た巨大生物トゥクルンを登場させて、海の生物を保護する姿勢を盛り込んでいて、反捕鯨の立場を強調しています。
 公開直前には、日本国内の映画館で史上最多の全国1,466スクリーンで上映される、という数字が大きな話題となりました。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の967スクリーン、『アメイジング・スパイダーマン』の1,092スクリーンなどの上映規模を抜く新記録です。
 今作の映像は観る人を“アバターブルー”の美しい世界に引き込みます。とくにアクションシーンの臨場感には圧倒されるでしょう。公開されるバージョンは普通の2Dをはじめ、IMAX3D、4DX、ScreenXなど劇場によってさまざまですが、可能ならドルビーシネマの3Dで迫力ある映像を鑑賞するのをお勧めします。全国8か所にあり、関西では梅田ブルク7とMOVIX京都です。
 映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はただいま公開中です。(SJ)
◇映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(原題:Avatar:The Way of Water)
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。
出演:サム・ワ―シントン ゾーイ・サルダナ シガーニー・ウィーバー ケイト・ウィンスレット他
監督:ジェームズ・キャメロン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff0cf9daaa381bd7f4c365f24f2760d2a4fa0f4b

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【解説】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』を音楽で読み解く ─ サントラ収録曲を物語に重ねて

2022-12-22 | 先住民族関連
THE RIVER編集部 2022.12.21 17:00

©Marvel Studios 2022
アフリカのワカンダ王国。国王ティ・チャラを失い、悲しみに暮れる妹シュリたちに試練が襲いかかる。ワカンダにだけ存在しているはずの金属ヴィブラニウムが海中にも存在し、その調査に向かった他国の研究員が何者かに襲われたのだ。事件の背後にいたのは海底に棲むタロカン帝国だった。地上文明を上回る戦闘能力を持つ彼らの前に、守護神ブラックパンサーを欠いたワカンダは存亡の危機に立たされる……。
興行的な成功だけでなく、ヒーロー映画としては異例のアカデミー賞作品賞にノミネートを果たすなど、社会現象を巻きおこした破格の映画『ブラックパンサー』。その待望の続編『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、主人公だったティ・チャラを演じていたチャドウィック・ボーズマンの死を悼むとともに、残された者たちの覚悟を描いた作品となった。
監督のライアン・クーグラーをはじめ殆どのスタッフ・キャストが続投。音楽監督も、クーグラーとは南カリフォルニア大学以来の盟友ルドウィグ・ゴランソンが前作から引き続き担当している。
ゴランソンはスウェーデン出身だが、『コミ・カレ!』の劇伴の仕事を通じて知り合った俳優ドナルド・グローヴァーの音楽プロジェクト、チャイルディッシュ・ガンビーノのプロデューサーとしても活動しており、代表曲「This Is America」も彼の手によるものだ。だからこそケンドリック・ラマーが監修した前作では、挿入歌と違和感がないスコアを作曲できたわけだが、本作ではスコアだけでなく挿入歌の作曲やプロデュースまで行っている。
レコーディングは3つの大陸と5つの国にまたがる6つのスタジオで2500時間以上を費やして行われ、250人以上のミュージシャン、2つのオーケストラ、2つの合唱団、40人以上のボーカリストが参加したという。間違いなく映画史上最大規模で製作されたサウンドトラックだろう。
そんなビッグ・プロジェクトにおいて重要な役割を果たしたのが、ナイジェリアの首都ラゴスでのセッション。予告編でも使用されたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ「No Woman, No Cry」をカバーしたナイジェリアのシンガーソングライター、テムズのヴォイスがスコアの複数箇所で使用されたほか、ファイアボーイDML、トビ・ンウィーグェ、CKay、ブラッディ・シヴィリアンといったナイジェリア人アーティストが楽曲参加している。
https://www.youtube.com/watch?v=bpyPGojW2MM
「なぜナイジェリア?」と感じる人もいるかもしれない。実は音楽業界がいま最も注目しているのがナイジェリアなのだ。というのも人口は2億人以上で公用語は英語、過去にもフェラ・クティやサニー・アデといった世界的アーティストを生んでいるポテンシャルが高い国だから。人口300万人弱のジャマイカがかつてレゲエで世界に及ぼした影響を考えると、将来性には相当なものがある。
事実、伝統的なアフロビーツとダンスホールレゲエ、レゲトンをスムーズに組み合わせた近年のナイジェリア産ポップ・ミュージックは世界新標準とでも呼びたくなる高品質でキャッチーなもの。現在、欧米で最も人気を獲得しているナイジェリア出身のアーティストはバーナ・ボーイだが、その彼もサウンドトラックに「Alone」に参加している。
https://www.youtube.com/watch?v=S8qGmBtXZV8&t=48s
映画ではティ・チャラの死後、ラボで憑かれたように実験に取り組む妹シュリを包み込むように流れるこの曲は、戦いに巻き込まれる運命を予期しながら喪失感から立ち直れないシュリの心情を、どんな台詞よりも雄弁に語っている。
ワカンダ王国のシーンでは、このほかガーナ系UKラッパー、ストームジーや南アフリカのDBN・ゴーゴー参加の楽曲もフィーチャーされている。
そんなアフリカ勢に対抗するかのようにフィーチャーされているのが、ラッパーのパット・ボーイやアレマン、スノー・ザ・プロダクト、フォーク・シンガーのビビール・キンターナ、そして詩人のマレ・アドゥベルテーンシアといったメキシコ出身のアーティストだ。理由は、タロカン帝国がメキシコの先住民文明の末裔という設定だから。
マーベル・コミックの原作では、アトランティス大陸の末裔として描かれるタロカン帝国を、クーグラーはメキシコ先住民に設定することによって、作品の裏テーマ「欧米による第三世界搾取批判」を前作以上に打ち出したというわけだ。
同時にアフリカ系による中南米へのリスペクトも濃厚に感じられる。タロカン帝国はワカンダにも負けない洗練された文化を持っている設定で、タロカン帝国の君主ネイモアが、シュリに帝国の全容を紹介するシーンでは、人々が穏やかな暮らしを営んでいる姿が描かれている。
こうしたシーンで流れる楽曲が、ゴランソンとメキシコのエレクトロ系シンガー、フォンデクシュのジョイント曲「Con La Brisa 」である。日本語訳すると「そよ風とともに」とでもいうべきこの曲は、繊細なキーボードの音色とヴォーカルが幻想的な雰囲気を醸し出す、水中に相応しいナンバーだ。
「ああ 行きましょう/あなたと私で行きましょう」という終盤のリフレインはこの後、シュリがネイモアに連れられて帝国中枢部に行くことを暗示しているわけだが、「あなたの美しい瞳」「影の間にいても 愛しい人」といった言葉が何度も登場することにも注目したい。
https://www.youtube.com/watch?v=mWWdvn3Epyg
そう、劇中では遂に具体的には語られずに終わるシュリとネイモアの間に流れる想いをこの曲は代弁しているのだ。そしてこの想いとタロカン帝国に抱く印象が、終盤のシュリの決意に深く関わっていく。
エンディングに流れるのは、リアーナが歌うスローチューン「Lift Me Up」。近年の彼女はランジェリーやコスメ・ブランドの成功でビリオネアになり、プライベートではラッパーのエイサップ・ロッキーとの間に子どもが生まれている。そのため音楽活動は事実上引退していると思ったので、この曲のリリースはサプライズだった。作者クレジットにはクーグラー、ゴランソン、リアーナのほか前述のテムズの名が並んでいる。
https://www.youtube.com/watch?v=QQkTsdnc1c0
ここで歌われる「旅立ったあなた」とは、もちろんティ・チャラのこと。そういう意味では「Alone」同様、シュリの心情を歌っているのだが、不在を嘆かれている「Alone」とは対照的に、この曲のティ・チャラはまるで生きているかのようにシュリを抱き上げ、守っている。それまで科学だけを信じて生きてきたシュリは過酷な戦いを通じて、残された者の心の中で生き続けている限り、死者の魂は不滅であることを理解したからだ。
こうしたテーマは前作でも語られていたものの、チャドウィック・ボーズマンの死によって、ライアン・クーグラーたちは心底信じる境地に至ったのだと思う。その悟りを宣言した曲こそが「Lift Me Up」なのだ。
それにしてもアメコミヒーロー映画の主題歌として、こんな哲学的な楽曲を聴かされることになるとは思わなかった。そういう意味でも『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は前作同様、破格の映画なのだ。
文:長谷川町蔵
https://theriver.jp/bp-wf-music/

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完璧ばかり目指して疲れてない?ロンドンのガーデンで、英国流「不足の美」を学ぶ

2022-12-22 | 先住民族関連
アイデアスフォーグット12月21,2022 by Megumi
新型コロナのロックダウンのとき、1時間だけ外出が許されたことがありました。ロンドンの人々が真っ先に向かったのは、スーパーでも、薬局でもなく、公園でした。
北ロンドンにある農園・OmVed Gardens(オムベド・ガーデンズ)のオーナーであるカレンさんは嬉しそうにそう語った。
大きな街に暮らすことは、魅力的で便利で楽しい。色々な人に気軽に会うことができ、美術館や博物館にも行ける。著名なアーティストも、ライブをするならまず大都市を選ぶだろう。しかし、ロンドンに暮らす筆者はそれらに楽しさを感じながらも、どこか息苦しさを感じることもある。思い返せば、五感をフルに使ってリラックスできる瞬間があまりなかったかもしれない。それはコンクリートや排気ガスに囲まれていてはなかなか難しいことだろう。
オムベド・ガーデンズは「人々と自然のつながりを取り戻す」ことを掲げる、ロンドンの農園兼クリエイティブスペースだ。そこではどのような取り組みが行われているのだろうか?カレンさん自身が「自然とのつながり」の中で学ぶこととは?実際に庭を巡りながら話を聞いた。
カレンさんとともに、オムベド・ガーデンをめぐる
ガーデンの一部はあえて手を入れずに残す
現在オムベド・ガーデンのある場所は、保育園と墓地に隣接した空き地だった。その後、墓地に向かう人々が手向ける花を栽培する農園になったものの、農園を維持をする人が見つからず、1980年代後半にカレンさんとその家族が土地を購入したという。そして「オムベド・ガーデン」としてのビジネスが始まった。
「オムベド・ガーデンを始めた当初は(斜面になっているガーデンの)上のほうだけを耕作し、整えました。ガーデンは整える部分と整えない部分に分けています。すべて野菜や花を育てるために雑草などを刈ってしまうと、虫や鳥が住む場所がなくなってしまうためです」
オムベド・ガーデンは区画によって雰囲気がガラリと変わる、まるでパッチワークのような庭園だ。歩いていると、定期的にガーデンの見学にくる学校の生徒たちが設置した、アオガラ(ヨーロッパに生息するスズメ目シジュウカラ科の鳥)の餌が目に入ってくる。
「季節はいつも『真っ直ぐ』に進むわけではありません。毎年同じリズムを刻むわけでもありません。今年は異常気象もあったせいか(※2022年の夏、ロンドンでは史上最高気温40℃を記録)土があまり良くなく、採れなくなった植物もありました」
「この植物はホーステイル(日本語では「スギナ」)と呼ばれています。環境を選ばずに育つことで有名で、いったん生えたらなかなか無くなりません。一説には、恐竜がいる前に生えていたと言われています」
「以前ガーデンを訪れてくれた女性は、抜いても抜いても生えてくるこの植物を鬱陶しく思っていました。ですが、あるとき調べものをしていて、ホーステイルと石炭の起源が一緒だということがわかったそうです。彼女のお父さんはかつて鉱員をしていました。彼女が嫌いだった植物は、鉱員である彼女のお父さんが掘っていたものと同じ起源だとわかったのです。そのとき彼女が『大きな循環を感じた』と言っていたのが印象的でした」
農園だけではない。展示を通じてコミュニティを開いていく
ガーデンをしばらく歩いていると、カラフルなガラスに囲われた小さな建物が見えてくる。ここでは季節ごとに色々な団体と協業した展示やイベントが行われ、インタビュー時は「Saving Seed(セービング・シーズ)」というテーマの展示が開催されていた。
「すべての植物を、安定した状態でオムベド・ガーデンズで育てることはできません。そこで、庭を持つ人にガーデンの種を提供し、持って帰って育ててもらい、また来年それをシェアしてみんなで育てていくという『Saving Seed Network(セービング・シーズ・ネットワーク)』が始まりました」
「セービング・シーズ・ネットワーク」の展示の様子
展示の中では「なぜガーデニングを始めたのか・継続しているのか?」「あなたにとって『種』とは?」などの質問にメンバーが回答していた。「コミュニティの一員になるため」「単純に楽しいから」「食費の節約のため」など、オムベド・ガーデンズとその周りで人々がガーデニングを続けるモチベーションを知ることができた。
食に関するワークショップはここで。象徴的な「ガラスハウス」
カレンさん一家が土地を引き取った際、リノベーションして建てられたのが「ガラスハウス」という建物だ。中にはキッチンが併設されており、広々した空間は食事やワークショップなど、イベントに合わせてレイアウトを変えることができる。
「ここは『クリエイティブスペース』とも呼んでいるところで、過去には世界中のシェフが集まってサステナビリティについて話す『シェフス・マニフェスト』を開催しました。ヨーロッパだけでなく、ナイジェリアやフィジーといった国々からもシェフを招き、各国の料理を紹介しながら、環境と社会により良い食の形を模索します」
「最近はオムベド・ガーデンズのメンバーでもあるシェフが、『発酵』をテーマにしたワークショップをやることも多いです。すべてガーデンの食材を使い、参加者にチャツネ・ビネガー・コンブチャなどのレシピや、実際に作るコツを参加者に共有しています」
正解がわからないサステナビリティ。まずは「探索」を
一つの土地を複数の人で使う、「コミュニティガーデン」のような仕組みは世界各地で見られる。しかし、オムベド・ガーデンズのように、農園の機能に加えて展示やイベントなどのハブとして機能している場所はそう多くない。カレンさんがそれらを重視するのには、サステナビリティに対するある想いが込められていた。
「気候変動について、今後を憂えている人はたくさんいますが、いまだわからないことも多くあります。そしてサステナビリティについても、もはや何が正解かわからなくなるときがあります。たしかなのは、『今まで通りにはいかない』ということだけ。私たちの孫の時代に地球がどうなっているかはわかりません。
だからこそ、サステナビリティなどのテーマについてまずはみんなで探索することが大事だと思ったのです。アクションの善悪を判断する前に、テーマ自体を掘っていく段階にあると思います。
展示やイベントを大切にするもう一つの理由は、実際にやってみたら段々と楽しくなってきたというのも正直なところです(笑)新型コロナ禍のオンラインイベントでは、世界中のゲストと話すことができ、それがきっかけで現地の体験型ワークショップなど、様々な挑戦をするようになりました」
実際にオムベド・ガーデンズを訪れる人が感じる、自然の価値
このように、一言では表せないほど、色々な機能を持ったオムベド・ガーデン。現地には日頃どのような人々が訪れるのだろうか。
「まず多いのは学校の子どもたちですね。子どもは好き嫌いがわかりきっていない状態でどんどんガーデンに入っていきます。ハチの住処などむやみに触ると危ないものはもちろん伝えていますが、基本は自由に見て、聴いて、触って、匂いを嗅いでもらっています。中には、花を食べてしまう子などもいるのですが、オムベド・ガーデンでの経験で、屋外の植物や動物が意外と身近な存在だと伝わるといいなと思っています」
「企業に場所を借りたいとお願いされることもあります。会議をしたり、ワークショップをしたり……使われ方は色々です。屋外や緑の中で会議をすると、人は『他の人のことをよく思いやるようになる』と言われています。逆に閉じた空間では自分のことを中心に考える傾向があるそうです」
オムベド・ガーデンズにはガラスハウスもあるため、たとえ雨が降っても会議の場所には困らない。そして外の景色がよく見えるようになっていることから、「雨粒が自然の要素であることもよくわかる」とカレンさんは話す。
また、オムベド・ガーデンズは週2回一般公開もされており、その期間は誰でも予約なしで自由に立ち入ることができる。ガーデンを歩いていて、カレンさんの空間づくりにおけるこだわりで驚いたことがあった。それは「看板をまったく設置していない」ということだ。人々に「探検」してもらうことを一番の目的に掲げるこの場所では、あえて順路なども設けていない。
「もちろん誰も池に落ちないように道を整えるなど、最低限のことはしていますが、基本的に自分の好きなように回ってほしいというのが私たちの想いです。ここに来てくれる人々は『お客さん』ではありません。私はみんなを潜在的なメンバーとして見ていて、農園・自然・サステナビリティを『提供する人』『提供される人』という境界を引かないようにしています」
他の国や地域からも、人間と自然の「境界」の捉え方を学ぶ
農園の中で生きる生きものと人間、そして農園を運営する人と訪れる人との境界を曖昧に捉えているカレンさん。そう考えるようになったきっかけの一つは、南米や日本の考え方を学んだことにあったという。
「オムベド・ガーデンズは雑誌も発行しているのですが、最新号は南アメリカの先住民の方々に執筆を依頼し、写真も撮ってもらいました。彼らは自然に対して、西洋の世界とはまったく違う感覚を持っています。自分たちは木であり、植物であると思っているのです。自分たちのことを『自然界を構成するものの一部』とする認識はすごく豊かで、しっくりくるものがありました」

雑誌で使われた写真|Image via OmVed Gardens
「また、日本を訪れたときもそういう感覚になったことがあります。例えば京都で訪れた建築。切り開いた土地に大きな建物を建てるのではなくて、日光や風を取り入れ、月を眺め……古い建物には自然を愛おしむための工夫が施されているのがわかりました」
「そして、日本のホテルに滞在したときにもう一つ驚いたことがあります。それは窓から見える屋根にごみが一つも落ちていないこと。自然と人間の境界に近いかもしれませんが、『自分がケアする範囲』と認識している領域が違うんだなと感じたのです。イギリスではみんなで使う建物の上に落ちているごみに責任を感じる人はあまりいません」
他の文化圏に行って、はじめて気付くことは多くある。カレンさんのそうした気付きの一つ一つがオムベド・ガーデンズの設計や考え方に反映されているのだ。
自然とは不完全なものの集まり。「美しさ」を履き違えないこと
「自然とは不完全なものの集まり」と話すカレンさん。移ろいや欠落、それ自体が美しいこともあるのに、人間は勝手な基準でそれらを「管理」しようとしてしまうことが多い。
「ガーデニングをしている人の中には、雑草を全て刈る人もいますし、虫をすべて駆除する人もいます。でも、そもそもそうやって『管理』しようとする感覚が、私たちに『完璧でなければならない』という緊張感を与えると思うのです。だからオムベド・ガーデンズではなるべく、ありのままの自然の姿を残しています」
「今日のこの景色を見てどう思いましたか?秋・冬になって庭に色がなくなってくると、私たちは残念に思うことがあります。葉っぱの色が移ろうことは喜びですが、散っていくのは悲しみです。けど、それらすべてが葉が毒素を排出するプロセスであり、私はそのプロセス自体が美しいなと思います」
「ときどき私たちは『美しいもの』の判断を間違えてしまうことがあるような気がします。人々はすべてのものを完全な状態で見ようとする傾向がありますが、そうした状況から抜け出すきっかけを与えてくれるのも、また植物や動物たちだと思うのです。オムベド・ガーデンズは人々がそのことを思い出せる場所でありたいなと思っています」
編集後記
ロンドン在住の筆者は車の多さや街の大きさに辟易すると「イギリスの田舎では、きっとさらに自然と近い場所で豊かな暮らしが営まれているのだろう」と、ときどき想像をする。しかし、カレンさんは対話のなかで「田舎でも自然を蔑ろにした農業が行われていることも多く、しかも生活の中で車を使うことが必須になります。ロンドンは車も多いですが、速度制限がある分、歩行者フレンドリーです。遠くの街まで公園沿いに歩くこともできるし、意外と悪くないですよ」と話していた。自然と人間との分断は、必ずしも「都市部特有の問題」というわけでもないようだ。
筆者にとってイギリスの田舎のイメージがそうであったように、私たちはわからないものに対して、できるだけ簡略化して、わかりやすく捉えようとする傾向がある。しかし、そもそも自然は未知のことばかりで、サステナビリティに関してもいまだに正解がわからないことが多い。「そもそもこの前提って本当?」「これは誰の考える正義・美しさなのか?」自分の持っているレンズで目の前のことを見る前に、一度立ち止まる時間と場所が必要なのかもしれない。
「未知のもの」に対する色々な前提が優しく覆された、とても印象的な取材だった。
https://ideasforgood.jp/2022/12/21/omved-gardens/

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『アバター』は「文化の盗用、白人が有色人種のコスプレ」と主張の批評家炎上

2022-12-22 | 先住民族関連
Mashup Reporter 2022-12-20
画批評家が「アバター」を”文化の盗用”と主張したことについて、ネットでは反発の声が上がっている。
バズフィードやフィラデルフィアトリビューンのコントリビューター、カティア・ウッズ(Kathia Woods)氏は18日、自身のツイッターで「アバターに関する文化の盗用ついて、話をしなければならない」と切り出した。続けて、サム・ワーシントン(ジェイク・サリー役)やシガニー・ウィーバー(キリ役)などの「白人が有色人種を演じている」と主張した上で、「ただ厄介なだけ。大量の視覚効果やCGIを使っても、それらを消し去ることはできない。悪しきレースフロント(ウィッグ)と作り物のブレード(三つ編み)。何てことだ、それを改めなさい」と批判を投稿した。
ジェームズ・キャメロン監督の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は、米国で16日より公開がスタート。週末の興行収入は、専門家の予想を下回ったものの、1億3,400万ドルを記録し、初登場第1位となった。
デイリーメールによると、ウッズ氏の主張に対し、「これはただのSF映画だ」といった批判や、「ジェームズ・キャメロンは青い先住民を見つけようとさえしなかった」「3メートルの青いエイリアンを演じることができるのは、3メートルの青いエイリアンだけ」と皮肉る声が寄せられたという。
ちなみに母ネイティリ役は、アフロ・ラティーナのゾーイ・サルダナが演じた。マオリの俳優クリフ・カーティスなどもキャスティングされていることから、ウッズ氏の主張は見当違いだと指摘するユーザーや、「彼女のようなウォークネスが、映画産業を台無しにしている」といった意見も投稿されている。
ウッズ氏のツイートは現在、非公開となっている。Foxニュースによると、ウッズ氏は19日、自身の発言が「右派の一部を怒らせたみたいね」とコメントしていた。
なお、NBCニュースの文化批評家ノア・バーラトスキー氏は論説で、2009年公開の「アバター」は「白人の救世主に関するお決まりのストーリー」だと説明した上、新作は良くも悪くもオリジナルの「強さと落ち度」を再現していると指摘。「見事な光景や、環境に関するテーマ、使い古された植民地の物語」であり、オリジナルに「懐疑的だった人」は、続編にも納得しないだろうと語っている。
https://www.mashupreporter.com/film-critic-claims-avatar-2-is-cultural-appropriation/

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HBC北海道放送、米と共同制作のアドベンチャートラベル番組で北海道の魅力を世界に発信!年末に道内でも放送 / Screens

2022-12-22 | アイヌ民族関連
HBC12/21
HBC北海道放送は、アメリカの団体と共同制作したアドベンチャートラベルの魅力と可能性を伝える英語のドキュメンタリー番組を日本語化し、年末に道内で放送する。
アドベンチャートラベルとは、従来型の旅行に自然を舞台にしたスポーツアクティビティ―や地元文化とのふれ合いなどを加えた、新しい旅のスタイル。欧米を中心に年々人気が高まっており、その市場規模は全世界で72兆円とされている(ATTA調査)。カヌー、ラフティング、サイクリング、登山、釣り、スキー、さらにアイヌ民族の伝統文化や質の高い食材など、北海道はアドベンチャートラベルに適した環境がそろった、うってつけの舞台。この旅のスタイルを推進する国際会議、アドベンチャートラベル・ワールドサミットが来年北海道で開催されるのに合わせ、HBCは、北海道を世界にアピールするため、アメリカATTA(アドベンチャートラベル・トレードアソシエーション)と共同でドキュメンタリー番組を制作し、10月からYouTubeで配信していた。
今回放送するのは、英語で制作されたオリジナル版を日本語に吹き替えた特別版で、アメリカATTAの監修・脚本の元、ドローンやスロー撮影を多用した圧倒的な映像世界を、北海道の視聴者が楽しめる内容になっている。
道央道南編と道東編の二部構成で、道央道南編は「火山が育む恵み」をテーマに、羊蹄山、有珠山、洞爺湖、駒ヶ岳など道民におなじみの風景に加えて、見る機会の少ないアイヌ民族の狩猟キャンプや、北海道最難関と言われる赤岩青巌峡(占冠村)でのラフティングなどを取り上げる。道東編は「水と原生自然」をテーマに、湖、川、海へと至る水の流れに沿って、水域に保全された手つかずの自然を紹介。屈斜路湖、摩周湖などの有名スポットだけではなく、そのそばにある隠れた名所や、阿寒湖の氷上ハイキングや流氷ウォークなど、冬ならではのアクティビティーも紹介。
番組には、アメリカ出身の映像作家、ニール・ハートマンがナビゲーターとして登場。北海道に30年以上住み、スノーボードやカヌー、沢登りなど自然を生かしたアクティビティーにも造詣が深いニールは、北海道の魅力を英語で世界に発信する最適任者の1人。ラジオパーソナリティーやフリーMCとしての顔も持つニールですが、テレビのメイン出演者となるのは今回が初めて。
一方、10月5日から始まったYouTubeの配信は、12月10日時点で総再生回数が66万回に到達した(本編40万回・ティザー26万回)。配信は、ATTAが世界各地の旅行先を映像で紹介するYouTube上の専門チャンネルで行っていて、主な視聴者は北米に住む自然と旅の愛好家。約2か月で数十万回の再生回数を数えたことは、海外からの北海道への関心の高さを示していると言えそうだ。
番組概要
■放送版
『ニール・ハートマンのアドベンチャートラベル・道央道南編』
2022年12月29日(木)午前6:20~6:50
『ニール・ハートマンのアドベンチャートラベル・道東編』
2022年12月30日(金)午前6:20~6:50
■制作 HBC北海道放送 アドベンチャートラベル・トレードアソシエーション(ATTA)
■協力 アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道実行委員会
■配信版
『Volcano and People of Hokkaido』(第1話・道央道南編)約25分
『Water and Wilderness of Hokkaido』(第2話・道東編)約25分
■配信 2022年10月5日(水)7:00~(日本時間)
第一話
第二話
■制作 HBC北海道放送 アドベンチャートラベル・トレードアソシエーション(ATTA)
■協力 アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道実行委員会
アドベンチャートラベル・ワールドサミット
アドベンチャートラベルの普及・啓蒙・目的地PRのため、世界各地で年に1回開催される国際会議。旅行会社、メディア関係者、旅行行政関係者など、約800人が参加する。北海道は2015年から、このサミットを北海道で開催するよう働きかけており、2023年に実現予定。(2021年は、コロナのためバーチャル開催)サミットの開催地は、その後アドベンチャートラベルの旅行者が大きく伸びる傾向にある。

アイヌ民族の「狩猟キャンプ」体験 Copyright© HBC北海道放送
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/hbc北海道放送-米と共同制作のアドベンチャートラベル番組で北海道の魅力を世界に発信-年末に道内でも放送-screens/ar-AA15vGnW

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ダークスカイ(暗い夜空)国」目指すニュージーランド

2022-12-22 | 先住民族関連
ナショナル ジオグラフィック2022年12月21日 5:00

ニュージーランド南島のカイコウラ・ビーチの夜空にかかった天の川。ニュージーランドは「ダークスカイ国」に認定されることを目指している。ニュージーランドほどの規模の国としては画期的な試みだ。(Photograph by Andrew Coleman, Alamy Stock Photo)
晴れた夜、ニュージーランド南島の中心に位置する町レイク・テカポの空には無数の星が輝く。地球の8割に人工の光がもたらす「光害」が広がっている今、こうした満天の星を見る機会は少ないだろう。しかし人口約500万人の島国、ニュージーランドでは決して珍しい光景ではない。
ニュージーランドは今、国際ダークスカイ協会(IDSA)が認定する「ダークスカイ国(暗い夜空の国)」を目指している。ニュージーランドほどの規模の国としては前例のない試みだ。
この取り組みの中心となっているのは先住民であるマオリの人々だ。暗く美しい夜空を保護することが、環境にとっても文化にとっても重要であるという考えのもと、計画を推進しようとしている。
「マオリ語やその他の文化的慣習や信条は、夜空を観察することから生まれました」と語るのは、ニュージーランドのマッセー大学でマタウランガ・マオリ(マオリの知識)の教授を務め、天文学者であり、トゥーホエ族出身でもあるランギ・マタムア氏だ。マオリの人々がマラマタカ(太陰暦)を用い、植え付けや収穫、漁や猟の時期を決めているのは、その一例といえる。
ニュージーランドの極めて暗い夜空は、天体観測に格好の環境なだけではない。その文化的価値を体験し、学ぶ方法を紹介する。
海と空
マオリのポリネシア系の祖先は、古代ローマが誕生する何百年も前から「ワカホウルア」という双胴のカヌーを駆使し、太平洋を渡っていたとされる。羅針盤も六分儀も持っていなかった彼らが、目印もない広大な海を航海できたのは、夜空の星に関する知識をもっていたからだ。
「私たちの祖先がさまざまな目的をもって航海に出たことは、言い伝えから分かっています」と、ニュージーランドのワイカト大学で副学部長を務めるテ・タカ・キーガン氏は言う。「魚を捕るため、親族に会いに行くため、あるいは新しい土地を目指すため、海に乗り出しました」
マオリの一員であるキーガン氏が修士論文のテーマに選んだのは伝統航海術だった。その後、初期のポリネシア航法を用いて、米国のハワイから約5000キロ離れたクック諸島の主島であるラロトンガ島までワカホウルアで航海するのを手伝った。
まず重要なのは、星が現れる位置と沈む位置だとキーガン氏は言う。当時、人々は航海する際、まずは水平線上に現れた星とカヌーを一直線に並べた。その星が移動してしまったら代わりになる星も知っていた。木星や金星といった明るい惑星も目印になった。月が照らす波も方角を知るのに役立った。
しかし星々は単なる航路標識ではなかったとキーガン氏は言う。「孤独な航海を空高くから見守ってくれる友人のような親しみのある存在だったのです」
星にまつわる神話
ニュージーランドの夜空を守ることは、自然保護と生物多様性の観点からも重要だ。暗い夜空は夜行性の鳥にとって無くてはならない。例えば数が減っているコガタペンギン(マウリ語ではコロラと呼ばれる)は暗がりの中で陸に上がり、巣作りをする。また渡り鳥は、夜空を飛ぶ際に星の位置を利用することもあるという。昆虫にとっても闇は欠かせない。近年、昆虫が数を減らしているのは光害と関連していることが分かってきている。絶滅の危機にあるニュージーランド固有種のウェタなど夜行性の昆虫は、人工光で活動が鈍ってしまう。
「ニュージーランドの生態系のバランスを保つのに、暗い夜空はかかせません」と、テ・アウポウリ族とラウカワ族のオリーブ・カリーナ=ロキヤー氏は言う。彼女はニュージーランドのオークランドにあるスタードーム国立天文台で天文学を教えている。「暗い夜空は環境のあらゆる面と関係しています。一年を通して変化していく夜空は、植物の開花など自然のさまざまな営みの指標となります」
マオリの新年を告げるのは、6月か7月に出現するマタリキ星団(プレアデス星団とも呼ばれる)だ。淡水、海水、菜園、果樹園、森など自然の中のいろいろな環境から食材を集め、それを地中で調理します」とマタムア氏は言う。「その料理を朝の空に現れるマタリキ星団に捧げ、旧年中の幸運を感謝し、実り多き新たな1年を願うのです」
月や星、星座もマオリの神話に大きな影響を与えている。マオリ天文学の研究書の中で述べられているとおり、「星々は生きた存在であり、すべての星が家族として結ばれている」のだ。
「ダークスカイ国」になるには
レイク・テカポ(マオリ語で「タカポ」)の町の上に広がる夜空は、IDSAが「ダークスカイ・リザーブ(星空保護区 )」として認定したアオラキ/マウント・クック国立公園とマッケンジー盆地周辺の約4400平方キロに及ぶ地域の一部だ。ダークスカイ・リザーブとして認定されている場所は世界でも20カ所だけだ。
ニュージーランド北島の夜空の74%と南島の夜空の93%が、「原始の状態、ないしは地平線周辺のみでの劣化」とされている。ニュージーランドは現在、2020年にダークスカイ国に認定された南太平洋の島国ニウエに続く2番目のダークスカイ国認定を目指している。
ニュージーランドの天文学者でIDSAの理事でもあるナライニ・デイビス氏は、ニュージーランドが認定されるのは近いだろうと考えている。しかし、住民の関心を高め、照明に関する条例を変え、保護区を拡大するには最低でもあと3年は必要だという。
次のステップは教育を通して光害についての認識を広めることだ。ここで主要な役割を果たすのがアストロツーリズムだ。ニュージーランドに暮らす先住民のうち最大の部族の一つであるナイ・タフ族が共同所有するツアー会社「ダークスカイプロジェクト」は、マオリ天文学に科学を取り入れながら、暗い夜空を守ろうという意識を高めるのに一役買っている。
「空と自分たちを結び付けるのは人間の本質だと思います。これは、どの文化においても初期の段階から行われてきたことで、特に夜空というのは、私たち人間が何者であるかという疑問に結びついています」と、マタムア氏は言う。「この絆を断ち切った時、人としての私たちは変わってしまうでしょう。私たちの世界観や大切にしているものも変化してしまいます。光の使い方を見直し、夜空を守る必要があるのです」
ニュージーランド 最高の夜空を楽しむスポット
アオラキ・マッケンジー国際ダークスカイ・リザーブ(星空保護区):マッケンジー地域はクイーンズタウンから車で3時間ほど。天文台を見学したり、天体撮影に挑戦したりできる。
アオテア/グレートバリア島:島全体がオフグリッド(電力会社の送電網につながっていない状態)で、ダークスカイ・サンクチュアリに認定されている。オークランドからフェリーで4~5時間、あるいは飛行機で30分ほど。グレンファーン自然保護区で澄みきった夜空を楽しめるほか、島の南西にあるオクプでは発光するツチボタル(ヒカリキノコバエの幼虫)を観察できる。
ストーンヘンジ・アオテアロア:ウェリントンから車で2時間ほどの場所にある、野外の天体観測所。夏至と冬至、春分と秋分の日に夜空を眺めるイベントが開かれる。
クイーンズタウン:スキーシーズン(6月~10月)中は、コロネット・ピークでスキーを楽しめる。そのあとは、露天風呂にのんびりと浸かり、星空を楽しもう。
ダニーデン:クイーンズタウンから車で4時間ほどの南島の都市。冬の晴れた夜には見事なオーロラ(南極光)が観測できる。
スチュアート島(マオリ語で「ラキウラ」):世界最南端のダークスカイ・サンクチュアリ。インバーカーギルまたはブラフから、飛行機かフェリーに乗る。アッカーズ・ポイントの灯台、ホースシュー・ベイ・ビーチ、モトゥラウ・モアナ・ガーデンズ、オブザベーション・ロックなどは、星を眺めるのに絶好の場所だ。
文=Rina Diane Caballar/訳=三好由美子(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで2022年12月4日公開)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD057KG0V01C22A2000000/

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