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アイヌ芸術埋もれさせない 釧路なつかし館・中野さん、白糠で展示

2022-12-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞12/21 23:49

故滝口政満さんらの木彫りが並ぶ会場
 【白糠】釧路市内で私設博物館を運営する中野吉次さん(77)が収集したアイヌ工芸品約40点が並ぶ「釧路なつかし館 アイヌ文化展」が、町内東3のアイヌ文化拠点施設ウレシパチセで開かれている。阿寒湖アイヌコタン=釧路市=を拠点に活動したアイヌ芸術の彫刻家、故滝口政満さんや故藤戸竹喜さんの作品もある。管内の高齢者宅の物置や古物店などで忘れ去られたように置かれていた作品も多く、中野さんは「埋もれかけた名作を見て」と呼び掛ける。
 滝口さんの木彫り「子熊と遊ぶ少女」は、全長2・3メートル。アイヌ民族の少女が子熊と戯れる姿が彫られ、サインもある。
 妻のユリ子さん(81)によると、滝口さんがアイヌコタンで創作活動を始めて間もない1960年代後半の作品で、少女はユリ子さんがモデル。滝口さんは、原木を材料にダイナミックな熊の木彫りを作っていた藤戸さんに憧れており、「あんな大作を作りたい」と初めて原木で手がけた。作品を飾っていた弟子屈町内のホテルが十数年前に廃業し、作品の行方は分からなくなっていたという。
 中野さんは滝口さんの20年来の友人で、今春、管内の古物店で作者不詳で販売されていたのを見つけ、入手した。
 道立近代美術館(札幌市)の五十嵐聡美学芸部長は「滝口さんの晩年の作品は表面の細かな刻みが特徴的だが、それがなくて若さが感じられる。女性像をテーマにした滝口さんの記念碑的な作品」と言う。
 藤戸さんの初期の作品とみられる丸木舟をこぐ子熊の木彫りやレリーフもある。レリーフは縦50センチ、横3メートル。サケを捕まえたり、ヤマブドウを食べたりするクマ10頭の姿が躍動的に表現されている。
 作者不詳のマキリ(小刀)、アットゥシ(樹皮衣)なども並ぶ。25日まで。入場無料。(佐竹直子)
◇「アットゥシ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/778855/
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