先住民族関連ニュース

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同化政策やいじめ、アイヌ文化伝承の葛野さん親子対談 旭川

2022-09-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/07 05:00

講演するアイヌ文化伝承者の葛野次雄さん(右)と大喜さん
 アイヌ文化伝承や権利回復に長年取り組んできたアイヌ文化伝承者の葛野次雄さん(68)=日高管内新ひだか町在住=と息子の大喜さん(25)による親子対談が3日、旭川市内の文化交流施設「まちなかぶんか小屋」で開かれ、来場した市民ら約20人が耳を傾けた。
 「アイヌ神謡集」の著者として知られる知里幸恵(1903~22年)の没後100年を機に、市民団体「旭川に公立夜間中学をつくる会」が主催した。
 葛野さんは、アイヌ民族に強いた明治政府による同化政策について「私たちの文化を封じ込める、目に見えない、まさに真綿で首を絞めるような政策だ」と説明。その上で、アイヌ民族で初の国会議員、故萱野茂さんらの「アイヌはアイヌモシリ(北海道)を売った覚えも、貸した覚えもない」という言葉を紹介した。
 最後に、大喜さんが「いじめ」についての持論を展開。「暴力や言葉による攻撃なども子供同士での出来事だと『いじめ』とひとくくりにされてしまう」とした上で「一つ一つ目を向けて対処しないといけない」と指摘した。(綱島康之)
※アイヌモシリの「リ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/727241/

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コキア、多彩に染まる ゆにガーデンで灯火催し

2022-09-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/07 05:00

色とりどりの照明で趣を変えるコキアの景観=4日
 【由仁】赤、紫色などの照明に、道内最大級3万2千株のコキアが幻想的に浮かび上がる―。ゆにガーデンで3、4の両日、ライトアップイベントが行われ、来場者を楽しませた。
 和名「ほうき草」のコキアは、9月下旬以降に紅葉して景観が一変する。上旬のこの時期は、まだ鮮やかな緑色だが、照明の色にはよく染まり、来場者の間からは「すごくきれいね」といった声が聞かれた。
 1日から元体験農園の一部がコキアの「展望エリア」として公開されており、両日の入場者は計約2500人に達した。
 施設内の芝生広場では、和太鼓演奏やアイヌ舞踊などのステージが繰り広げられ、会場を沸かせた。
 施設は10月23日で今シーズンの営業を終える予定。(土屋孝浩)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/727114/

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日高管内活性化、日本女子大生が探求 協定後、浦河で初のワークショップ ゴールデンカムイ活用提言も

2022-09-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/07 05:00

日高各町の担当者らと日本女子大の学生が地域の課題解決について話し合ったワークショップ
 【浦河】昨年8月に日高管内7町、日高町村会、日高振興局と相互協力の協定を結んだ日本女子大(東京)の学生が8月29日から4日間、管内を訪れ、行政と連携し地域活性化を考える初のワークショップを行った。学生が継続して地域に来る機会を設け、大学の単位修得につなげる枠組み作りを進める狙い。2024年度にも社会貢献を科目の中に織り込むよう目指す。
 協定は同大がある文京区と日高町村会が交流していた縁で実現した。学生17人と指導する人間社会学部長の中西裕二教授らが参加。初日は日高東部3町を視察し、うらかわ優駿(ゆうしゅん)ビレッジアエルで乗馬を体験した。
 30、31日に浦河町総合文化会館で行ったワークショップは、7町の企画担当者らも出席。学生は4班に分かれ「観光振興とアイヌ文化保存」「農産品の活用」「空き家を活用した滞在型プログラム開発」「SDGsを軸とする持続可能な社会の創造案」をテーマに活性化策を検討した。
 アイヌ文化では人気漫画「ゴールデンカムイ」と関連づけたイベントやアイヌ料理を提供する場所作りなどを挙げ、学生がボランティアで関わる仕組みを提言。農産品活用は、学生が農家で寝泊まりして交流サイト(SNS)で魅力を発信し、地場産品の郷土料理を作る案を考えた。
 滞在型プログラムは、学生らの長期滞在を受け入れて1次産業の労働力を補い、将来の移住につなげるよう呼びかけた。持続可能な社会では、風力や水力の豊富な発電資源に着目。安価な電力の供給や電気自動車バスの普及に加え、電力を観光や企業誘致に生かすとする意見をまとめた。
 事前に日高管内について調べ「人口流出が続きマイナスなイメージが大きかった」という3年の大野るりかさんは「自分で見て、話して、どんな解決策があるか具体的に考えられて良かった。もっと地域を見て回り、貢献できる案を考えたい」と次を見据える。4年の門馬明日香さんも「現地に来ないと分からないことがある。若者のアイデアが必要なものもあるはず」と今後の連携に期待した。
 各町の担当者は「役場だけでは考えられない発想。参考にしたい」と総括。中西教授によると、本年度は後期の社会連携科目の中で4班の提案をさらに検討し、学生が地域と課題解決に取り組むプログラムを完成させる予定。同大は9~10月に次年度の授業内容を決めるため、地域連携活動が単位を取れる授業になるのは最短で24年度から。
 中西教授は「行き詰まっている地域は多いが、日高にはアイヌ文化や1次産品といった突破口がある。学生が滞在して課題解決に取り組む文化ができれば」と強調。同大社会連携教育センターも「大学が地域活性化に貢献し、地域で学生の教育ができれば、双方にメリットがある」とする。(和田樹、松井伊勢生)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/727088/

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本通じ交流、満足の3日間 千歳で催し 感想共有、フリマ…出会い楽しむ

2022-09-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/06 05:00

グリーンベルトに展示され、樽やアイヌ民族のチセなどをモチーフにした巣箱形の本棚
 【千歳】公設民営図書館「まちライブラリー@ちとせ」(末広6)を主会場に開かれていた初の交流イベント「ちとせまちライブラリーブックフェスタ」(実行委主催)が4日、3日間の日程を終えて閉幕した。持ち寄った本の感想を紹介するワークショップを行ったほか、巣箱型の本棚のコンテストや本のフリーマーケットも実施。延べ10本以上の企画を行い、参加者が本を通じた人との出会いを楽しんだ。
 最終日は、まちライブラリー@ちとせで、お勧めのマンガや絵本について語り合ったり、植物図鑑を元にフラワーアレンジメントを楽しんだりする企画などが行われた。マンガのワークショップに参加した市内の大学院生斉藤聖仁(まさひと)さん(22)は「その場で知り合った人と共通の話題で盛り上がるのは楽しいですね。次回は運営側にも関わってみたい」と満足げだった。
 市中心部のグリーンベルトには、アイヌ民族の伝統的家屋「チセ」をモチーフにした作品や、廃材を使って樽をイメージしたものなど計六つの本棚が並び、来場者による人気投票が行われた。家族3人で訪れた北栄小4年、谷口琉人(りひと)君(9)は「アイヌ文化に興味がある。本棚の飾りがかっこよかった」と話していた。
 主催した実行委は来場者数や成果を総括し、10月20日には実施報告会を兼ねた講演会を行う。曽我聡起・実行委員長(公立千歳科学技術大教授)は「各会場で思わぬ出会いや楽しみがあり、本の可能性を感じた」。千歳市の委託を受け、公設民営図書館を運営する一般社団法人まちライブラリー(大阪市)の礒井純充代表は「市民や行政の熱意で成功に終わった。継続して大きく育てたい」と期待した。
 イベントは、千歳タウンプラザ(幸町4)にあった前身の施設から1月に現在地に移転・再開した図書館を周知し、千歳の取り組みを発信する狙い。現施設の蔵書はすべて利用者や他団体からの寄贈本などで、「みんなでつくる、みんなの図書館」をコンセプトに、寄贈者や借りた人がカードで感想を共有し、館内には好みの本棚を作っている。(犬飼裕一)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/726742/

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サケに感謝、神々へ祈り 千歳アイヌ協が伝統儀式

2022-09-07 | アイヌ民族関連
北海道新聞09/06 05:00

丸木舟に乗り、伝統漁具のもりでサケを捕獲する儀式
 【千歳】千歳アイヌ協会は4日、秋サケの遡上(そじょう)を迎える儀式「アシリチェプノミ」を市内蘭越の千歳川河畔で3年ぶりに行った。チプ(丸木舟)と伝統漁具を使ってサケを捕らえ、神々に感謝の祈りをささげた。
 儀式は協会の有志らが2020年に行ったが、協会の主催行事としては新型コロナウイルス禍のため、19年以来の開催となった。感染防止のため、一般公開はせず、協会役員と会員など約40人で行った。
 チプに乗った若者2人が、儀式のために水路に放したサケを伝統漁具のマレク(もり)で突いて捕獲。川の河畔に設けた炉の前に供え、酒をかけるなどした。協会の中村吉雄会長は「皆さまの協力で開催できた」とあいさつし、市などの協力に感謝した。
 儀式後には、千歳アイヌ文化伝承保存会と平取アイヌ文化保存会(日高管内平取町)が伝統舞踊を披露。両会のメンバーらがチプに乗り、マレクを使った漁に挑戦した。(上村衛)
※「アシリチェプノミ」の「リ」「プ」、「チプ」の「プ」、「マレク」の「ク」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/726739/

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アメリカ原風景の絶景、モニュメント・バレーが国立公園ではない理由

2022-09-07 | 先住民族関連
サライ2022/9/6
文・写真/角谷剛(海外書き人クラブ/米国在住ライター)

モニュメント・バレー
アリゾナ州とユタ州の境目あたりにあるモニュメント・バレーは西部劇映画の歴史的傑作『駅馬車』(1939年、原題: Stagecoach)の撮影が行われた場所である。ジョン・フォード監督は当時無名だったジョン・ウェインをこの作品で初めて主役に抜擢し、以後このコンビによる数多くの西部劇映画が作られるきっかけとなった。
そんな古い映画なんて知らないよ、という人でも、1994年公開の『フォレスト・ガンプ』(原題: Forrest Gump)なら覚えているかもしれない。北米大陸を何往復も走り続けたフォレストが、「疲れた。家に帰りたい」と、いつの間にか増えていた追随者たちに言い残して立ち去るシーンの背景にあるのがモニュメント・バレーである。
展望台がひとつあるだけの部族公園
映画ファンでなくても、モニュメント・バレーはアメリカ西部を象徴する景観だと言えるだろう。まるで大海原のように広がった砂漠に聳え立つ3つの巨大な岩はピュートと呼ばれている。大昔からの浸食によってできたものだ。はるか遠くから見えていた岩は、近づくにつれて巨大さが明らかになってくる。岩というよりは、それぞれが山のような印象を受ける。
赤茶けた色の岩石がつくる眺望は夜明けと日没時に最も美しい時を迎える。夕陽に照らされて刻々と色を変えていく岩、日の出とともに輪郭が金色に染まる岩、神秘的としか表現しようがない光景なのだ。
自然の景観を比較することは無意味かもしれない。しかし、あえてそれをするならば、モニュメント・バレーはアメリカのみならず世界的にも有名なグランド・キャニオンやヨセミテより、はるかに雄大であり、そして美しい。私はそう思っている。
ところが、である。そのモニュメント・バレーには観光スポットとしての利便性はまったくない。近くには大きな町がなく、公園までは国道が一本通じているだけだ。なぜなら、そこはナバホ・ネイションと呼ばれる北米大陸先住民族の保留地にあり、米国の国立公園ではないからである。
正式名称「モニュメント・バレー・ナバホ部族公園」(Monument Valley Navajo Tribal Park)はその名の通り、ナバホ族の運営によるものである。公園内にはホテルと土産物屋が1軒ずつ、他には展望台しかない。2022年6月時点での入場料は8ドル(約1,000円)だった。園内にはアトラクションのようなものは一切ない。ただ展望台から岩々を眺めることができるだけだ。
周辺を車で回ることはできるが(1周約27キロ)、すべて未舗装の道である。SUVやジープではない普通の乗用車で行けなくもないが、かなり厳しいドライブになるだろう。
観光地化が進まないことで残る絶景
ナバホ・ネイションは米国の南西部(アリゾナ、ユタ、ニューメキシコ)にまたがる、この国最大の先住民保留地である。北海道ほどの広さに、人口は約17万人であるといわれている。米国連邦政府の下に部族政府が存在する、ナバホ族の準自治領だ。
ナバホ・ネイション内にはモニュメント・バレーの他にもホースシュー・ベンドやアンテロープ・キャニオンといった絶景スポットがいくつか点在している。やはりナバホ族の運営によるものだ。最近は所謂「インスタ映え」のする風景として知名度が高まってきてはいるものの、観光地化は必要最低限なレベルに留まっている。
例えば、ホースシュー・ベンドを眺めるスポットへは駐車場から未舗装の砂利道を1キロほど歩かなくてはいけないし、周りには売店やレストランはおろか、自販機すらない。柵やベンチがあるところも限られていて、訪れる人の多くは岩の上に立つか座るかして、この絶景を眺める。
このことがナバホ族の自然観によるものか、あるいは経済基盤が弱いためか、筆者には判断することはできない。数千年前から北米大陸に居住していたナバホ族は米国合衆国との長い戦いの末、1868年に和平条約を結んだ。ナバホ族が保留地内に留まるという条件において、合衆国政府による経済支援とナバホ族による一定の自治権を定めた条約は現在も生きている。
今年3月に亡くなった野田知佑さんはカヌーイストとして有名だが、フリーライターとしての初仕事はナバホ族保留地に数か月滞在することだった。そのときの体験は野田さんの著書『ゆらゆらとユーコン』にある「ナバホの話」という一章に詳しい。川をとりまくウェットな自然をこよなく愛した野田さんが乾燥しきった荒野で当惑する姿が生き生きと描かれているうえ、ナバホ族への深い共感と考察を垣間見ることができる興味深い文章だ。野田さんのご冥福をお祈りするとともに、一読をお奨めする。
「モニュメント・バレー・ナバホ部族公園」(Monument Valley Navajo Tribal Park)
住所:P.O. Box 360289, Monument Valley, UT 84536
電話:+1 435 727 5874
公式ホームページ: https://navajonationparks.org/navajo-tribal-parks/monument-valley/ 
文・角谷剛
日本生まれ米国在住ライター。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。海外書き人クラブ会員(https://www.kaigaikakibito.com/)。
https://serai.jp/tour/1080767

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「スタートアップ」「GX」…看板倒れの「担当大臣」を濫造する政府は“ダメ組織”の典型

2022-09-07 | アイヌ民族関連
マネーポストweb9/6(火) 7:15配信
 岸田政権はスタートアップ担当相(革新的なアイデアで短期的に急成長する企業)やGX(グリーントランスフォーメーション=温室効果ガスの排出につながる化石燃料などの使用を再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換し、経済社会システムや産業構造を変革すること)実行推進担当相など、新たな大臣ポストを新設した。
 では、こうした「担当大臣」はどこまで機能しているのだろうか。経営コンサルタントの大前研一氏が、「担当大臣」を濫造する政府の問題点について指摘する。
 * * *
 第2次岸田改造内閣の顔ぶれについては、旧統一教会との関係や派閥配慮の人事にばかり注目が集まった。結果的に、その直前に鳴り物入りで新設された2つの担当大臣──スタートアップ担当とGX実行推進担当──については、ほとんど話題にならなかった。
 そもそも、この手の「担当大臣」の存在意義自体が私には皆目わからない。
 総理大臣を除く国務大臣の数は、内閣法で「定員14人・上限17人」と定められているが、特別法によって増員が可能で、現内閣は「定員16人・上限19人」だ。この人数の中で内閣府に「特命担当大臣」、内閣官房に「担当大臣」が置かれ、各国務大臣が兼務している。
 内閣府の「特命担当大臣」は、複数の省庁にまたがる長期的な重要課題に対応し、「防災」「沖縄及び北方対策」「金融」「消費者及び食品安全」「少子化対策」の5つは必置で、他に「経済財政政策」「規制改革」「デジタル改革」「原子力防災」「海洋政策」「宇宙政策」「地方創生」「男女共同参画」「クールジャパン戦略」「アイヌ施策」などが置かれている。
 内閣官房の「担当大臣」は、緊急対応すべき政策ごとに首相の判断で任命できる。第2次岸田改造内閣で設置されているのは「スタートアップ」「GX実行推進」「経済再生」「デフレ脱却」「新しい資本主義」「デジタル田園都市国家構想」「経済安全保障」「産業競争力」「行政改革」「国土強靭化」「拉致問題」「領土問題」「ワクチン接種推進」「新型コロナ対策・健康危機管理」「全世代型社会保障改革」「女性活躍」「こども政策」「孤独・孤立対策」などである。
結局は成果ゼロ…まさに「看板倒れ」
 この多すぎる看板を各大臣に割り振っているから、担当大臣の所管範囲が不分明になっている。たとえば、財務大臣は金融担当とデフレ脱却担当を、経産大臣は産業競争力担当やロシア経済分野協力担当を、デジタル大臣はデジタル改革担当を兼務しているが、もとより各大臣はそれらの業務も所管しているはずであり、屋上屋を架している。
 その一方で、経済再生担当大臣が新型コロナ対策・健康危機管理担当や全世代型社会保障改革担当を、国家公安委員長が国土強靭化担当や領土問題担当を兼務しているのは、開いた口がふさがらない。新型コロナ対策や社会保障改革は厚生労働大臣、国土強靭化は国土交通大臣、(外国と係争中の)領土問題は当然、外務大臣が担当すべきである。
 とにかく担当大臣は兼務する分野がカオス状態で、何が何だかさっぱりわからない。なぜ、こんなことになっているのか? 役所が本来やるべき仕事をしていないからである。首相は「こういう政策で新しい看板を立てたい」と思ったら、その分野を所管している役所と協議し、弱い部分があればそこを重点的に強化すればよいのである。役所の側も、足りないところは担当課長を置くなりして強化するので自分たちにやらせてほしい、と言うべきである。それをしていないから担当大臣が濫造されているのだ。
 たとえば、規制改革担当と行政改革担当を兼務しているのは岡田直樹・地方創生大臣だが、これまでどちらの改革も全く進んでいない。すでに消えた「1億総活躍」「働き方改革」などの担当大臣がどんな成果を上げたのかについても検証されていない。要するに、首相が代わるたびに新しい看板を並べ立てているだけで実績は何もないのだ。まさに「看板倒れ」である。
 私は、企業経営に関して「優れた経営者は1つのことだけを言う」「ダメ経営者は次から次へと新しい命令を出して結局、何もできない」と指摘してきた。“ダメ経営者”の下では、いくら部署を新設しても企業は成長しないばかりか、従来の部署で働いていた社員がスポイルされてやる気をなくしてしまうのだ。すなわち、今の政府は“ダメ組織”の典型なのである。
 では、どうすればよいのか? 解決策は2つしかない。1つは、企業経営と同じく、組織が機能するように徹底的に鍛え上げること。もう1つは、緊急対応すべき政策ごとに、世界で実績がある突出した人物1人、企業1社を招聘し、全権を与えて結果が出るまですべてを任せることだ。余人をもって代えがたい人材に全責任を与えてこそ解決の道が見えてくる。逆に言えば、「私は聞く力がある」「みんなで知恵を合わせよう」などと宣って責任を取らないトップがいる会社は、最悪の結果を出すだけなのだ。
【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『大前研一 世界の潮流2022-23スペシャル』(プレジデント社刊)など著書多数。
※週刊ポスト2022年9月9日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/d544e872d9728e0c19cf4d07c75a8dbc1a06632b

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カナダ28人殺傷事件 逃走の容疑者兄弟 兄が遺体で発見 弟は武装して逃走の可能性

2022-09-07 | 先住民族関連
TBS9/6(火) 17:07
カナダ中部で先住民族ら28人が相次いで刃物で襲われ、死傷した事件。2人の容疑者は兄弟で、このうち兄は遺体で見つかりました。弟は逃走中です。
事件現場となった、カナダ中部サスカチワン州ウェルドン。
記者
「こちらの民家に住んでいた、70代の男性も殺害されました。20代のお孫さんが一緒にいたということですが、地下に隠れ生き延びたということです」
近くでは、花を手向ける女性の姿が見られました。
亡くなった男性を知る人
「彼のことは私が小さな頃から知っている。私にとって家族のような人なの。親友でもあったわ。事件のことを聞いた時、私は膝から崩れ落ち、息が出来ませんでした」
サスカチワン州では4日、この現場や、ここから30キロ離れた先住民が多く暮らす地区の合わせて13か所で住民が次々と襲われ、10人が死亡。18人がけがをしました。
事件に関与した疑いのある30代の兄弟、ダミアン・サンダーソン容疑者とマイルス容疑者。警察が逮捕状をとり、行方を追っていましたが。
地元の警察
「遺体はダミアン・サンダーソン容疑者です」
5日、兄・ダミアン容疑者が遺体で発見。複数の外傷があったということですが、いずれも自ら傷つけたものではないとみられるということです。
弟・マイルス容疑者は現在も逃走中です。
地元の警察
「(弟・マイルス容疑者は)武装していると考えています。決して近づかないように」
マイルス容疑者は過去に別の傷害などの事件で服役。条件付きで釈放された後、連絡を絶ったため、今年5月から公開手配されていたということです。
カナダ中を震撼させた今回の事件。
記者
「普段は多くの人が行き交う場所だということですが、地元警察は住人に対して建物からは出ないように注意を呼びかけています」
住民からは不安の声が聞かれました。
高齢者施設を営む女性
「とても不安です。なので、きょうは仕事仲間と一緒にいることにしました。スタッフも1人にならないように。そして、私自身も1人でいるのはいやなので。犯人が捕まるまでは…」
マイルス容疑者は犯行現場の一つ、ウェルドンから南に300キロほど離れたサスカチワン州の州都レジャイナで目撃されているということで、地元警察が行方を追っています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/baf540d1008f82b889ad27f4ea8332f9fcd607d2

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