北海道新聞09/20 21:13

最終日の19日、自らの作品紹介であいさつする藤本監督(左)と影山さん
【新得】ドキュメンタリー作品を集めた「第25回SHINTOKU空想の森映画祭」(実行委主催、北海道新聞帯広支社共催)が19日閉幕した。3日間で700人以上が訪れ、上映や講演、ライブ演奏に拍手を送り、27年間の歴史を惜しんだ。
映画祭は町内在住の映画監督藤本幸久さん(68)を委員長に町内有志が実行委をつくり、1996年に開始。コロナ禍で昨年、一昨年は中止したが、300本以上を上映。沖縄の基地問題や原発、アジアの先住民などのテーマに取り組んだ。
作品の監督と意見交換しながら観客と一緒に楽しむスタイルを貫き、小規模ながら異彩を放ってきた。日本初公開のチェコのアニメーションの上映や来日した作家とワークショップを開くなど海外の映画紹介にも努め、2300人以上が詰めかけた年もある。
今回はアイヌ民族、映画監督原一男さんをテーマに9作品を上映。最終日は「沖縄」を取り上げた。
ロシアのウクライナ侵攻で台湾有事が話題になる中、自衛隊のミサイル基地へと変貌しつつある沖縄・宮古島で暮らすピースアクション実行委代表の清水早子さん(73)は「日米の軍事拠点として沖縄が再び『捨て石』の戦場にされようとしている」と講演した。
共同で沖縄取材する藤本監督と映画監督の影山あさ子さん(58)は、制作中の映画「勝ちゃん―沖縄の戦後」(2023年公開予定)の一部を公開。勝ちゃんこと沖縄の漁師山城善勝さん(77)の生き方を通して米軍占領、米軍機墜落、コザ騒動など苦悩の歩みを描いた力作で関心を呼んだ。
惜しむ声も上がる。町内で有機野菜農場を営み、第1回からシンガーとして関わってきた宇井ひろしさん(67)は「弱者に焦点を当てた作品を発信し、インパクトがあった」。
7年前から手伝う町内のソバ農家の男性(37)は「新得の文化発信拠点として続けてほしかった」と振り返った。
映画祭を終えた藤本監督は「多くの人と出会い、つながった27年間だった。これからは映画づくりに全力を傾けたい」と話した。(伊藤圭三)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/733824/

最終日の19日、自らの作品紹介であいさつする藤本監督(左)と影山さん
【新得】ドキュメンタリー作品を集めた「第25回SHINTOKU空想の森映画祭」(実行委主催、北海道新聞帯広支社共催)が19日閉幕した。3日間で700人以上が訪れ、上映や講演、ライブ演奏に拍手を送り、27年間の歴史を惜しんだ。
映画祭は町内在住の映画監督藤本幸久さん(68)を委員長に町内有志が実行委をつくり、1996年に開始。コロナ禍で昨年、一昨年は中止したが、300本以上を上映。沖縄の基地問題や原発、アジアの先住民などのテーマに取り組んだ。
作品の監督と意見交換しながら観客と一緒に楽しむスタイルを貫き、小規模ながら異彩を放ってきた。日本初公開のチェコのアニメーションの上映や来日した作家とワークショップを開くなど海外の映画紹介にも努め、2300人以上が詰めかけた年もある。
今回はアイヌ民族、映画監督原一男さんをテーマに9作品を上映。最終日は「沖縄」を取り上げた。
ロシアのウクライナ侵攻で台湾有事が話題になる中、自衛隊のミサイル基地へと変貌しつつある沖縄・宮古島で暮らすピースアクション実行委代表の清水早子さん(73)は「日米の軍事拠点として沖縄が再び『捨て石』の戦場にされようとしている」と講演した。
共同で沖縄取材する藤本監督と映画監督の影山あさ子さん(58)は、制作中の映画「勝ちゃん―沖縄の戦後」(2023年公開予定)の一部を公開。勝ちゃんこと沖縄の漁師山城善勝さん(77)の生き方を通して米軍占領、米軍機墜落、コザ騒動など苦悩の歩みを描いた力作で関心を呼んだ。
惜しむ声も上がる。町内で有機野菜農場を営み、第1回からシンガーとして関わってきた宇井ひろしさん(67)は「弱者に焦点を当てた作品を発信し、インパクトがあった」。
7年前から手伝う町内のソバ農家の男性(37)は「新得の文化発信拠点として続けてほしかった」と振り返った。
映画祭を終えた藤本監督は「多くの人と出会い、つながった27年間だった。これからは映画づくりに全力を傾けたい」と話した。(伊藤圭三)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/733824/