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<ウポポイ オルシペ>24 「ビーズ展 アイヌモシリから世界へ」 きらめく美、太古から人類魅了

2021-10-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/06 05:00
「ヤオ◆ケプカムイ(クモ・神)」(貝澤徹作)。クモはアイヌの神として大切で、物語では巣や糸で悪者を捕らえることがある。この木彫作品は展示品の一つで「タマサイ」をイメージしたもの。「トゥム◆」というアイヌの伝統的な技法でクモの糸をビーズのように表現し、クモを飾りとしている
 第3回特別展示「ビーズ展 アイヌモシリから世界へ」が、博物館特別展示室で開催されています。
 この特別展示は大阪の国立民族学博物館、千里文化財団との共催で、アイヌ民族の資料をはじめ世界各地のビーズ資料約750点を集めた展覧会です。ここではビーズを「モノとモノをつなげたモノ」と定義し、極北からアフリカ、南米まで全世界に広がるビーズを一同に見ることができます。
 「ビーズとは何か」「多様な素材」「あゆみ」「つくる」「ビーズで世界一周」「グローバル時代とビーズ」の六つのテーマで展示を構成し、多方面からビーズの紹介をしています。最も古いビーズは、約12万年前に生み出されたといい、以来現在まで世界各地域でさまざまな素材、色彩、技法をもって発展を遂げ、人びとを魅了してきました。そして、モノとモノをつないだビーズが、交易などを通じて人と人をつないできたことも見逃せません。
 日本列島で最古のビーズは、今回展示する渡島管内知内町の「湯の里4遺跡」で発掘されたもので、約2万年前のものです。北海道では、旧石器時代から縄文時代を経て現代に至るまで絶えることなくビーズが使われ、現在のアイヌ民族においても「タマサイ」(ガラス玉の首飾り)が儀礼の時に身につけられています。太古より人類が愛してやまないビーズの魅力に触れてみてはいかがでしょう。(文・写真 藪中剛司=国立アイヌ民族博物館研究学芸部長)

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除を受け、国立アイヌ民族博物館を含むウポポイ(民族共生象徴空間)は今月1日から再開しました。第3回特別展示「ビーズ アイヌモシりから世界へ」は12月5日まで。

(注)見出しと記事中のアイヌモシリの「リ」は小さい「リ」。写真説明の◆は小さい「シ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/596880

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岸田首相、アイヌ政策言及なし 道内関係者、関心低下を懸念

2021-10-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/05 07:59 更新
 岸田文雄首相は4日の就任会見で、アイヌ政策について言及しなかった。菅義偉前首相は安倍政権の官房長官として、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」開業などを推進してきただけに、道内のアイヌ民族関係者は岸田政権のアイヌ政策への関心低下を懸念する。
 白老アイヌ協会の山丸和幸理事長(73)は「岸田首相がアイヌ政策に関心があるのか見えない。ウポポイを拠点とした文化復興事業に対する国の支援が弱まらないか不安だ」と漏らす。
 札幌アイヌ協会の阿部一司会長(74)は、2017年度の道の調査でアイヌ民族の生活保護率が平均より4ポイント高く、大学進学率が12・5ポイント低かったことを指摘。「長年要望してきた生活向上施策は今も具体化されず、貧困と差別が残っている。新政権が取り組むべき課題は山積している」と強調した。(金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/596466

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サンパウロ発のクラフトカシャッサ「カプカーナ」が日本上陸

2021-10-06 | 先住民族関連
メガブラジル 10/05
クラフトカシャッサ「カプカーナ」(写真/divulgação)
これまで日本にはウェーバーハウス、カシャーサ・ダ・キンタ、カルバレイラ、キンタ・ダス・カスタネイラス、サンタマルタ、セレッタ、ファゼンダソレダージ、ボアジーニャなど8以上の銘柄のクラフトカシャッサが輸入されていましたが、2020~2021年、サンパウロ州の蒸留所で作られているカプカーナが新たに上陸しています。
カプカーナを発売しているのは、ジンの「ジン マーレ」を展開しているスペインの起業Global Premium Brands社。日本の輸入元はアレグレス。
同社のHPによると、ブランド名の「Capucana カプカーナ」は、先住民族の言葉で“サトウキビの家”を意味する言葉だそうです。
3つの異なる土地で栽培されたサトウキビが原料に使われ、ブレンド後にフレンチオークの樽で3年間熟成させて完成するとのこと。州内の異なる地域で栽培された3種のサトウキビを使うことで、特徴的なブーケが楽しめる蒸留酒に仕上がっているそうです。
カプカーナは、10月7日(木)、8日(金)に東京ビッグサイト 青海展示棟で開催される「外食ビジネスウィーク2021」ブラジル・パヴィリオン内カシャッサ・カウンシル・ジャパン のブースで紹介されます。
(文/カシャッサ麻生)
https://megabrasil.jp/20211005_49415/

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松野長官“「ウポポイ」早い時期に視察を”

2021-10-06 | アイヌ民族関連
日テレNEWS24 2021/10/05 18:43
松野官房長官は会見で、アイヌ文化復興の拠点、「ウポポイ」について「できるだけ早い時期に視察したい」と述べました。
「ウポポイ」は去年7月、アイヌ文化復興と創造などに向けた拠点として北海道・白老町にオープンした施設です。政府のアイヌ政策推進本部長を兼任する松野長官は、できるだけ早い時期に視察したい考えを示しました。
松野長官「アイヌの人々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するために重要なことである。ウポポイをできるだけ早い時期に視察をさせていただきたい」
また松野長官は、「様々な政策ツールを総動員して、アイヌの皆さまに寄り添って、アイヌ施策の推進に全力で取り組む」と意気込みを語りました。
https://news.goo.ne.jp/article/ntv_news24/politics/ntv_news24-20211005951019.html

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北海道、沖縄を早期訪問=松野官房長官

2021-10-06 | アイヌ民族関連
時事通信 2021/10/05 13:17
 松野博一官房長官は5日の記者会見で、アイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(北海道白老町)を早期に視察し、米軍基地が集中する沖縄県も訪問したいとの意向を表明した。松野氏は政府のアイヌ政策推進本部長も務め、沖縄基地負担軽減担当相を兼務している。
 アイヌ政策について「アイヌの方々が誇りを持って尊重される社会の実現に向けてしっかり取り組んでいきたい。アイヌの皆さまに寄り添っていきたい」と強調。沖縄の基地問題に関しては「戦後75年(以上)経た今日でも大きな負担を担っていただいている。岸田政権で基地負担軽減が最重要課題であることは変わりない」と語った。 
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-211005X937.html

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30回目 国内6組出演 「スキヤキ」福野で23、24日

2021-10-06 | アイヌ民族関連
中日新聞Web 2021/10/05 05:00

インドネシアの打楽器「ガムラン」や影絵のステージ演出で注目を集める音楽ユニット「滞空時間」=実行委提供(中日新聞Web)
 南砺市が誇るワールドミュージックの祭典「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」が二十三、二十四の両日、市福野文化創造センター「ヘリオス」で開かれる。三十回目を迎えた今回は、日程を当初の三日間から二日間に短縮し、海外のアーティストは招待せずに国内在住の六組が出演する。
 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止。二年ぶりの今回は、感染防止策として、野外ステージなどを取りやめて、有料の「ヘリオスステージ」のみ開催する。座席を一席ずつ間隔を空けるほか、公演は動画投稿サイト「ユーチューブ」で生配信する。
 二十三日の初日には、アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」を生かし、アイヌ民謡とロック、レゲエを融合させた音楽で人気を博すバンド「オキ・ダブ・アイヌ・バンド」が登場。二日目の二十四日は「架空の島の民謡」をコンセプトに、インドネシアの打楽器「ガムラン」や影絵のステージ演出で注目を集める音楽ユニット「滞空時間」が出演する。
 ほかに、埼玉県東秩父村を拠点に活動する「アジャテ」や、同祭典を機に結成された「スキヤキ・スティール・オーケストラ」なども出演。担当者は「いま最も注目のバンドからベテランまでがそろい、スキヤキらしい見応えあるラインアップ」と自信を見せる。
 前売り券は一般三千五百円、高校生以下五百円。二日間のセットでは一般六千円、高校生以下千円。(問)実行委事務局0763(22)1125 (広田和也)
https://news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-342173.html

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中国で「男らしくない男性」が標的に…?「ブロマンス」規制とESGで揺れる“大国の矛盾”

2021-10-06 | 先住民族関連
現代ビジネス 10/5(火) 8:02配信
いまや世界の潮流となったESG投資。その拡大は、LGBTQ支持の動きと無縁ではない。ESGの「S=社会」に含まれる「ダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包括)」は、性別、年齢、人種、出身地、身体的特徴、性的指向などで異なる属性を持つ人々、あるいは価値観や考え方、文化的背景が異なる人々が共存・共栄できる社会を作ろうという考え方だ。
しかし、そんな時流に反するかのように、ダイバーシティー推進に抑制的な規制を強めているのが中国だ。男性同士の熱い絆を描く「ブロマンス」作品への締めつけからから、いま大国が抱える矛盾を、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏があきらかにする。
ESGの観点からも無視できない「LGBTQ」
 「世間はいつだってうるさいです。でも結局、今の自分たちにとって一番大事なものは何かってことだと僕は思います」
 これは、2018年に大ヒットしたテレビ朝日系列のドラマ『おっさんずラブ』の名台詞。日本だけでない。最近では、タイ、台湾、韓国などアジア全体でBL(ボーイズラブ)系のドラマや映画が目立つようになった。過去に比べれば、性的マイノリティーに対する社会的認知が拡大しているのだろう。
 環境や社会、企業統治に配慮することが長期的な企業の成功やリスク軽減に役立つという考え方、「ESG(環境、社会、ガバナンス)」については過去記事でも度々取り上げてきた(参考:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55538)。
 ESGの「S=社会」の中にはD&I、すなわちダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包括)という項目がある。それは、性別、年齢、人種、出身地、身体的特徴、性的指向などで異なる属性を持つ人々、あるいは価値観や考え方、文化的背景が異なる人々が共存・共栄できる社会を作ろうという考え方だ。ESGの理念は、多様な人々がありのままで受容、尊重され、活用される組織を目指している。
 ESG投資は、今や明らかに世界の潮流だ。GSIA(世界持続可能投資連合)によれば、2020年時点でESG投資の運用資産額は35兆ドル(約3800兆円)以上に上る。日本でもESG投資は過去5年間で170%近く伸びている。
 性的マイノリティーの呼称については、最近では「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)」に加えて、自分の性的指向が良く分からない人、あるいはそれをあえて固定的に定義しない人、という意味の「Q(クイアー、もしくはクエッショニング)」を加えて、「LGBTQ」という呼び方が増えている。
 投資の世界でのESG拡大は、世の中のLGBTQ支持の動きと無縁ではない。米アップル社のティム・クックCEO(最高経営責任者)は、2014年に同性愛者であることを公表した。米国でも、フォーチュン500に掲載される大企業のCEOが自らが同性愛者だと公表したのは、これが初めてのことだった。
 クック氏は自らサンフランシスコの「プライド・パレード」に参加するなど、積極的にLGBTQ権利擁護の推進に努め、それがアップルのブランドやESG格付けにも好影響を与えている。
 ESG投資と社会的な関心が拡大する中、企業も「沈黙は金なり」とダンマリを決め込むわけにはいかなくなっている。LGBTQの米連邦「平等法(Equlity Act)」に賛同を表明する企業は、現在全米500社近くに上る。アップルやスタバだけではなく、アマゾン、フェイスブックやグーグル、コカ・コーラやペプシ、テスラなど多くのメジャー企業が賛同を表明している。
バイデン政権でダイバーシティー「最悪の年」に
 日本でもパナソニックやソニーをはじめ、同性愛者の従業員に配慮する方針を打ち出す企業が増えているし、日本のLGBT平等法にもヤフーや楽天など多くの企業が賛同を表明している。
 ただ、日本でも6月にLGBT法案の国会提出が見送られたように、幅広い社会的認知への道のりは険しい。米国の連邦「平等法(Equality Act)は2019年の5月に下院を通過し、バイデン政権誕生で成立なるかと期待されたが、足元では保守層からの大きな反動が起きている。
 特に州レベルでは、今年の7月までに139もの反LGBTQ法案が提出され、そのうち17法案が8つの州で成立するなど、LGBTQ推進派にとっては、2021年は逆に「最悪の年」になってしまったのだ。共和党が多数を占める上院では、連邦政府の平等法の通過の見込みも薄い。
 「宗教の自由」を理由に性的マイノリティー差別を正当化する州もある。例えば、「バイブル・ベルト(聖書地帯)」と呼ばれる宗教的保守層の強い州の一つであるミシシッピ。
 過去の裁判を経て、今では同性婚も同性カップルが養子を迎えることも認められているのに、宗教的信条を理由にすれば、結婚式場が同性愛者を締め出したり、業者がウェディングケーキの注文を拒んでも違法ではない。
 さらに医療や就労、就学、賃貸物件への入居など、生活に関わる広範囲な分野で性的マイノリティーがLGBTQを理由に差別されても、宗教的理由があれば合法だとされてしまうのだ。
 地域間の文化的衝突も先鋭化している。LGBTQ推進派のカリフォルニア州は、新たに反LGBTQ法を成立させたフロリダ、モンタナ、ウェストバージニア、アーカンソー、ノースダコタの5州を、公費での渡航を規制するリストに追加した。
 こうした中で、態度表明に苦慮する企業も少なくない。平等法を支持したはずの企業の中にも、地方に事業拠点の多いAT&Tやウォルマート、CVSなどが、反LGBTQ派の議員に政治献金をしていた例がある。
 グローバルな投資マネーはダイバーシティー、つまり多様性のある社会推進の方向に進んでいるが、それを脅威と考える保守層との衝突は、グローバル化の恩恵を享受しない地域を激しさを増している。
中国で勢いを増す「ブロマンス」ドラマだったが…
 さて中華圏に目を移すと、台湾ではすでに同性婚が認められており、2003年には公共放送が同性愛者の生きづらさを描いた社会派ドラマ「ニエズ(孽子)Crystal Boys」を放送して、大きな反響を呼んだ。
 一方中国では、同性愛が解放改革運動の中で非犯罪化されたのが1997年、国が指定する「精神疾患リスト」から除外されたのが2001年のこと。今でもあらゆるエンターテイメントで同性愛を描くことは禁止されている。
 でも、日本やアジア諸国同様、「ジャニーズ」系や韓国「BTS」系の中性的な美少年アイドルは超人気。特に男性同士の「ブロマンス(ブラザーとロマンスを掛けた造語、男性同士の強い絆を表す)」ドラマは、もう爆発的と言って良いほどの人気ぶりなのだ。
 中国ネット大手のテンセント(騰訊)が2019年に自社制作した時代劇風ファンタジー『陳情令』がその典型で、中国での再生回数が昨年10月時点で80億回を突破。日本でも現在dTVなどで配信されていて話題になっている。
 全部で50話もあるが、部族間の戦いや栄枯盛衰の物語はスケールが大きいし、空を舞う剣士も怪獣も魔物もゾンビも出てきてエンターテイメント満載。そこに俳優は絵になるイケメンばかりだから、別に「腐女子」でなくてもハマった人は多い。
 原作小説は男性同士の恋愛を描いており、原作者の女性が服役中だという噂もあるが、確認は出来ない。検閲をパスしたテレビドラマでは男達の「友情」を描いていることになっているので、「愛情」をあからさまに示す言葉や行為はない。
 でも二人の男性の仕草や視線がきめ細かく演出されており、そこからはお互いに対する感情が十分に伝わってくる。むしろそうした抑制された緊張感があるからこそ、ドラマが高く評価されたのだろう。
 だが中国版「ブロマンス」は、今後もう見られなくなるかもしれない。中国政府が「男性らしくない男性」を規制する動きに乗り出したからだ。
「男らしくない男性」が当局の標的に
 9月2日、中国メディアを統括する国家広播電視総局が、愛党愛国や芸術産業の高潔な文化の育成のためだとして、通達を出した。
 その中で突出していたのが、「娘炮(にゃんぱお)などの奇形の美意識」は「断固として根絶」されるべき、という一文だ。娘炮とは、女性ぽい男性を蔑視する差別的な表現。今やメインストリームの若者文化を「奇形の美意識」だと断定して「断固として根絶」するというのだから、ただごとではない鼻息の荒さだ。
 これに先立つ8月28日の中国共産党中央委員会傘下の機関紙・光明日報を読めば、「ブロマンス」物が標的の一つにされていることは読み取れる。いわく、男性俳優の容姿は「男女の区別がつかない」、主役男性らは「桃の花のように」(=若い女性のように)化粧していて、戦闘場面でも服装や髪が乱れず、格好ばかり気にしている、と論説でこき下ろしている。
 同時にアイドル発掘番組やネットなどでのファン投票も禁止となった。背景には、特定タレントを応援するファンの間での誹謗中傷合戦やオンラインでアイドルに金銭を送る「投げ銭」行為が加熱していた事情もある。
 特に前述の『陳情令』をめぐっては、昨年2月に起きた騒動が当局の不興を買ったようだ。
 きっかけは主役俳優の肖战(シャオ・ジャン)を応援するファンらが、ある同人小説(「陳情令」の二次創作で性的描写を含んだもの)に腹を立て、集団で当局に通報しようとソーシャルメディアで呼びかけたこと。それが検閲につながったらしく、同人雑誌のサイト「AO3 (Archive of Our Own)」が、数日後に突然中国でアクセス不能となったのだ。
 AO3は非営利団体が運用する世界的な同人小説のプラットフォームだ。海外に拠点があるから中国政府が直接サイトを管理しておらず、多くの人々が自由な創作表現を密かに楽しんでいた。AO3がアクセス不能になると、今度はこれに怒った反シャオ・ジャン派が、彼がCMに起用されている商品のボイコットを呼びかけるなど、ファン同士の行動が過激化していった。
ESG投資の「社会」と中国の矛盾
 こうしたファン側の問題もあるものの、中国の最近の規制は、「男らしさ」「女らしさ」を国家が決める、という思想の領域にまで踏み込んでしまった。
 だが、中国は文化的にはダイバーシティー推進に抑制的な政策を実施しながら、企業のESG開示については積極的に推進している。特に政府が2060年を目標とする「カーボンニュートラル(CO2排出量ネットゼロ)」方針を打ち出したこともあって、環境省の指示による企業のESG開示が昨年から義務付けられており、「環境」については業界水準より高い評価を得る企業も出てきた。
 でもESGには「社会」や「ガバナンス(企業統治)」の項目もある。ESGを本気で遵守しようと思えば、そのグローバルスタンダードであるGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)に規定される「ダイバーシティーと機会均等」、「非差別」、「結社の自由と団体交渉」、「先住民族の権利」なども、本来はクリアしなくてはならないはずだ。
 世界への進出を目指す中国企業は、内と外で異なるスタンダードに挟まれて、ますます苦悩を強めている。「陳情令」を製作したテンセント(米国ADR:TCEHY)の時価総額は、9月中旬時点で日本円で60兆円規模。トヨタの二倍だから、世界的な大企業だ。
 だが今年2月のピークの時価総額は100兆円規模だった。昨今の米中対立の中、米国に株式を上場する企業への風当たりが強まったことから、半年ちょっとで約40兆円もの価値が消えたのだ(米国に株式を上場する中国企業の苦悩についてはこちら:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85678)。
 最近では主力のオンラインゲーム事業でも監督官庁に呼び出されたり、「未成年者のビデオゲームは週3時間以内」とすることなどの規制強化を受け、株価がさらに低迷している。
 テンセントは今年に入って、日本円で8000億円以上の資金を貧困対策や教育、環境プロジェクトに投じる方針を発表している。それでもESGの総合評価は業界の真ん中くらいで高くはない。
 女性の従業員比率は開示しているが、人種・文化的・性的マイノリティーなどの就労や権利についての方針は不明だ。ESG評価では、中国企業は一般的に「社会」や「ガバナンス」についての開示が不十分で、リスクが同業他社より高いと見なされている。
 「資本主義は民主主義でなくても繁栄する」という事例は、1970年代に南米チリで軍事独裁ピノチェト政権が台頭した時に示された。でも、ESGの考え方を採るなら、資本や株は、マイノリティーの人権を含めた「社会」と切り離せないはずだ。
小出 フィッシャー 美奈(経済ジャーナリスト)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5825de08f0a2922491c645670e8872b00f02a26e?page=1

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ノースウッズに恋した写真家 大竹英洋:先住民から学んだ生命の大地 (最終回)

2021-10-06 | 先住民族関連
ニッポンコム 2021.10.06
母グマのそばで相撲を取るホッキョクグマの子グマたち(撮影:2015年)
自然写真家の大竹英洋が自らの軌跡を書き下ろす5回シリーズの最終回。20年前、夢に現れたオオカミに始まった探求の旅。森の恵みに感謝して生きる先住民との出会いが、自然への理解を深めてくれた。
自然と共に生きる
【第4話:森林火災といのちの営みから続く】
僕が野生のオオカミの姿を追い求め、撮影フィールドと定めたノースウッズは、北米大陸の中央北部に広がる森と湖の世界だ。この一帯は、約1万年前まで氷河に覆われていたが、氷河期が終わると人間が狩猟採集の暮らしを始めた。現在、中央の森林地帯には自らをアニシナベと称する先住民が多く暮らしている。
そもそも自然に引かれたのは、大学時代に沢登りでのキャンプを経験し、都市生活や現代社会の問題を見つめ直すことができたからだった。長年、自然と共に生きてきた先住民たちの暮らしや文化に興味を持つのは当然の流れだった。
2007年秋、アニシナベの長老たちとウッドランド・カリブー州立公園内の小屋で時を過ごす機会があった。考古学者も同行し、石器のかけらがあちこちで見つかり、つい最近までそんな暮らしがあったことを実感した。カヌーで3週間の旅をしたときは、地球上に僕らしかいないような孤独を感じたが、そこは全て先住民たちの生活の場だったのだ。
受け継いだ土地を守る
カナダの先住民は国と条約を結び、伝統的な狩猟や土地利用の権利を保障されている。しかし実際には、先住民の文化の継承には断絶があった。19世紀末から20世紀後半まで政府の同化政策によって先住民は強制的に寄宿学校へ送られ、彼らの文化と言語が否定された。昔からの狩猟地は公共の土地とみなされ、同意なしに開発されるケースもあった。化学工場からの水銀汚染でオンタリオ州のグラッシー・ナロウズでも水俣病が発生するなど、伝統的な暮らしは常に脅かされていた。
この土地を守るために立ち上がったのが、マニトバ州出身のソファイア・ラブロースカスだった。彼女は、村人の土地利用の実態をまとめた地図を作製し、アニシナベにとって森と湖がなくてはならないことを示した。ダムの建設計画が持ち上がったのをきっかけに、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録を目指すことにした。そこには、僕の撮影フィールドも含まれていた。
授かった精霊名は白いオオカミ
初めてソファイアと出会ったのは2010年の夏、ヒーリング・キャンプだった。誰でも参加でき、自然の中で心の傷を癒やし、自分たちのルーツを取り戻すのが目的だった。
スエット・ロッジは浄化と再生をつかさどる重要な儀式だ。ドーム型の木枠に布をかぶせ、地面の穴に焼いた石を積み、薬草を煮出した湯をかける。神話が語られ、ドラムが鳴り響き、それに合わせて歌う。参加者は暗闇で車座になり、発生した蒸気に包まれて汗をかき、1人ずつ身の上を語るのだ。僕がオオカミの夢を見てここへたどり着いたことを話すと、その場で「白いオオカミ」を意味する精霊名を授かった。アニシナベにとって、オオカミは謙虚さの象徴で、コミュニティー間の懸け橋になるという。
生命を与える大地
ソファイアたちが目指している世界遺産の登録名称は「ピマチオウィン・アキ」。「生命を与える大地」を意味する。巨大な遺跡や固有種など、分かりやすい保護対象もなく、ユネスコへの説明は困難を極めた。活動を始めてから10年以上が過ぎた2018年7月、カナダ初の世界複合遺産に登録された。この自然を維持する活動が、やっとスタート地点に着いたと言えるだろう。
その秋、念願だったムース(ヘラジカ)狩りに同行した。アニシナベの家族たちと野営をし、魚を捕まえ、薬草をつみ、約1週間後にムースが捕れた。ムースの解体は「作業」ではなく、自然の恵みに感謝する「儀式」だった。
環境に適応して生きる野生動物たち
ノースウッズの北限にあるハドソン湾岸の町、チャーチル。ホッキョクグマの撮影地として有名なこの地を初めて訪れたのは2013年秋だった。彼らの主食はアザラシ。海氷上で休んだり、呼吸穴に戻ったりしてくるところを襲う。海が凍り始める11月中旬を狙って、ホッキョクグマが集まってくるのである。
15年2月にはチャーチル近郊で、生後3カ月の子グマが巣穴から初めて地上に姿を現すのを待った。体感気温マイナス50度の中、巣穴の前に通い続けること12日。やっと子グマたちが現れた。厳しい環境に適応して生きる野生動物のたくましさを感じた。
さらに森を深く理解するのに、ジム・ダンカン博士との出会いが大きかった。世界的なフクロウ学者の彼は、カラフトフクロウの研究を30年以上続けてきた。2015年の春、彼の協力で、カラフトフクロウの抱卵から子育て、巣立ちまでを地上5メートルに組んだやぐらから記録した。アメリカフクロウやトラフズク、アメリカワシミミズクの営巣も一緒に観察した。フクロウはどの種も自分では巣を作らず、樹洞(じゅどう)やキツツキの穴、あるいはカラスやワシ・タカ類の巣を利用する。種によって好みの巣の形態や食べ物が異なり、生息域も分かれている。フクロウのすみ分けを知ることで、同じように見える森にも細かな違いがあることが分かった。
ノースウッズを旅する中、数年おきに写真絵本を刊行していた。なぜ⻑年同じ場所に通い続けるのか。その理由を感じてもらえるよう、大切にしている場面を集めて言葉を添えた『森のおく 湖のほとり』。 そして、幼児を対象とした『もりはみている』(共に福音館書店)。僕が森を見ていたのではなく、「森に見られていた」という感覚を絵本に込めた。
念願の写真集と新型コロナの嵐
人や情報のネットワークが徐々に広がるにつれ、さまざまなことが実りを迎え始めた。
2018年3月、ついにイリー郊外で鹿肉を食べるオオカミの群れと遭遇した。ようやく森での暮らしぶりを垣間見ることができたのである。その10日後、『そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森ノースウッズ』(あすなろ書房)が梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞した。野生のオオカミを探すため、1999年に初めてイリーを旅した時のことをつづった本だった。
以前から、大きな写真展の開催が決まったら写真集を出そうと、出版社と話をしていた。2020年2月末からの2週間、東京ミッドタウンのフジフイルムスクエアで写真展を開くことが決まった。ついに機が熟したのである。
最初の写真集の刊行が決定した。序文を書いてもらうのは、憧れの写真家ジム・ブランデンバーグ以外、考えられなかった。ミネソタまで行ってお願いすると二つ返事で承諾してくれた。送られてきたテキストを読んで、目頭が熱くなった。「情熱をわかちあい、ともに生きることから結ばれる兄弟の絆――わたしたち2人は同じ道を歩んだのだ」という言葉がつづられていた。20年前、ジムのアシスタントになる夢はかなわなかったが、それにも意味があったのだと思えた。
しかし、人生には予期せぬ困難が付きまとう。写真集が完成し、フジフイルムスクエアでの写真展が始まる直前、新型コロナが襲ってきた。初日の講演が無くなり、写真展も会期の半分を残して中止となった。緊急事態宣言で書店も閉じてしまい、写真集を届けたいという思いはコロナの嵐の前にかき消されてしまいそうだった。
オオカミに導かれて旅は続く
2021年2月、仕事で北海道に出掛けた。先住民アイヌについて学ぶ良い機会だと思い、伝統が色濃く残る二風谷コタン(平取町)とアイヌ文化を紹介する国の複合施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)にも足を運んだ。ウポポイの屋外を歩いているとき、土門拳賞受賞の知らせを受け取った。その瞬間、冷たい風が体の中を吹き抜けていくようだった。と同時に、身が引き締まる思いがした。
この20年間、森の中を手探りで進んできた。行き止まりにぶつかり、回り道を余儀なくされたこともあった。それでも、自分が定めた遠い目標に向かって歩み続けられたのは、多くの人々の支えがあってこそだった 。
しかし、この場所にとどまってはいられない。まだノースウッズにも足を踏み入れていない場所がたくさんある。急速に変わる先住民の暮らしも記録したい。そして何より、満足のいくオオカミのポートレートがまだ撮れていない。東京で育った僕がどこまで野生のオオカミに近づけるのか。その過程こそが、今伝えたい人間と自然の物語なのである。
写真家を目指したあの日、夢に現れたオオカミは、いったい僕をどこへ導こうとしているのだろう。それをこの目で見届けるべく、これからも旅は続く 。【完】
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/b09305/

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【動画】秋の味覚シシャモ漁解禁―かつての大衆魚、いまや希少種に:北海道むかわ町

2021-10-06 | アイヌ民族関連
ニッポンコム 2021.10.05
北海道の秋の味覚シシャモ漁が10月4日、むかわ町で解禁となった。産卵期が近づき、シシャモが沿岸に集まってくるところを、袋状の網を流しながら、船で引いて漁獲する。シシャモの名はアイヌ語の「ススハム=柳の葉」に由来する。水揚げしたばかりのシシャモは風に揺れる柳の葉のようにキラキラと輝いている。
シシャモは北海道の太平洋沿岸の一部でしか漁獲されない。かつては、川が真っ黒に見えるほど遡上(そじょう)し、漁獲量の多い大衆魚だったが、漁法の進化による乱獲や、川や海の環境変化で近年は水揚げが不安定だ。
全国のスーパーにお手頃価格で並ぶ「子持ちシシャモ」は、北太平洋や北大西洋に広く分布する「カラフトシシャモ」で、見た目は似ているが、北海道のシシャモとは味も生態も異なるという。むかわのシシャモは、希少な魚として珍重されるようになっている。
漁協では漁期を毎年最大40日間に制限し、ふ化場を新設するなど資源保護にも取り組んでいる。
https://www.nippon.com/ja/japan-video/ct171000083/

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