北海道新聞 10/06 05:00
「ヤオ◆ケプカムイ(クモ・神)」(貝澤徹作)。クモはアイヌの神として大切で、物語では巣や糸で悪者を捕らえることがある。この木彫作品は展示品の一つで「タマサイ」をイメージしたもの。「トゥム◆」というアイヌの伝統的な技法でクモの糸をビーズのように表現し、クモを飾りとしている
第3回特別展示「ビーズ展 アイヌモシリから世界へ」が、博物館特別展示室で開催されています。
この特別展示は大阪の国立民族学博物館、千里文化財団との共催で、アイヌ民族の資料をはじめ世界各地のビーズ資料約750点を集めた展覧会です。ここではビーズを「モノとモノをつなげたモノ」と定義し、極北からアフリカ、南米まで全世界に広がるビーズを一同に見ることができます。
「ビーズとは何か」「多様な素材」「あゆみ」「つくる」「ビーズで世界一周」「グローバル時代とビーズ」の六つのテーマで展示を構成し、多方面からビーズの紹介をしています。最も古いビーズは、約12万年前に生み出されたといい、以来現在まで世界各地域でさまざまな素材、色彩、技法をもって発展を遂げ、人びとを魅了してきました。そして、モノとモノをつないだビーズが、交易などを通じて人と人をつないできたことも見逃せません。
日本列島で最古のビーズは、今回展示する渡島管内知内町の「湯の里4遺跡」で発掘されたもので、約2万年前のものです。北海道では、旧石器時代から縄文時代を経て現代に至るまで絶えることなくビーズが使われ、現在のアイヌ民族においても「タマサイ」(ガラス玉の首飾り)が儀礼の時に身につけられています。太古より人類が愛してやまないビーズの魅力に触れてみてはいかがでしょう。(文・写真 藪中剛司=国立アイヌ民族博物館研究学芸部長)
◇
新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除を受け、国立アイヌ民族博物館を含むウポポイ(民族共生象徴空間)は今月1日から再開しました。第3回特別展示「ビーズ アイヌモシりから世界へ」は12月5日まで。
(注)見出しと記事中のアイヌモシリの「リ」は小さい「リ」。写真説明の◆は小さい「シ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/596880
「ヤオ◆ケプカムイ(クモ・神)」(貝澤徹作)。クモはアイヌの神として大切で、物語では巣や糸で悪者を捕らえることがある。この木彫作品は展示品の一つで「タマサイ」をイメージしたもの。「トゥム◆」というアイヌの伝統的な技法でクモの糸をビーズのように表現し、クモを飾りとしている
第3回特別展示「ビーズ展 アイヌモシリから世界へ」が、博物館特別展示室で開催されています。
この特別展示は大阪の国立民族学博物館、千里文化財団との共催で、アイヌ民族の資料をはじめ世界各地のビーズ資料約750点を集めた展覧会です。ここではビーズを「モノとモノをつなげたモノ」と定義し、極北からアフリカ、南米まで全世界に広がるビーズを一同に見ることができます。
「ビーズとは何か」「多様な素材」「あゆみ」「つくる」「ビーズで世界一周」「グローバル時代とビーズ」の六つのテーマで展示を構成し、多方面からビーズの紹介をしています。最も古いビーズは、約12万年前に生み出されたといい、以来現在まで世界各地域でさまざまな素材、色彩、技法をもって発展を遂げ、人びとを魅了してきました。そして、モノとモノをつないだビーズが、交易などを通じて人と人をつないできたことも見逃せません。
日本列島で最古のビーズは、今回展示する渡島管内知内町の「湯の里4遺跡」で発掘されたもので、約2万年前のものです。北海道では、旧石器時代から縄文時代を経て現代に至るまで絶えることなくビーズが使われ、現在のアイヌ民族においても「タマサイ」(ガラス玉の首飾り)が儀礼の時に身につけられています。太古より人類が愛してやまないビーズの魅力に触れてみてはいかがでしょう。(文・写真 藪中剛司=国立アイヌ民族博物館研究学芸部長)
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新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除を受け、国立アイヌ民族博物館を含むウポポイ(民族共生象徴空間)は今月1日から再開しました。第3回特別展示「ビーズ アイヌモシりから世界へ」は12月5日まで。
(注)見出しと記事中のアイヌモシリの「リ」は小さい「リ」。写真説明の◆は小さい「シ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/596880