先住民族関連ニュース

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ビーズの特別展、ウポポイで2日開幕

2021-10-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/02 05:12 更新
 【白老】胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の国立アイヌ民族博物館は2日から、国内外のガラス玉や貝殻などをつなぎ合わせたビーズの特別展「ビーズ アイヌモシリから世界へ」を開催する。
 大阪府吹田市の国立民族学博物館が開いた特別展の巡回展示。アイヌ民族の女性の首飾り「タマサイ」や、木の実、虫の羽などの素材をつないだものなど約500点が並ぶ。
 1日に報道陣に公開され、佐々木史郎館長は「ビーズは昔から世界各地で人々をつないできた。1点1点の面白さをじっくり見てほしい」と話した。
 ウポポイと博物館は緊急事態宣言の解除に伴い、1日から営業を再開したが、引き続き事前予約が必要。特別展は12月2日までで、ウポポイ入場料とは別に大人300円、高校200円、中学生以下無料。(小林彩乃)
※「アイヌモシリ」の「リ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/595614

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ウポポイでビーズ通してアイヌ民族と世界のつながり知る特別展

2021-10-02 | アイヌ民族関連
NHK 10月01日 20時21分

アイヌ民族と世界の民族とのつながりを「ビーズ」を通して知ってもらう特別展が、白老町のウポポイにある国立アイヌ民族博物館で2日から始まります。
この特別展は、石や貝殻などをつなげて作る「ビーズ」を通して、アイヌ民族と世界の民族との関わりなどについて知ってもらおうと、国立民族学博物館と国立アイヌ民族博物館が企画しました。
2日から開催されるのを前に1日は報道関係者に会場が公開されました。
展示室には、アイヌ民族に伝わるビーズでできた工芸品のほか、世界の民族の作品などおよそ500点が紹介されています。
このうち、アイヌ語で「タマサイ」と呼ばれる首飾りはアイヌの女性が親から子へと受け継いできたもので、青や白など色とりどりのガラス玉が使われています。
またナイジェリアのヨルバ族が木製の骨組みにガラスのビーズをつなげて作った人型のビーズの像は、王様を模した敬意の象徴とされています。
国立民族学博物館の池谷和信教授は「現代にも身近にあるビーズとさまざまな民族とのつながりを感じてほしい」と話していました。
特別展は2日から12月5日まで白老町の国立アイヌ民族博物館で開かれます。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20211001/7000038808.html

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「映画『Ainu | ひと』の鑑賞とお話でアイヌ問題を学ぶ」が開催されます

2021-10-02 | アイヌ民族関連
倉吉市 2021/10/01

日にち 2021年11月13日(土曜日)
時間 13時30分から16時30分(開場 : 13時から)
場所 倉吉未来中心 小ホール(倉吉市駄経寺町212−5)
内容 映画上映 13時30分から15時00分
映画『Ainu | ひと』 (製作・監督・撮影・編集 : 溝口 尚美)
講演 15時10分から16時30分
アイヌの現状とアイヌ語の未来(アイヌ語講師:関根 摩耶)
「アイヌ文化振興法」制定にいたる思いと今(「アイヌ法」とは何かを共に考える:深田 哲士)
定員150名様(事前予約不要・手話通訳有)
入場無料
後援団体 倉吉市、倉吉市人権教育研究会/他
主催・お問い合わせ先
「映画とお話でアイヌ問題を学ぶ」実行委員会事務局
〒682−0024 鳥取県倉吉市伊木232−8 TEL. 090−1685−1478 (三谷)
https://www.city.kurayoshi.lg.jp/gyousei/div/sangyou/jinkenseisaku/p108/

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【日本橋高島屋】「大北海道展(10/6~)」連動イベントの開催を”追加決定”。アイヌ文化を発信する関根摩耶氏のトークイベント、よさこいソーラン演舞など。

2021-10-02 | アイヌ民族関連
JIJI.COM 2021年10月2日(土)
[株式会社高島屋]
10月6日~18日に開催する「大北海道展」に連動したイベントを6日・9日・10日の3日間開催いたします。
アイヌ文化を発信する大学生、関根摩耶氏のトークイベント、北海道ゆかりの三國シェフ、脇屋シェフ、堀川シェフのトークイベント、「よさこいソーラン演舞」など楽しいイベント満載です。

※「大北海道展」の詳細は、下記HPをご参照ください。
https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/hokkaido/index.html
★イベントスケジュール★
【1階正面ステージ 】トークイベント
■10月6日(水)午前11時・午後2時 
「私の家族、私の故郷~アイヌ文化継承の地 二風谷~」
 <出演>関根摩耶氏(アイヌ語・アイヌ文化を発信する大学生)
■10月6日(水)午後1時    
「北海道ゆかりの3シェフによるトークイベント」
 <出演>三國清三シェフ、脇屋友詞シェフ、堀川秀樹シェフ
■10月9日(土)午前11時・午後2時
「私の家族、私の故郷~アイヌ文化継承の地 二風谷~」
<出演>関根摩耶氏(アイヌ語・アイヌ文化を発信する大学生)
■10月9日(土)午後1時・午後3時
「北海道ワインの新しい魅力~田辺由美と阿部眞久によるワインの世界への誘い~」
<出演>田辺由美氏(北海道ワインアカデミー名誉校長)・阿部眞久氏(NPO法人ワインクラスター北海道代表理事)
【屋上特設会場】
■10月10日(日)正午・午後2時
よさこいソーラン演舞 by 東京YOSAKOIチーム燦-SUN
■10月10日(日)午後1時・午後3時
江差追分
※予定は変更になる場合がございます。
※屋上特設会場で開催の「よさこいソーラン」「江差追分」は荒天時は中止となります。
※日本橋高島屋の感染拡大防止に向けた取り組みについては、下記HPをご覧ください。
https://www.takashimaya.co.jp/store/aboutinfo/excuse/200513/index.html
企業プレスリリース詳細へ (2021/10/01-17:47)
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000107.000069859&g=prt

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アマゾン先住民の村に単身滞在 自給自足生活、アヤワスカ体験を詩的な映像で捉えた異色ドキュメント「カナルタ 螺旋状の夢」監督に聞く

2021-10-02 | 先住民族関連
映画.OM 10/1(金) 18:00
 英国マンチェスター大学で映像人類学の博士課程に属し、卒業制作のためエクアドル南部のアマゾン熱帯雨林に暮らすシュアール族の村に1年間滞在した太田光海監督によるドキュメンタリー「カナルタ 螺旋状の夢」が、10月2日からシアター・イメージフォーラムで公開される。日本で暮らす我々とは全く異なる土地と文化の中で生きる人々の生活を詩的な映像で切り取り、見る者に眩暈のするような非日常体験をもたらす異色作だ。部族の知恵を受け継ぎ薬草を取り扱う男性と、女性村長の家庭に住み込みながら、たったひとりで記録し、自主映画として本作を完成させた太田監督に話を聞いた。
――アマゾンの先住民の方々の文化と日常、その世界観に驚きました。まずはアマゾンに行くことになった経緯を簡単に教えてください。
 最初はアマゾンという場所よりも、人の手の入っていない自然環境の中で自給自足しているような人々に興味が湧いたことです。そのきっかけは2011年の震災と原発事故です。当時、留学でパリにいたのですが、今、自分は一体どういった社会に生きているのだろう……という衝撃に襲われました。何か別の可能性を知りたい、と思ったのです。
 そんな考えが2~3年頭に引っかかっていて、その時社会科学高等研究院という大学に通っており、クロード・レヴィ=ストロースの一番弟子である、フィリップ・デスコラが僕の大学で教えていました。彼がエクアドルのシュアール族の隣に住む、アチュアール族の研究をしていた方なんです。人間と自然のありうるべき関係性について論じていたので、彼の著作を読んでそういった研究に興味を持ちました。でも、引っかかるところもあって。自分も同じような部族の生活を研究することで、彼と対話のようなことができるかな、と思ったんです。
 彼の考えは、「我々西洋は~」という立場から始まります。西洋は近代的で、消費主義社会があって、その一方で西洋以外の人々がいるというもの。デスコラの著書「自然と文化を超えて」では、フランスの地理学者オギュスタン・ベルクの言葉を引用し、日本古来の自然観を述べています。でも、日本人の僕は、それは今の日本でどうなのか?と引っかかって。西洋で学んでいる日本人の僕が、西洋以外の場所に行ったら、どういう論点の違いや見方の違いがあるかと知りたくなったのです。西洋、アジア、とかではなく等身大の人として探求したかったのです。
――西洋中心主義の考えは、かつての植民地支配にもつながるものですね。最終的にエクアドルを選んだのも、デスコラ氏の影響でしょうか?
 そうなんです。アマゾン、南米はコンキスタドールがスペインから来て、初めて侵略された新大陸。長いこと植民地主義と向き合っている。映画では、直接この問題を扱っているわけではありませんが、そこを掘り返して、自分の中で消化しながら作ることによって、もう少し深いレベルで他者とは何か?ということを理解できるのでは、と思いました。
 当時、僕の周りにエクアドルの部族の研究をしている方が何人かいました。また、アマゾンと言えばブラジルだと思われるでしょうが、ブラジルはめちゃくちゃ広くて、奥地に行くのが非常に難しい。というなかで、エクアドルは小国でアマゾンにも行きやすい。僕のようにジャングルでのサバイバル生活のノウハウがない人間にとっては行きやすいと思ったことも理由の一つです。
――薬草の知識を持つセバスティアンとはどのようにして出会ったのですか?
 初めてこの村を訪れた時、首都のキトで個人的な外国人向けガイドをしていたシュアール族の女性を紹介され、コンタクトを取りました。彼女に、自然とのかかわり、薬草に興味があるということを話したら、セバスティアンの元に連れて行かれ、滞在を受け入れてくれました。
――薬草に関する興味はアマゾンへ行く前からあったのですか?
 はい、薬草と飲食文化に興味がありました。エクアドルに着いた時点ではシュアール族に会えるかどうかもわからなかったし、どこに滞在するかも決めていなかったのでいろんな部族やロケーションにある土地をめぐりました。ヤスニ国立公園という世界最大規模の生物多様性を持つ地域もあって。そこは朝4時頃から森の猿たちがけたたましく鳴き出すような場所でした。いろんなところを回って、僕の興味を話したら、たまたまシュアール族に出会って、セバスティアンを紹介された。導かれたような感じですね。
――セバスティアンとはスペイン語で会話されていたようですね。
 シュアール語も学びましたが、メインはスペイン語でした。彼らも身分証明書を持っていますし、小学校はスペイン語で教育されているので、先住民もスペイン語なしでは生活できないですね。
――シュアール族の彼らは主に何を生業にして生きているのでしょうか?
 彼らは職業という概念があまりないのです。村や近くの場所にある小学校の先生になる、というのが彼らが考えるほぼ唯一の職業。あとは基本的に自給自足です。住所もなく、銀行口座もある人もない人もいる。でも身分証明書はあって、エクアドル政府が住所がなくてもそういった先住民コミュニティを取り込めるようになっているシステムがあるようです。警察もいませんし、ほぼ自治地区のようになっています。彼ら独自のシュアール族連合のような組織があって、そこを介して政府とやりとりしているようです。
――セバスティアンの父はシャーマンでしたが、セバスティアンの村での立場は?
 人類学の用語で言うとトリックスター。何にも属さない中間的な存在で、その存在がいることで均衡が崩れたり、しかしそれがきっかけで、新しいイベントが起きたりする。そういった役割を持つ存在に近いです。父親がシャーマンでしたが、セバスティアンはシャーマニズムの公式な訓練や修行を敢えて受けていません。しかし、シャーマン的な知識や霊感的な素養があると、自分でその才能に気づいたので、それっぽいことをやっている。村の人からは、彼はシャーマンではないけど、薬草に詳しいし、シュアール族の伝統的な神話や歌に詳しく、なにより、それを自ら追い求めている人としてリスペクトされている存在です。村の中でも明らかに特殊な存在ですね。
――地球の裏側から来たあなたを受け入れるにあたって、村で何か協議のようなものはあったのでしょうか?
 根回しみたいなものはしてくれたと思います。以前も外国人が来たことがあって、そういった時は大体セバスティアンの家に滞在するようです。何より彼は、(植物から作られた飲料)マイキュアやアヤワスカを飲んで“ビジョン”を見ます。映画で取り扱っているのは一部ですが、彼は何回も飲んでいるので、その都度新しいビジョンが見えるんです。セバスティアンは、“世界中に友達ができる“というビジョンを見たそうで、それが現実になっているようでうれしそうでしたね。だから、僕が初めて村を訪れた時も、「君のこと見たことあるよ。ビジョンにいた」と教えてくれました。
――マイキュア、アヤワスカは、村の儀式やイニシエーションなどの一環として飲まれるのでしょうか? 監督も実際に体験されていましたね。
 マイキュアは通過儀礼というよりも、継続的に飲むものですね。人生をかけて飲んでいくもののようです。村の人たちは子供の頃、10歳くらいから飲み始める人もいるようです。男の子の方が飲む回数は多そうですが、女の子が飲んではいけないということはない。だれでも最低1度は飲んでいるのではないでしょうか。美味しいものではないので、しつけのような側面もあるようです。トリップ状態になって、本当の自分に出会って、深いモラルを持った人間になるというプロセスだと思います。化学的に言うと幻覚作用のある薬草ですが、彼らからするとリアルなものなのです。
 僕の場合はマイキュアよりアワヤスカの方が効果がありました。本物の体験でしたし、僕もビジョンを見ました。アヤワスカはビジョンを見るという視覚的な体験でもあるのですが、身体的な体験でもあって。実際に吐いたりしますし、平衡感覚がなくなって、臨死体験に近いので、ビジョンを見るだけではなく、感覚が残り続けるのです。依存性はないですし、しょっちゅうやりたいとは思わないのですが、自分に迷いがあるようなとき、自分を超えた大きなものと繋がりながら、自分自身のことを知りたいと感じた時に、もしチャンスがあればもう一度やってみたいですね。彼らはもう何千年も続けています。
――アマゾンの先住民の方々は、一体どんな経緯でそういった幻覚体験を日常に取り入れ始めたのかが気になります。
 いつから始まったのかは分かりませんが、実は、僕はそういうビジョンを見たのです。裸族に近いような人が、何かを話しながら何らかの薬草を試しているような場面が見えて。それは、アヤワスカを発見した場面だったのではと思いました。
――女性たちが作っていた口噛み酒のようなチチャという飲料も気になりました。アルコール度数はどのくらいで、皆、どのくらいの頻度で飲んでいるのでしょうか?
 村の人々は毎日お茶や水感覚で飲んでいますね。僕の体感だと5~10%くらいでしょうか。
――それでは、常に酩酊しているような感じですね。
 はい、僕も酩酊していました(笑)。朝起きたら、チチャを飲むことから始まります。彼らは生水を飲まないので。チチャは発酵させているので、殺菌の意味合いもあったり、より栄養価も高くなる。それも森の中で生きる彼らの知恵だと思います。赤ちゃんも朝から飲んでいます。
――タイトルについて教えてください。
 思考錯誤してつけました。最初はセバスティアンの言葉である「君の手のひらは常緑樹のように緑だ」を使った英題を考えていましたが、ちょっと長すぎるなと。「カナルタ」は、シュアール語で「お休みなさい」「夢を見なさい」「ビジョンをみなさい」という意味。それがしっくりくるなと思いました。
 螺旋状”は彼らの生きている世界観が学術的には円環的、サーキュラーと呼びますが、彼らと実際生活してみると、単にサーキュラーというよりは、個人個人が自分の人生を選び取りながら、どこかに向かっていて、社会も変化する中で動的なものを感じました。それが螺旋状の動きのようで。あとは、この映画にはデジャヴのようなシーンがいくつかあります。夢を語るシーンを等間隔で差し込み、家をつくるシーンを2回ずつ入れていて。それが彼らの世界観で一周するような感じとシンクロするなと。それでの螺旋状です。彼らの生活の内容も、映画の形式、編集で表現したかったのです。河瀬直美監督の「垂乳女 Tarachime」は最初と最後が胎動で始まります。そこからもインスピレーションを受けました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d9d7ab496c37b0ad60eb8e1cd6e691dc266b421

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移動を繰り返す「シベリアの遊牧民」はどうやってコロナワクチンを打っているのか

2021-10-02 | 先住民族関連
クーリエ・ジャポン 10/1(金) 18:20配信
新型コロナウイルスは、北極圏のツンドラ地帯にまで及んでいる。トナカイとともに移動を繰り返す遊牧民は、どのようにワクチン接種を受けているのだろうか。
ネネツ族は、ロシアのツンドラ地帯に暮らす少数民族の一つだ。彼らは、飼育しているトナカイの群れの移動に合わせて遊牧する。
世界中が新型コロナウイルスによって移動を止めても、彼らが止まることはなかった。
12月から4月の間、ネネツ族はヤマル半島の付け根、ナディムスキーにキャンプを張り、トナカイの放牧を行うが、4月中旬から始まる遊牧の季節には、トナカイの群れとともに30~100回キャンプを移しながら、半島を600キロほど移動する。
だが、パンデミックの波はここにも押し寄せた。この地域でも毎日、100件近い新規感染者と3~5人の死者が出ているという。
「テレビで見て新型コロナウイルスのことは知っています。ですが、ほとんどの患者は都市部の人です」と、トナカイを飼育するイワン・フディは言う。
「ここは文明からずいぶん離れています。私は生まれてから61年間、ずっと『自己隔離』状態ですよ」
ワクチンもこの地までやって来た。
多くの遊牧民たちは、ナディムとサレハルドを結ぶ高速道路に沿ってキャンプを張っている。アメリカ先住民のものにもよく似た、彼らの伝統的なテントは、ロシアのテレビ放送を受信するためのアンテナと発電機を備えている。
医師や看護師らを乗せた医療用バスは高速道路を走り、希望する人々にワクチンを投与するため、時折停車する。
2月下旬、フディのキャンプからほど近い場所にワクチン接種ポイントが設置された。そこには医療設備もあり、ワクチン投与だけでなく診察も行われた。
近くに張られたテントでは、ツンドラの住民たちが問診に答えたり、ワクチン接種後に暖かいお茶をすすったりしている。
「ガソリンも持って来てくれたりする?」
一人の男が聞く。遊牧民にとって燃料は非常に価値のあるものだ。ガソリンの販売所が近くに設けられることもある。
ワクチン接種会場の隣では、小児科医が子供たちの診察をしている。ツンドラの住民は、子供たちを医者に連れて行く機会が少ない。小児科医の存在も魅力的だ。
ワクチンは彼らにとって決して馴染みのないものではない。
2016年8月、異常な猛暑によってヤマルに炭疽菌が発生し、2000頭のトナカイと少年1人が死亡、数十人が病院に運ばれた。それから毎年3月になると、トナカイも人も炭疽菌ワクチンの接種を受けている。
コロナワクチン接種会場に来ていた遊牧民のなかにも、ワクチンに否定的な人はいる。
「私たちはツンドラに住んでいるんです。なぜこんなことが必要なのでしょう。妻を連れてきましたが、私は打ちません」と一人の男性は言う。
とはいえ、その日のうちに数十人がワクチン接種を受けた。夕方になると医療チームはナディムまで運転して戻る。そして翌日、高速道路上の他の地点に向かうのだ。
「私たちはツンドラの住民たちに対し、大々的にワクチンやコロナの情報を共有しています」と看護師は言う。
「しかし、ワクチン接種を受けようとしない人はまだ多くいます。この状況が変わるといいのですが」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea61d1b233e0bf9a3d9fd53a6023a5dde44b59f9

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