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グリーン電力ブームで急務 鉱物サプライチェーンの浄化

2021-10-11 | 先住民族関連
SWI 2021/10/10 09:002021/10/10 09:00
電気自動車(EV)メーカーなどグリーン電力(再生可能エネルギーで作った電力)企業が鉱物サプライチェーンの透明性確保に本腰を入れている。これに連鎖して、商品取引企業も取り組みを迫られている。
地球温暖化対策の目標達成に向け、二次電池などグリーンテクノロジー(持続可能な技術)に欠かせないコバルトや銅、ニッケルといった鉱物や金属では需要が爆発的に膨らむとみられている。国際エネルギー機関(IEA)の試算では、2040年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするには今の6倍以上の鉱物が必要となる。リチウムなど一部の原材料では需要増は40倍とも言われる。
クリーンエネルギー関連鉱物は需要爆発が予想される
クリーンエネルギー技術に投入される鉱物の需要増加幅の見通し
グリーン電力への移行には大規模な採掘プロジェクトが欠かせないが、鉱物ブームに乗じて一儲けしようとする企業も少なくなく、持続可能な事業になっているかには懐疑的な見方が広がっている。多くの鉱物資源はごく一部の国に集中しており、残された資源の確保に走る企業がアンデス山脈や北極圏といった辺境にまで進出した結果、新たな社会的・環境的問題が持ち上がっている。
今年9月に開催されたスイスグリーンエコノミーシンポジウム(SGES)でノルウェー先住民族サーミ議会のアイリ・ケスキタロ議長は「グリーン電力への移行は、先住民の商習慣を抑圧するような新産業の振興を正当化する論拠として利用され得る」と指摘した。欧州唯一の先住民族であるサーミ人は、ノルウェー北部で計画されている銅の採掘事業に対し反対運動を続けている。同プロジェクトは電化による世界初のゼロエミッション(二酸化炭素排出実質ゼロ)型鉱業をうたっている。
採鉱プロジェクトの急拡大が世界各地で訴訟や暴力的抗議活動、世論の反発を招いていることから、EVメーカーやグリーンエネルギー企業は、鉱物や金属のサプライチェーンの監視を強めている。電池メーカーに対しては、欧州連合(EU)が発表した関連規制改正案他のサイトへによりさらなる圧力がかかった。
グレンコア、マーキュリア、トラフィグラといったスイスの商品取引大手は、金属の採掘、加工、出荷、販売に携わっており、サプライチェーン中の要の存在だ。亜鉛、銅、アルミニウムなどの卑金属他のサイトへの国際取引の約6割がスイスで行われ、グレンコアなど一部企業は採掘も行う。多くの金属や鉱物、特に小規模鉱山由来の商品は実際にスイスには入らないものの、スイスの商品取引業者を経由する。
グレンコアで持続可能な開発部門の責任者を務めるアンナ・クルティコフ氏は、SGESのパネルディスカッションの席上「供給には限界がある。業界全体、中でもグレンコアは、需要を満たすために様々なプロジェクトを進めている」と発言した。「新しい原料供給を検討する中で、プロセスの手を抜くリスクは誰もが大いに意識している」
テスラのようなグリーンテック企業は、こうしたリスクに対しより厳しい姿勢を取るようになっている。多数の企業で原材料の調達について厳格なトレーサビリティーと持続可能性の基準が設けられた結果、金属取引業者にその余波が及んでいる。
コバルトが生むジレンマ
「責任ある調達」に伴う課題を最も如実に示すのはコンゴ民主共和国(旧ザイール)のケースだろう。コバルトほど多くの調達問題を抱える金属も少ない。銅とニッケル採掘の副産物であるコバルトの6割以上を生産するのがコンゴだ。そのうち15〜30%は零細・小規模採掘場(ASM)からの産出と推定される。コバルトは、スマートフォンやノートパソコン、EVなどに使われるリチウムイオン二次電池の生産原料として不可欠だ。
ASMの危険な労働環境や児童労働の横行、治安の悪さは、これまでに数多くの報告書で指摘されてきた。2019年にはコンゴ人家族らを代表する人権団体が、コバルト調達のために搾取的な児童労働を行う鉱山を「ほう助」したとして、テスラ、アップル、マイクロソフトなどのハイテク大手を相手取り訴訟他のサイトへを起こした。この訴訟ではグレンコアも名指しされ、同社などが経営する鉱山から産出されるコバルトは強制的児童労働を利用しており、そのことを上記ハイテク各社は把握していたと主張している。
これを受け、一部のEV及びバッテリーメーカーは、コンゴからの調達を中止する構えを示した。その他、サプライチェーンからASMコバルトを完全排除する、あるいはコバルト生産に伴うリスク管理を厳重化する企業もあった。
2020年、テスラは、コンゴで2つのコバルト鉱山を経営するグレンコアと、テスラの「社会・環境基準」を満たすコバルト6千トンの調達契約を締結他のサイトへした。さらに8月、グレンコアは、新興バッテリーメーカーのブリティッシュボルトやノルウェーの別のメーカーと「倫理的に調達されたコバルト」の供給契約を結んだ。
考えの相違
コバルトの需要拡大に大きな利害関係を持つグレンコアやトラフィグラは、こうした取引を成立させるために追跡可能かつ責任あるコバルト供給の実現に多額の投資を行うことになった。しかし、サプライチェーンの迅速な浄化が難しいことは、その際両社が選んだ方法が異なるという事実に表れている。
グレンコアは、ASMと工業的生産の線引きを明確にするという手法を取った。サラ・アンテノーレ同社広報担当はswissinfo.chの取材に対し「コンゴのASMからは購入しない。リスクが高すぎるためだ」と説明した。
同社は労働条件改善とASMにおける児童労働撲滅のため、バリューチェーン内のパートナーらを束ねた「フェア・コバルト・アライアンス」という組織を通じ、小規模鉱山労働者の状況改善に投資している。
これに対し、トラフィグラは異なるアプローチを取った。コンゴのコバルト生産者シェマフ社のコバルトの販売権を独占する同社は、同国拠点のEGC(Entreprise Générale du Cobalt)からASMコバルトを購入する契約を結んだのだ。EGCは今年3月にコンゴ政府が設立した国有企業で、国内全てのASMコバルトを購入、加工、販売する。
トラフィグラのジェームズ・ニコルソン企業責任担当は、最近行われた安泰科電池金属会議他のサイトへでのプレゼンテーションで「ASMをコバルト生産から排除するのは非論理的で逆効果だ」と主張した(編集部注:安泰科は中国の金属業界調査会社)。
トラフィグラは様々な非政府組織(NGO)の協力の下、EGCの定めた「責任ある調達基準他のサイトへ」に基づいた社会的・環境的管理を行う零細採掘区域の設立を進めている。EGCとの契約には、特殊な改ざん防止機能を施したセキュリティバッグやブロックチェーン技術を用いた本格的トレーサビリティーシステムが含まれる。
企業が大規模な投資を行う一方で、NGOなどからは、企業責任を問う土台となる業界基準が存在しないことに懸念の声が上がっている。
「ビジネス・人権センター」(ジュネーブ)のドロテ・バウマン・パウリー所長は、「コンゴ産ASMコバルトの責任ある調達を巡る状況の改善方法について2つ以上の理論があるということは、業界の足並みが揃っていないこと、コンゴの状況を改善するための投資が不十分であることを示している」と述べる。パウリー氏は、グローバル・バッテリー・アライアンス(GBA)及びその加盟企業と協力して、責任あるASMコバルト調達の共通基準策定に取り組んでいる。
大きなチャンス
こうしてグレンコア、トラフィグラ両社ではサプライチェーンにおけるリスクへの取り組みが進んだが、コモディティー業界全体では他の多くの業界に比べ遅れがみられる。責任ある鉱業財団(RMF)がコモディティー企業25社を対象に行った最近の調査他のサイトへによると、社会・環境デューデ リジェンス(正当な注意義務)を実施している企業はわずか23%で、サプライヤーのコンプライアンス状況を期待通りに開示している企業はさらに少ないことが分かった。
スイス政府はこの業界の手綱取りを試みてはいるが、自主的ガイドラインはほぼ効力を持たないとの批判が大きい。昨年11月、国民投票で僅差で否決された「責任ある企業イニシアチブ」にデューデリジェンスの義務化が含まれていたのも、そのためだ。
パウリー氏は、目的地までの道のりはまだ長いと述べる。特定コモディティーを対象に追跡プロジェクトを立ち上げた企業もあるが、ほとんどの企業にとってはコモディティー全てのサプライチェーンをそのソースに至るまでマッピングすることは不可能だ。「透明性の高いサプライチェーンに対する期待は今後ますます高まるだろう。商品取引業界はこれを理解してはいるものの、まだ十分に対応できていない」(パウリー氏)
元投資銀行家で現在は英アレクサ・キャピタルでグリーンエネルギー企業にアドバイスを行っているジェラード・リード氏は、「脱炭素メタル」需要に対する投資機会の拡大が業界変革の重要なてことなる可能性を指摘する。これは、特に欧州企業が、鉱物市場でのシェア拡大を続ける中国以外のサプライヤーに目を向けている事実からもうかがえる。中国は現在コバルト加工の約9割を占める他、ニッケル、亜鉛、銅の主要採掘プロジェクトの権益を獲得している。
https://www.swissinfo.ch/jpn/business/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%A7%E6%80%A5%E5%8B%99-%E9%89%B1%E7%89%A9%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B5%84%E5%8C%96/47012660

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基隆市の歴史文化園区お披露目  仏議員団、清仏戦争の遺構訪れる/台湾

2021-10-11 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾 10/10(日) 19:07配信
(基隆中央社)北部・基隆市で9日、異なる時代の遺跡を整備した「沙湾歴史文化園区」の供用開始を記念する式典が催された。園区には1880年代半ばに起きた清仏戦争の遺構が含まれ、林右昌(りんゆうしょう)市長が訪台していたフランスの議員団を案内した。
清仏戦争で基隆は、台湾北部の主要な戦場の一つとなった。一行は同戦争で命を落とした兵士をまつる「清仏戦争記念園区」を訪れ、献花した。議員団を率いるアラン・リシャール元仏国防相は、有意義な文化活動に参加できたのは非常に喜ばしいことだと語り、台湾との協力や交流をさらに深化させていく考えを示した・
沙湾歴史文化園区は4年かけて整備され、清仏戦争の遺構のほか、台湾原住民(先住民)族バサイ族の貝塚や日本統治時代の海水浴場などもある。
林市長は、沙湾歴史文化園区では異なる時代の遺跡が見られるとし、都市設計と歴史文化の融合を通じて、都市と遺跡を共存させられたことに喜びを示した。
(沈如峰/編集:楊千慧)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e1b556d7432899da779db356a3edd8d773545ea

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札幌で全国育樹祭 秋篠宮さまがビデオメッセージ

2021-10-11 | アイヌ民族関連
HTB 10/10(日) 18:25配信
 札幌では10日、全国育樹祭の式典が開かれ、秋篠宮さまのビデオメッセージが紹介されました。
 秋篠宮さま:「100年先を見据えた森林づくりが、道民と共同で進められていることは大きな意義を感じます」。ビデオメッセージを寄せられた秋篠宮さまは、オンラインで大会の様子を視聴していると明かされました。全国育樹祭は道内では34年ぶり2度目の開催で、9日苫小牧で開幕しました。10日は札幌に場所を移し、林業の振興や緑化の推進などで功績のあった人たちが表彰されました。また、式典では、アイヌ民族の古式舞踊なども披露されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c42566bfb47bc3d03f125783feab19ac7e027f1

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