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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

『愛蔵こけし展』 東北地方のこけし700点展示 愛知・豊田市民芸館

2019-05-07 | アイヌ民族関連
東海テレビ 5/6(月) 11:39配信

 江戸時代からの伝統を受け継ぐ東北の「こけし」を紹介する展示会が、愛知県豊田市で開かれています。
 細長い胴体に愛らしい表情。会場には東北地方のこけし700点が展示されています。
 宮城県の鳴子系は前髪を結んだ水引模様が特徴です。また、青森県の津軽系はおかっぱ頭にアイヌ文様が描かれています。
 また福島県の中ノ沢温泉で作られた「たこ坊主」と呼ばれるこけしで、個性的な表情が特徴です。
 この展示会は5月12日まで開かれています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190506-00022150-tokaiv-l23

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「動植物100万種が絶滅の危機」科学者団体が報告

2019-05-07 | 先住民族関連
NHK 2019年5月6日 21時01分
この500年間で少なくとも地球上の680種の脊椎動物が絶滅し、現在も100万種の動植物が絶滅の危機にひんしているとする報告書を、各国の科学者で作る組織が初めてまとめました。
この報告書は、9年前、名古屋市で開かれた国連の会議で、さまざまな動植物や生態系を保全するため各国が取り組む「愛知目標」が採択されたことを受けて、日本を含む130か国余りの科学者などで作る政府間組織、IPBESが初めてまとめました。
報告書では、この500年間で、
▽ガラパゴス諸島のピンタゾウガメやインド洋のモーリシャスに生息していた大型の鳥ドードー、
▽オーストラリアのフクロオオカミ、といった少なくとも680種の脊椎動物が人間の活動によって絶滅したと指摘しています。
そして、今も地球全体で100万種の動植物が絶滅の危機にひんし、保全の取り組みが進まなければその多くは今後数十年間で絶滅すると警告しています。
影響を与えている要因としては、
▽農地の拡大や沿岸の開発といった「海と陸の利用の変化」、
▽乱獲などの「採取」、
▽「気候変動」、
▽「汚染」、などを挙げています。
各国の科学者や研究者が地球規模の報告書をまとめて対策を求める動きは地球温暖化対策に続くもので、今後、各国がどのような政策を打ち出すのかが問われることになります。
「生物多様性の喪失は人間に深刻な影響」
地球規模で動植物や生態系の多様性を失わせている直接的な要因として、報告書では、
▽「陸と海の利用の変化」、
▽「生物の直接的な採取」、
▽「気候変動」、
▽「汚染」、
▽「外来種の侵入」、の5つを挙げています。
このうち「陸と海の利用の変化」は、主に農業や漁業、鉱業などの産業の発達を意味し、1970年以降、37億人から76億人へと倍に増えた世界の人口と増え続ける需要などに応えるため、これらの産業が拡大していったとしています。
中でも農業の拡大は、とりわけ生物の多様性が豊かな熱帯地域で生態系の破壊につながっていることが多く、
▽中南米での大規模な畜産業、
▽東南アジアでのパーム油の大規模栽培、などによって1980年から2000年にかけて世界全体の熱帯雨林が合わせて1億ヘクタール消滅したとしています。
また蜂や鳥など花粉を運ぶ動物の減少は農作物の生産量の減少を招き、最も深刻な場合には最大で5770億ドル(およそ64兆円)相当の損害が出るおそれがあるとしています。
さらに報告書では、動植物などが人間に果たす役割にも焦点を当て、食料やエネルギー、医薬品などの原材料として多くの恩恵をもたらし、人類の存在や生活の質の維持・向上に欠かせないとしています。
そして、生物の多様性が失われることは、環境に適応したり、さまざまな環境から身を守ったりする力を弱体化させることにつながり、人間を含むほかの動植物に深刻な影響を与えると警鐘を鳴らしています。
多角的に検証した報告書 政策に生かせるか
報告書をまとめたIPBES=「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム」は、2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約の締約国会議で「愛知目標」が採択されたことを受けて、2年後の2012年に設立され、事務局は国連環境計画のもとに置かれています。
今回の報告書は、さまざまな生物や生態系の現状を地球規模で科学的に分析することで、保全に向けた取り組みを各国に促し、政策を後押ししようと、初めてまとめられました。
作業には日本を含む50か国145人の専門家が参加し、およそ3年かけて最新の科学的な知見だけではなく、先住民族や伝統社会の知識も反映しました。
そして先月29日から今月4日にかけてフランスの首都パリで行われたIPBESの総会では、各国政府の代表が40ページ近い報告書を一語一語精査し、承認しました。
IPBESには130か国余りが参加し、今後は今回の報告書が各国の政策上の指針となることが期待されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190506/k10011906921000.html

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深い悲しみの中に見える強さ……NZのテロ現場で出会った人たち 「犯行をネット中継」事件が教えたこと

2019-05-07 | 先住民族関連
MSN 2019/05/05 07:00

© The Asahi Shimbun Company 提供 クライストチャーチであった銃乱射事件のあと、イスラム教徒の人たちを励ますため、女性と抱き合う女子高校生たち(中央)=2019年3月、飯島健太撮影=朝日新聞
 ニュージーランドとスリランカでテロ事件が相次いで起きました。ニュージーランドには異なる民族や宗教の人たちが穏やかに暮らす社会だからこそ、特定の宗教が狙われたことに衝撃を受けました。犯行がインターネットで中継されたことも、別の問題を浮き彫りにしました。スリランカの事件は、過激な思想が世界に拡散している恐ろしさを示しています。(朝日新聞国際報道部・飯島健太)
人と人が緩やかに連帯
 3月15日、ニュージーランド南部クライストチャーチにあるイスラム教の礼拝所2カ所で豪州人の男(27)が銃を乱射し、50人が殺害されました。
 翌16日午前9時半、私はクライストチャーチの空港に着きました。現場近くには遺族や被害者が集まる拠点が設けられていて、警察の情報や食料が届けられていました。
 そこで取材したファリド・アフメドさん(59)は、最初に襲われたヌールモスクで妻フスナさん(44)を亡くしました。アフメドさんは「どのような人間にも生きる価値がある」と妻の死を静かに悼みました。残された14歳の娘には、自分が母親代わりになると伝えたそうです。
 事件のあったヌールモスクから100メートルの所に住むブロンウィン・タルボットさん(37)は、南アフリカの出身でキリスト教徒です。
 近所で起こった事件について聞くと、「イスラム教のモスクがあるからこそ安全な地域、って今でも思っています。イスラム教徒も平和を祈りますから。悪いのは民族や宗教ではなくて、そういった違いを受け入れられず、勝手に憎しみを抱いて暴力をふるう人物でしょう」と述べました。
 それぞれの違いを認め合ったうえで、ひとつの社会で生活する。この社会で続いてきた人びとの振る舞いは、遺族や被害者に対する具体的な形として見えました。
 事件から3日目の3月18日昼過ぎ、ヌールモスク近くにある高校の生徒たち120人が、遺族らの集う拠点にやってきました。
 男子生徒は先住民マオリの伝統的な踊り「ハカ」を力強く披露し、女子生徒は歌「ワイアタ」を優しい声で歌いました。そのあと、生徒たちは一人ひとり、遺族らと胸を合わせて抱き合いました。励ましとともに、悲しみを共有する時間のようでした。
 事件から1週間を迎えた3月22日には、いつもどおりの金曜礼拝に合わせて、ヌールモスク近くの公園で追悼の催しが開かれました。
 イスラム指導者が説法するその場には、イスラム教徒5千人に加えて、それ以外に一般の参加者1万5千人も集まりました。その中の多くの女性たちが、イスラム教徒の女性が事件後も安心してスカーフを頭にかぶって外出できるよう、同じようにスカーフを身につけていました。
 人と人が緩やかに連帯するこうした姿に、しなやかで力強い社会を見ました。
「犯行をネット中継」事件が教えること
 地元メディアなどによると、実行犯の男は以前にフランスやブルガリア、トルコ、ハンガリーなどを旅行。こうした体験をもとにした74ページの犯行声明文を事件前、ネットに公開していました。
 それによると、旅先で自分とは違う「非欧州人」の移民について、自分たちの社会を悪くする「侵略者」と感じたと主張します。そして、「我々の存在を確実にする」として事件を決意したと述べます。
 犯罪心理学が専門で筑波大学の原田隆之教授は「過激思想に注目するだけではなくて、実行犯の男には元々、暴力的な側面があったと推測できる点も重要です」と指摘します。
 「他者への共感性が完全に欠如し、人命を軽視する傾向が伺えます。そういう反社会性のある人物が過激思想に出合ってしまい、自分が考える『正義』や『解放』という大義名分を見いだします」
 「本人は正しいことをやっていると都合よく解釈しているので、行動はどんどん過激になっていったと考えられます」
 また、「事件の最大の特徴は、犯行とネット中継が一体だった点です」と分析するのは、テロ事件の取材が専門で英紙ガーディアンのジェイソン・バーク記者です。「実行犯は、犯行の様子や自身の言葉をネットのユーザーに直接、届けていました」
 バーク記者によると、テロリストの目的は、標的への暴力にとどまりません。ネットユーザーのような事件や過激な思想とは無関係の人びとにも恐怖を植え付けようとします。また、「正義」のためであれば暴力は許される、というような極端で異常な考え方も広めようとします。さらに、同じようなテロ行為を新たに起こさせることも、目的と言えるそうです。
 こうした犯罪心理や思想の拡散は、4月21日にスリランカの最大都市コロンボなどで起きたテロ事件にも共通性がありそうです。
 スリランカ当局によると、実行犯9人は高等教育を受け、英国や豪州に留学した人も含まれていたそうです。
 彼らにはそもそも暴力的な側面があったのか、どのように過激な思想に出合って近づいていったのか。現時点でははっきりしないことも多い一方で、二つの事件が投げかける問いはありそうです。
信じられる情報は何か
 「生」の情報やメッセージには注意が必要だということは、バーク記者の言葉とともに米国の事例が、改めて教えてくれました。
 米国は2016年にあった大統領選のとき、ロシアが介入したとして捜査していました。4月18日、その報告書が公表されました。それによると、ロシアの狙いはトランプ氏を応援して有利にする一方、対立候補のクリントン氏を不利にすることでした。
 その方法の一つに、SNSの悪用があったそうです。
 ロシアのプーチン大統領とつながりのある企業インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)は、フェイスブックのアカウント470件を使って2015年1月からの2年半に8万件を投稿。1億2600万人が見たそうです。ツイッターのアカウント3800件でも、約140万人とつながっていました。
 どのような情報が発信され、投票行動に影響を及ぼしたのか、報告書からは読み取れません。偽の情報も含めて、トランプ氏を応援する内容だったのは間違いなさそうです。そういった情報に触れて、トランプ陣営で実際の選挙運動に参加した人もいたと報告されています。
 個人でも組織でも、誰でも自分たちの意に沿う情報を簡単に広げられるのは確かです。そこに極端で過激な思想やウソの情報が紛れ込んでいても、そのまま信じ込んでしまう恐れは否定できません。自分にとって都合のいい情報を選んでしまうこともあるかもしれません。
 信じられる情報は何か。情報がもつ意味はどういうものか。
 情報の受け手である私たちに問いかけています。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/e6-b7-b1-e3-81-84-e6-82-b2-e3-81-97-e3-81-bf-e3-81-ae-e4-b8-ad-e3-81-ab-e8-a6-8b-e3-81-88-e3-82-8b-e5-bc-b7-e3-81-95-e2-80-a6-e2-80-a6nz-e3-81-ae-e3-83-86-e3-83-ad-e7-8f-be-e5-a0-b4-e3-81-a7-e5-87-ba-e4-bc-9a-e3-81-a3-e3-81-9f-e4-ba-ba-e3-81-9f-e3-81-a1-e3-8/ar-AAAU4w1#page=2

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記憶が詰まったパーソナルな作品で、名匠はさらなる高みへ。

2019-05-07 | 先住民族関連
madameFIGARO May 4, 2019
アルフォンソ・キュアロン|映画監督

アカデミー賞7部門を制覇した『ゼロ・グラビティ』(2013年)で知られる、メキシコの名匠アルフォンソ・キュアロン。『天国の口、終りの楽園。』(01年)以来、17年ぶりに母国を舞台にした作品が『ROMA/ローマ』だ。昨年のヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞したほか、アカデミー賞でもスペイン語作品ながら最多の10部門にノミネート。監督賞や外国語映画賞など3部門で受賞するという快挙を果たした。
劇的に変わりゆく時代を、家庭の内外から描き出す。
「映画のアイデアは15年以上前からあったけど、なかなか踏み切れなかった。機が熟すというか、実現には時間がかかるものだよ」
『ROMA/ローマ』は、監督自身の幼少期の記憶を反映させた自伝的作品だ。舞台は、1971年のメキシコシティ・ローマ地区にある中産階級の家。「最も心に残っている記憶は両親の離婚だった」と、キュアロンが言うように、映画中の夫婦の関係は崩壊寸前。キュアロンの実家の家政婦がモデルになったという先住民族のメイドは妊娠するが、ボーイフレンドは姿を消してしまう。ふたりの女性の葛藤を軸にした情緒的な人間ドラマだが、この極めてパーソナルな内なるドラマと対照的に、家の外では荒々しいデモ隊と警官隊が衝突する様子が描かれる。劇的に変わりつつあったメキシコを見事に描き出したことも高評価に繋がった。「70年代初頭のメキシコは独特の社会で孤立していた。音楽も映画も規制され、人種差別もあった。そして問題は今日もまだ歴然と残っている。つまり、過去の話ではないんだ」
71年には、運動を起こした若者が政府に弾圧され、多くの血が流れた「血の木曜日事件」が起こった。メイドの血気盛んな恋人は、政府軍の支援団体に属している設定。一見モノクロ映像でノスタルジックに感じるが、まさに攻めの映画だ。65ミリフィルムで光と影のコントラストを際立たせた美しい映像と、鳥のさえずりや波の音まで鮮明に聞こえるような音響が素晴らしい。
「技術的にすべて最新のものを使っている。最先端の音響装置ドルビーアトモスは、宇宙空間が舞台の『ゼロ・グラビティ』で初めて採用したのだけど、ドラマでも使ったら、まるでそこにいるかのような体験を共有できるのではないかと思った」
ひとりで脚本を執筆し、自らカメラを回す。自身の記憶と想いが詰まった特別な一作で、さらに高みへと上ったキュアロン。次はどんな世界を見せてくれるのだろう。
Alfonso Cuarón/アルフォンソ・キュアロン
1961年、メキシコ生まれ。デビュー作『最も危険な愛し方』(91年)がハリウッドのプロデューサーの目に留まり、アメリカ進出の足がかりに。『リトル・プリンセス』(95年)や『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)も監督。
https://madamefigaro.jp/culture/series/interview/190504-attitude-01.html

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白老アイヌ協会が定期総会、一般社団法人格を取得へ

2019-05-07 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2019年5月4日(土)朝刊】
 白老アイヌ協会(新井田幹夫会長)の2019年度定期総会が、白老町コミュニティセンターで開かれ、月内にも一般社団法人格を取得することが報告された。
 約80人が出席。新井田会長が「アイヌ新法が成立し、先住民族と明記された。さまざまな意見はあると思うが、アイヌ民族にとって大きな一歩といえます。今後も皆さんのさらなるご理解のもと、多くの課題に全力を尽くしたい」とあいさつ。来賓の山岡達丸衆院議員、神戸典臣道議、戸田安彦町長、山本浩平・町議会議長、堀井学衆院議員の琴恵夫人が祝辞を寄せた。
 基本方針を「象徴空間開設に向けて協会として整備促進に向けた取り組みに協力、民族の尊厳と社会的地位の向上と文化の保存・伝承・発展に寄与し、お互いに尊重しあえる社会基盤を築いていくため努力していく」とした。主な事業計画は(1)アイ・オロ・オ・コタン慰霊祭(7月)(2)白老アイヌ碑慰霊祭(8月)(3)しらおいチェプ祭(9月)(4)アイヌ語講座(5)アイヌ民俗技術伝承講座―など。
(富士雄志)
http://www.muromin.co.jp/murominn-web/back/2019/05/04/20190504m_08.html

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「ゴールデンカムイ」も「キングダム」のように映画になるだろうか

2019-05-07 | アイヌ民族関連
ブックウオッチ 2019/5/ 3

書名 アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」
監修・編集・著者名 中川裕 著、 野田サトル イラスト
出版社名 集英社
出版年月日 2019年3月15日
定価 本体900円+税
判型・ページ数 新書判・262ページ
ISBN 9784087210729
BOOKウォッチ編集部コメント
 人気マンガの「キングダム」と「ゴールデンカムイ」は似ているところが多い。集英社の「週刊ヤングジャンプ」に連載されて大人気。アニメ化もされ、ともに手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した。06年から連載がスタートした「キングダム」は単行本で累計約4000万部といわれ、「ゴールデンカムイ」は14年スタートだが、すでに900万部を超えているという。
 本書『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』 (集英社新書)は、漫画監修者の中川裕・千葉大学文学部教授による解説書だ。
ミステリーと歴史ロマンが折り重なる
 「ゴールデンカムイ」を簡単におさらいしておこう。時代は日露戦争が終わって間もないころ。舞台になっているのは北海道だ。戦争からの帰還兵・杉元佐一は北海道で一獲千金を夢見て砂金採りに明け暮れていた。そんなときアイヌの埋蔵金伝説を耳にする。和人に対抗するための軍資金としてアイヌが蓄えていた莫大な量の砂金が一人の男に奪われ、今も行方知らずだというのだ。この話に、網走監獄を脱獄した死刑囚や、アイヌの人々、さらに幕末の元新選組などが絡んで物語が展開する。ミステリーと歴史ロマンが折り重なり、アクション、そして狩猟やグルメ、伝承なども随所に盛り込まれている。
 とくに重要な役割をしているのがアイヌだ。登場人物も多い。連載開始前に、マンガの作者の野田サトルさんと担当の編集者が、アイヌ文化研究者の中川さんのところに監修を頼みに来た。第一話の原稿がすでにできていた。それを読んで中川さんは「これはいける!」と直感したという。綿密に取材を重ねて描かれたと思われる狩人のいでたちと正確な描写力、読者をぐいぐい引き込んでいく物語作りに大きな可能性を感じた。
アイヌ語を母語として話せる人が「もういない」
 本書は、最初に「ゴールデンカムイ」の主要キャラクターたちが絵入りで示され、「あらすじ」も紹介されている。そのあと「第一章 カムイとアイヌ」「第二章 アイヌの先祖はどこから来たか?」などと順に説明が続く。
 中川さんによると、アイヌがこれほど大きな存在として作品の中に登場するのは異例だという。それだけに監修者としても力が入ったようだ。この作品を読んだ中川さんの身近なところにいるアイヌの人たちはみな好意的な評価だという。
 日露戦争直後のアイヌの人口は約1万8000人。それが2017年の「北海道アイヌ生活実態調査」によると約1万3000人。アンケート調査なので必ずしも正確ではないが減っている。さらに100年前との大きな違いは、アイヌ語を母語として話せる人が「もういない」ことだ。1955年生まれの中川さんがアイヌ語を学び始めたころは、まだ話せるお年寄りがいたという。
 だが、このまま消えていく、ということでもないようだ。中川さんはハワイの例を参照している。ハワイ語を母語として話せる人はほとんどいなくなったが、ハワイ大学を中心に復興運動が行われ、ハワイ島では幼稚園から大学までハワイ語の授業が行われているそうだ。
国立アイヌ民族博物館が開館
 同じように北海道でも様々な取り組みが進んでいる。中心になりそうなのが、2020年に北海道白老町に開館する国立アイヌ民族博物館だ。「国立」というところがすごい。すべてアイヌ語で表示が行われる予定。様々な事業も計画されている。アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記したアイヌ新法も2019年4月19日、参院本会議で成立した。「近代化の過程で多くのアイヌの人々が苦難を受けたという歴史的事実を厳粛に受け止める」ことなどを盛り込んだ付帯決議が、全会一致で採択されている。
 「ゴールデンカムイ」は期せずしてアイヌを巡る大きな動きにも連動した形になっている。これからますます注目されるだろう。 「キングダム」はすでに実写映画化されているので、「ゴールデンカムイ」も映画化されれば両者の歩調がそろう。
 ところで、「カムイ」と言えば、どうしても白土三平の『カムイ伝』が思い浮かぶ。友人に大ファンがいるので聞いたら、白土さんの『カムイ伝』は元々アイヌを主人公にする予定だったという。しかし、機が熟さず、やむなく時代と舞台を変えたのだとか。登場人物にもアイヌ的な名前の人物が散見されるという。
 本欄では、『地図でみるアイヌの歴史』(明石書店)、『アイヌ人物誌』(青土社)、『つくられたエミシ』(同成社)、『千島列島の山を目指して――知床、千島、カムチャッカ紀行』(牧歌舎)なども紹介している。
https://www.j-cast.com/bookwatch/2019/05/03008969.html

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必見のNetflixオリジナル映画10選

2019-05-07 | 先住民族関連
エスクァイア5/3(金) 22:40配信

このストリーミングサービスに初のオスカーをもたらした『ローマ』を始め、時間を割いて観る価値のある作品の数々を紹介します。
 映画やテレビ番組の話題の大きさや視聴者数、賞での実績を基準に支配的な文化を判断するならば、現代社会を席巻しているのはNetflixです。 
 この巨大ストリーミングサービスは、2019年だけでオリジナルプログラムに150億ポンド(約2兆2000億円)を費やす見込みです。それは高額のギャラで大物俳優たちを引きつけているだけでなく、作品づくりにおいて従来の映画スタジオとは比較にならない裁量を監督たちに与えています。 
 Netflixと言えば、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』、『ナルコス』といった先駆的なオリジナルドラマシリーズの素晴らしい品質が高く評価されてきましたが、オリジナル映画については長年これらに見合うレベルに引き上げるための試行錯誤が繰り返されてきました。しかし近年のNetflix映画は、ゴールデングローブ賞などの映画賞でも頭角を現しており、今年は複数作品が映画館でも公開される予定となっています。 
 今回は、そんなNetflix映画の中から見逃せない10本の作品を紹介いたします。
『ROMA ローマ』
 アルフォンソ・キュアロン監督は2014年、美しい宇宙ドラマ『ゼロ・グラビティ』でメキシコ人監督として初のアカデミー監督賞に輝きました。あれから4年、キュアロン監督はメキシコシティで働く先住民の家政婦を描いたこのモノクロ映画で再びこの賞を受賞。
 今回は待望の作品賞受賞も有力視されていました(結果は『グリーンブック』に敗れました)。
 キュアロン監督はこの物語に命を吹き込むために、無名の俳優たちを自らキャスティング。その中には、主役のクレオとして驚くべきデビューをはたしたヤリッツァ・アパリシオも含まれています。
 濡れた床に頭上の飛行機が反射するシーン、映像が家具店の中から窓の外の暴動へと移り変わるシーン、犬のフンを本当に美しく捉えたシーンまで、この映画には多くの記憶に残るシーンや衝撃的な瞬間があります。
『オクジャ/okja』
 『オクジャ/okja』には、人口過剰の危機やのために動物の飼育することへの倫理的問題、強欲な企業、権力者に真実を言う子どもの無邪気な力といったテーマがあります。
 しかし基本的には、カバにも豚にも見える動物の友だち「オクジャ」を愛する女の子の物語です。
 『オクジャ/okja』はジェイク・ギレンホールやティルダ・スウィントン、ポール・ダノの素晴らしい演技が光る気持ちのいい映画です。
 また、観た人に罪悪感をもたらす作品でもありますが、これも悪いことではありません。
『バスターのバラード』
 この6章からなるアンソロジー作品は、もともとミニシリーズとしてのリリースが意図されていたもので、米国の西部開拓時代の様々なストーリーを2時間の映画にまとめたものです。この映画は複数の映画賞を受賞しており、特に優れた脚本が評価されています。
 章ごとに作品のトーンが突然変わることもあり、コーエン兄弟の頭の中をのぞくという意味で楽しめる1本と言えるでしょう。
 暴力的な描写も満載であり、タランティーノ作品や『ゲーム・オブ・スローンズ』のように登場人物の誰が死んでもおかしくないという映画です。
 『早とちりの娘』のゾーイ・カザン、主人公のバスター・スクラッグスを演じるティム・ブレイク・ネルソンは、実に素晴らしい演技を見せてくれました。
『マイヤーウィッツ家の人々』
 「アダム・サンドラーのオスカー争い」など、想像もつかないかもしれません。
 ですがノア・バームバック監督(『フランシス・ハ』、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』)のこの映画がカンヌ映画祭でスタンディングオベーションを集めると、実際にそんな見出しが世間を賑わせました。
 サンドラー演じるダニー・マイヤーウィッツは、腹違いの弟のマシュー(ベン・スティラー)とともに、芸術家の父であるハロルド・マイヤーウィッツ(ダスティン・ホフマン)に振り回される人生を送ってきました。
 そんな家族が再び実家に集まることになり、ハロルドの回顧展に向けて驚くほど緊迫した家族ドラマが展開されます。
『マッドバウンド 哀しき友情』
 ミシシッピデルタのある土地が、2つの家族を良くも悪くも結びつけます。彼らは人種や階級による隔たりがあるものの、いずれも苦労する家族により良い生活をもたらしたいという一心で、同じ土地で共に働くことになります。
 それぞれの家族の男が一人ずつ戦争に従軍し、2人は心に傷を負って返ってきます。しかし、彼らは戦争によってケリがついたかに思えた問題に、再び直面することになるのでした…
 この映画はアカデミー賞において、1つの歴史をつくりました。撮影監督のレイチェル・モリソンは2018年、女性として初めてアカデミー撮影賞にノミネートされました。
 また、ディー・リース監督という新たな才能、メアリー・J・ブライジやキャリー・マリガン、ギャレット・ヘドランドの素晴らしい演技も注目に値します。
『タルーラ ~彼女たちの事情~』
 『JUNO/ジュノ』では際立った演技を見せてくれたエレン・ペイジですが、アリソン・ジャネイとの3度目の共演をはたしたこの映画での役柄も、これに匹敵する素晴らしいものでした。
 しかし、今回の彼女が抱くのは自らの赤ちゃんではありません。彼女が演じたのは、育児放棄した母親から赤ちゃんをさらうホームレスの流れ者です。
 一方、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』では恐ろしい母親の役でアカデミー助演女優賞に輝いていたジャネイでしたが、今回演じた母親はこのときとは似ても似つかないキャラクターでした。
「赤ちゃんをさらう」という決断は、最初こそ狂気の沙汰にも思えますが…。
 『タルーラ ~彼女たちの事情~』は、この状況でのモラルに関する問題を巧妙に提起しています。また、シャーリーズ・セロンが出演した2018年の映画『タリーと私の秘密の時間』と同じように、母親に関するタブーとも言える側面に切り込んだ新たなタイプの興味深い映画でもあります。
『ジェラルドのゲーム』
 スティーブン・キングは原作『ジェラルドのゲーム』の中で、あるシンプルな問題を提起しました。それは「人里離れた湖畔の別荘に夫婦で滞在し、アブノーマルなプレイの一環としてベッドに手錠で繋がれていたとき、突然夫が死んでしまったらどうなるか?」というものです。
 こうして妻のジェシー(カーラ・グギノ)は、「自由になるために手首を切るべきか」というジレンマに直面します。実際に長時間ベッドにつながれ、精神が錯乱したかのようなグギノの演技は印象的です。
 この映画は、現実と非現実の境界が曖昧になることでさらに面白くなっていきます。
 というのも、ストーリーが進むにつれて彼女は夫や昔の記憶が入り混じった幻覚を見るようになり、この幻覚と現実がごちゃまぜになっていくのです。
『プライベート・ライフ』
 キャスリン・ハーンとポール・ジアマッティが演じるクールなブルックリンのカップルは、子どもを作るにはもう手遅れではないかと心配しています。
 2人は肉体的にも精神的にも消耗する体外受精や養子縁組にも取り組みますが、性行為中や前後、病院の待合室でも口論が絶えません。
 幸いにもまだ若い2人の姪っ子が現金とニューヨークのアパートへの居候と引き換えに卵子提供を申し出ますが、彼女の両親はこの突飛な考えには賛成しません。
 子づくりのためにあれこれ試みる2人の姿は、どこかユーモラス。そして物語は、切なく記憶に残るエンディングを迎えます。
『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
 キャリー・ジョージ・フクナガ(『トゥルー・ディテクティブ』、「007」最新作)の監督としての才能と、イドリス・エルバの俳優としての才能、さらにNetflixの豊富な資金力が絡み合って生まれたのが『ビースト・オブ・ノー・ネーション』です。
 ナイジェリア系アメリカ人の作家であるウゾディンマ・イウェアラが、2005年に執筆した原作をベース。内容は西アフリカの内戦を生き延びる少年兵を描いたもので、その悪夢のようなスタイルで『地獄の黙示録』との類似点も指摘されています。
 エルバは、冷血ながら同情の余地もあるパワフルな司令官を熱演。
 9歳にして映画デビューをはたしたエイブラハム・アタは、戦争で失われる無邪気さを強烈に印象づける少年兵を演じました。
『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』
 「ペルソールの新作なの?」と、登場人物の1人がジェイク・ギレンホール(検眼技師が支給した遮光眼鏡をしています)にたずねる場面は、『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』で描かれるロサンゼルスのアートシーンの日常風景です。
 ここは新作インスタレーションがヒットを飛ばし、「インスタ映えするためなら、ギャラリーで死人が出てもおかまいなし」の世界感で展開していきます。
 この映画のストーリーは、高慢な美術評論家のモーフ・ヴァンデバルト(ジェイク・ギレンホール)とともに、彼の友人であり恋人でもあるジョセフィーナ(ゾウイ・アシュトン)の二人を軸に展開していきます。
 ある日ジョセフィーナは、亡くなった隣人の家で奇妙なアートを発見します。そこから物語は走り出します。
 彼女は上司(レネ・ルッソ)からこのアートを売るよう圧力をかけられますが、怨念が宿ったこの作品たちがアート界の悪党の面々(トニ・コレットやトム・スターリッジのような)を身の毛もよだつクリエイティブな方法で殺し始める…というちょっとえぐい物語です。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190503-00010006-esquire-movi

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