私は石好きで、結晶した鉱物好きでもあるのですが、それらとはまた別に、熔け痕のある石にも何か惹かれるものを感じる事があります。
上の写真は、今から約25年前に伊豆大島に行った時に、お土産屋さんで買った溶岩です。その時、三原山登山も行いましたが、現地は風化した溶岩だらけで、熔け痕のある溶岩は見当たりませんでした。この溶岩は、恐らく、1986年の噴火直後に採取されたものだと思われます。その熔け痕と木の葉のような形状が魅力的だと思います。
溶岩はその名前の通り、溶けた岩石ですが、結晶した鉱物の中にも稀に熔け痕のあるものがあります。
上の写真はラベルの無い鉱物名も産地も不明なものですが、一緒に豊羽鉱山産の鉱物があった事や、色々調べてみて、もしかすると輝銀鉱かもしれないと思っております。その特徴は、熔け痕のような形状にあります。
もう一つ、上の写真は尾太鉱山産の閃亜鉛鉱と方鉛鉱です。これの面白いところも熔け痕のある方鉛鉱部分でしょうか?
金属鉱物の中でも輝銀鉱や方鉛鉱は融点が低く溶けやすい性質があり、熔け痕のような形状のものがある場合があります。
そこには鉱物の結晶成長と熔解の来歴がしっかり残っており、標本的な面白さが宿っているように感じております。