ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【10月も毎週日曜日は休業します。】【10月19日(土)は店主は終日不在です。店は通常通り営業します。】

図録

2016-12-13 12:38:24 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「図録」です。このブログ内検索で調べてみると、過去に幾つかの記事に「図録」という文字が出て来ましたが、タイトルとしては今回が初めてとなります。

今年も国内で気になる展示会が幾つかあったのですが、お店をやっていると、中々、外に出れる機会が少なく、どうしても行かなければならない石川県内の展示会に限ってしか行けませんでした。そんな場合に非常に有難い存在だと思うのが「図録」です。それは実際の展示会に行かなくても行った気になれるうれしい存在です。

「図録」とは 「図や写真を主とした記録または本」(大辞林 第三版の解説)の事で、展示会を再現し、保存する重要なものです。普通、一般の出版物とは違って書店では購入できず、その展示会場でしか入手できません。ただ、一部のものはその施設で販売しており、展示会に行かなくともお取り寄せで入手可能です。

私が今年入手したお気に入りの図録は神奈川県立 生命の星・地球博物館の「Minerals in the Earth -大地からの贈り物-」という特別展図録です。(どうも現在は完売となったようです。)



この図録は鉱物標本の写真が充実していたと思います。展示も一般的な分類展示ではなく、鉱物の生成する場所・岩石を取り上げ、その岩石に含まれる鉱物を紹介していくという流れになっており、非常にわかりやすい構成になっておりました。しかも、学術的でありながらも鉱物美を堪能できるところが好感が持てました。その図録は私にとっての今年の鉱物本ベスト1となります。



次に紹介したいのは、つい先日企画展が終了した東京理科大近代科学資料館の「数理にひそむ美」という図録です。この企画展は鉱物の結晶美を含む形をテーマにしたもので、数学的な曲線や多面体の美をテーマとしてあり、非常に興味深く思いました。私は残念ながらその企画展に行けなかったので、「石の華」の常連さんのKさんが東京に行く機会にその図録を購入して来て欲しいとお願いして入手したものです。

その図録には興味深く美しい作品?(アート作品と言って良いと思います。)がたくさん載っておりました。最後には常設展示されている菱田為吉の驚異的な多面体模型も載っており、うれしく思いました。

図録という存在はテーマ性がはっきりとしており、内容が充実している事が多いように思えます。それは専門性が高い分、一般の書籍よりも高価であっても良いような気がしますが、うれしい事に予想より安価な事が多く、お得な気がしております。私の自宅の本棚にはそのような過去の展示会の図録が多く並んでいます。そういう意味で、私は図録コレクターであると言っても良いのかもしれません。

今朝、久しぶりにそのような図録が並んでいる本棚を見ていて過去に古書展で入手した一冊の図録を懐かしい思いで手にしました。

それが次の写真です。



これは1964年に国立西洋美術館(今年、世界遺産登録。「数理にひそむ美」にも出てきます。)と京都市美術館で特別公開された「ミロのビーナス」展の図録です。当時、175万人という入場者数があったらしいのですが、もちろん私は行っておりません。

この図録にはミロのビーナスの細部の計測値とプロポーションの詳細データが載っておりますが、何故か黄金比との関係性の事が載っておりません。それは「数理にひそむ美」として良く知られた事だと思っていたのですが、図録「数理にひそむ美」にも載っておりませんでした。当時の世の中はそのような事に関心がなかったのかもしれません。

図録にはその展示会時点の関心事がしっかり記録されており、その当時の関心事がそのまま保存されているのだろう、と思いました。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テレビ石

2016-12-09 14:42:49 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「テレビ石」です。このブログでは過去に「テレビ石」が出てくる記事が3件ありましたが、タイトルになるのは初めてです。

昨日、ネットで「石の華」の存在を知ったと言う、七尾からいらっしゃったご夫婦が来店しました。どうも小学2年生の娘さんが大の石好きだそうで、テレビ石を欲しがっているらしく、それを求めてのご来店でした。

店にはちょうど人工のものと天然のものとがありましたので、両方をお見せしました。





上の二つがそれらと同じようなものです。

最初の写真は人工のもので、テレビ石効果が良く出ていますが、次の写真の天然のものはその効果があまり出ていません。その二つを見て、ご夫婦は一瞬、迷われたようですが、結局は両方ともお買い上げとなりました。本当はやはり天然のものが欲しいのでしょうが、人工のものも見比べると、その効果の違いは歴然としておりますので、両方とも安価だったという事もあって、両方のお買い上げとなったようです。

その娘さんのお話を少し伺うと、どこで拾ってきたのか?既に数多くの自採コレクションがあるらしく、石の知識も大人顔負けする程らしいのです。

どうも鉱物女子予備軍と言って良いようです。

確かにテレビ石はお子さんに人気のある石です。否、お子さんに限定してはいけません。私も鉱物コレクションを始めた初期にはテレビ石をコレクションしました。チョッとしたテレビ石効果には新鮮な驚きがありましたし、そのような驚きは鉱物趣味の芽生えには必要条件なのだろうと思います。

そのお嬢さんの未来が楽しみです。

ところで、話が変わりますが、現在検討されているという小松市の石文化保護条例の事が気になっております。それがどのような内容になるのかが気がかりです。その内容によっては鉱物趣味に大きく影響が出てくる可能性があります。

その条例によって子供たちの鉱物趣味への芽生えを削ぐような事にならないように願いたいものです。石文化とは鉱物少年や化石少年、鉱物女子や愛石家達が存在して初めて成り立つものですから。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こち亀

2016-12-01 12:57:40 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「こち亀」です。「こち亀」とは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本 治の漫画作品)の事で、先日連載終了がニュースにもなった(1976年42号から2016年42号まで一度の休載もなく連載され、単行本は全200巻で、発行巻数が多い単一マンガシリーズでギネス世界記録を保持。)漫画です。

私は漫画を読む習慣がありませんので、そのような「こち亀」も読んでいませんでした。

ところが、先日、あるお客さんから「こち亀」の中で菊花石が話題となっている巻があります、という情報を教えてもらい、早速調べて、古本を入手しました。

今、その巻(169巻「石!採掘王の巻」)を読み終えたところです。面白かったと思います。

菊花石は私も好きな石ですし、「石の華」的にはこのブログスタートの石でもありますので、無視する訳にもいきません。それに石の漫画も極少数の漫画を除いて、非常に珍しいと言えます。このようなお客さん情報は貴重で有り難いものです。知らなかった事を知ることが出来てうれしく思います。

「こち亀」に関してはこれまで興味がなかったので、読んでなかったのですが、あるひとつの思い出があります。

それは私がまだ名古屋に住んでいた頃で、ある週末に、鉱物的な旅の一環として、神戸を訪ねた事がありました。その旅は「理容なかもと」という理容店に行く為で、店主が鉱物マニアという事で、お店が私設鉱物博物館になっていました。私はそこで散髪してもらいながら鉱物談義を楽しみました。そして散髪の後も鉱物展示を見れるというユニークな理容店でした。店主から兵庫県産の標本を少し分けてもらってうれしかった事を思い出します。

そこは理容店でした。鉱物展示だけではなく、普通にコミックスが並んでいる本棚もありました。その中に多くの「こち亀」が並んでいた事を思い出します。

私はその店主と多くの鉱物の話をしたのですが、「こち亀」の話をしたのかはよく憶えていません。恐らく、そのような話はしなかったと思います。それは菊花石の巻の掲載より前の事だったからです。

ただ、どうしてか?多くの「こち亀」コミックスが並んでいた記憶が残っております。謎です。

追記
漫画に出てくる菊花石にそっくりな石が店にありましたので、その写真を載せます。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする