昨日、第2回石川県鉱物同好会総会を行いました。出席者は、特別会員である宝塚市の澤田さんや和歌山市からいらっしゃったTさんも含めて総勢19名となりました。
まず、昨年定めた会則(会長の任期は2年)に従って、本年度も初年度と同じ体制で行う事になりました。
総会は、まず最初の議題である春の採集会の日時・場所を決めました。また、秋の採集会は富山市科学博物館の採集会と連動する事に決まりました。
その後、遅れて出席となった人達もそろい、自己紹介の時間をとりました。
自己紹介では各自、鉱物趣味歴や鉱物に対する思いが述べられました。我々の同好会は出来てまだ日が浅いのですが、会員の思いは熱く、もっともっと活動を活発化しなければならない、と思ってしまいました。
自己紹介の後は他の議題や報告事項を伝え、その後は、総会の楽しみのひとつである標本鑑賞に移りました。
標本鑑賞は会員の所有するコレクションを見ながらの石談義です。昨年も同じように思いましたが、本当に、皆さんレベルの高いものをお持ちだと思います。
私が特に感動したのは、やはり澤田さんのコレクションです。澤田さんは今回、石川県産の鉱物を持って来られたのですが、どれもが超の付く一級品でした。金平産の黄鉄鉱の美結晶をはじめ、尾小屋鉱山産の黄銅鉱(ドイツのクランツ商会のラベル)、倉谷鉱山産の菱マンガン鉱には驚きました。クランツ標本は東京大学のコレクションで有名です。私は特にクランツ商会の木製結晶模型に興味を持っていましたので、その名前は良く知っていました。日本は明治時代にはクランツ商会を介して外国産の鉱物標本を購入していたのです。また、クランツ商会は日本産の鉱物標本を持っていったのだろうと思います。どうもその中には尾小屋鉱山産の黄銅鉱も混ざっていたのです。それが現在、里帰り標本として澤田さんが所有されています。その状態は非常に良く、その古さを感じないものでした。それはドイツに行った事、澤田さんというコレクターの手に移った事、幸運な鉱物標本だと思います。倉谷鉱山産の菱マンガン鉱にも驚きました。私は現物を初めて見ました。Nさんが昔、桜貝のような欠片を見た事があるとおっしゃっていましたが、それを思わす美結晶が水晶と共生しておりました。その標本も古さを感じないものでした。その事は澤田コレクションのレベルの高さを物語っていると思います。レベルの高い標本は保存状態が良いのです。
総会は最後に標本配布に移りました。鉱物マンガで有名なつゆねこさんが送って下さった多くの標本や輪島のYさんが提供された秩父鉱山産の車骨鉱、河津鉱山産のイネス石、越生如意の含クロム柘榴石、加賀のMさん提供の小松市菩提産の算盤玉石、小松のSさん提供の花坂の紫水晶、そして澤田さん提供の大阪府豊能郡能勢町長谷産の正長石(益富地学会館のマークにもなっているカルルスパッド双晶)等々、数多くの標本を配布しました。提供された皆様、ありがとうございました。
2時間を予定していた総会はアッと言う間に終わりました。皆さん、用意していたお茶やお菓子にはほとんど触れずに石ばかりに触れていました。
会員の皆さんは、「花より団子」というより「団子より石」な人達でした。
コメント、ありがとうございます。
TYさんの標本は好評でした。貴重な標本、本当にありがとうございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
折があればまたお分けしましょう。